悲しき潮騒【最終話】 | 【大阪・梅田】ねこ店主のひとりごと

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ねこ店主のおばかさんでちょっと不思議なひとりごと。





その携帯の着信は…
解約を申し入れてきた彼だった。





「昨日、叔父が風呂で倒れてそのまま…」





こともあろうに解約を勧めた
彼の叔父が亡くなったという

知らせだった。






人が亡くなるというのは悲しい事

なのだが、このタイミングには

きっと「何か意味」があるのかも

知れないと彼女は思った。







最終的に月末まで待ち、彼の解約

の意思が固ければ、解約の手続き

に入るので、もし、解約せずに

頑張ってみようと思うのならば

それまでに判断をして下さいと

連絡を入れた。






結果、解約せずに頑張ろうという
方向に向いているらしい。





人は全て「必然」のタイミングの

中で、様々な「学び」を得る事で

魂の成長の為に今世を生きるのだ

と僕自身は考えているのだが

誰かの「死」というものは、その

影響のある人の人生を大きく左右

するものであったりする。





彼は叔父の死を受け止め、どのように
前向きに生きるかというチャンスを

得たのかも知れない。


ただ、それをチャンスとするか否かは…
本人次第なのである。





先輩のセッションを経て、この数週間

の間に様々な出来事が起こったのだが

更に大きな影響が現れ始めた。



ここからは、非常にプライベートな事

なので、書き記す事は差し控えるのだが…


セッションの際にオーダーを受けた
お念珠のお渡しが延期になるくらいの
大変な渦中にある今の先輩の為、少し
でも早く届けなければと思い、こちら

で判断してある石を追加して作り直した。



そのオーダーしてくれたブレスは…

彼女が大ファンのゴールデンボンバーの
ヴォーカル、鬼龍院翔氏がつけている
念珠で使用している
「ブラックスター」と

いう石をメインに「ゴールドギベオン」を

合わせた特注品。









今の彼女を守るには「これ」しか
なかろうと急いでお送りした。



その時のメールのやり取りの中で
今回のセッションの本当の意味を
感じさせるやり取りがあった。




「当分、取りに行けそうもないので
高価になってもギベオン付きで作って
もらおうとかと思っていたから、凄く

嬉しいです。


君と再会してからの数年間は比較的

落ち着いていたから、きっと休息の

時間だったのかも知れません。



      ~中略~


周囲で起こる「不幸」とありますが
私は生まれて一度も「不幸」という

ものを感じた事はありません。

もちろん、悲しいとか苦しいとかは
感じていますが、運がないとか
恵まれていないとかは思ったことが
ないんです。

それ以上に、土壇場で救われる運の

強さがあり、力になってくれる人が
周りに沢山いることで、私は本当に
幸せな人間やと思います。」…と。




彼女が「前世の戦い」の中で

守りたかったもの。






それは…家族や大切な仲間だった

のだろうと


誰にでも誠実で、優しく、思いやり

のある今の先輩を見ていて容易に

感じ取れた。







確かに、血生臭い戦いの前世が

あったのかも知れない。





その前世に時代に翻弄されながらも
彼女が「自分の命」を張ってまで

助けた沢山の人達が、今世に生まれ

変わって、今の彼女を助けてくれて

いるのかも知れない。






今世の彼女の恐るべき「強運」は
きっと、そのせいなのだと思った。








過去は過去。


現在は現在。


未来は未来。






悪い意味で捉える事なく、それを糧に
前向きに生きる事が出来るのであれば
意味のない事など何一つない。




だからこそ「前世」というものを
苦しい今を生きる上での言い訳という
「カルマ」にせず、必要以上にこだわる
事なく、日々を大切に「学び」として
過ごす事が重要なのだと思う。





メールの後半に…

「もしかしたら、僕も前世でお世話に
なっていたのかも知れませんね。」と
僕が返したら、先輩からこんな答えが
帰ってきた。








「いやいや、今も世話してあげてるやん。
いつもピザおごってあげてるやろ(笑)

来世は奮発して、焼き肉食べ放題を
君の事務所でやってあげるわ。

もちろん、炭火焼でね(笑)」







思わず最後に僕はこう切り返した。







「あはは♪
 みんな…一酸化炭素中毒で


      来世行きですがな。」









そうメールに書き込んだ後
スマホをペインターポケットにしまい

自宅に帰る最終電車に揺られていた。




静かに眠りに落ちて行く様な暗闇の中
小さな光が揺れる列車の車窓に映る
その景色にふと…見つけた看板には

「食べ放題」という文字が…









「やっぱり…一酸化炭素中毒は






           嫌やな。」






と僕は心の中で呟いて
思わず笑ってしまった…。








妄想の中に現れたのは…




一酸化炭素中毒の症状で
白目をを剥きくるくると

転げ回る「二頭身」の…



先輩がいたからである(笑)













完