『命の器』(高野山にて)【第11話】 | 【大阪・梅田】ねこ店主のひとりごと

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ねこ店主のおばかさんでちょっと不思議なひとりごと。

 


七福神巡りの為、最後に訪れた
「本覚院」を後にして、次の目的地の
「金剛峯寺」へ向かった。

弘法大師御廟の次に当時、高野山での
中心的な役割を担っていたのがこの
金剛峯寺だったのであろうと考えていた。

当時では…である。


正直なところ、この金剛峯寺は、実は僕に
とってはただの通過点であって、本当の
目的地は何故か「大門」だった。

この「大門」には、大きな門以外、何もない
事は調べて知っていたのだが・・・。

きっと、行けば判るのだろうと思っていた。





この金剛峯寺には
年間どれだけの数の人々が訪れるので
あろうか?綺麗に整備が行き届いていて
まさに「観光地」というに相応しい佇まい
である。

しかし、何故か古い学校や美術館特有の
普通の神社仏閣とは違う「何か」を感じて
いた。



決定的な「何か」が…足りないのである。

 

 

 

 

 

 

 


右側の建物の奥にある靴箱に靴を入れ
中に上がり、拝観させて頂いた。

元々、寺院の定義は僧侶が住み、教義を
勉強する所であって、神社の様に神様が
住んでいる場所ではない。

しかし、寺院には「仏様」と呼ばれる如来や
菩薩、明王や天部が崇拝の対象として祀られ
上手く言えないが、仏様の存在を感じられる
「何か」があり、合掌して感謝するのだが…



この金剛峯寺では

結局、一度も手を合わせる事はなかった。







そう、正直に言えば、ここには仏様の存在
をなにも感じる事が出来なかった。

僕が鈍感なだけかも知れないが、言えば
まるで「歴史博物館」の様だった。

金屏風等、歴史的に価値のある物かも
知れないが、その前に何故か設置されて
いる賽銭箱の意味が判らなかった。

建物の中にある「お土産物の売店」の
おばさん達が、恐らく、納入業者の事で
あろうか、彼等の悪口を言って、しきりに
盛り上がっていた。
そんな話を参拝者が聞いて、どう思うなど
と考えている様子もなく。


奥に行けば、昔の僧侶たちの食事を用意
する為の調理場の様な場所があった。

何故か、その場所だけが「現実」の様で
イメージの中で窯に火が入り、湯気が
立ち、沢山の僧侶達が働く姿が見えた。



結局、何もなかったなぁ~と思いつつ
大門に向かう為、「蛇腹の道」を通り
檀上伽藍(だんじょうがらん)へ…。




ここもまた綺麗に整備されていて、やはり
「観光地」なのだと思わせる佇まい。


伽藍とは僧侶が集まり修行する場所の事で
弘法大師が高野山上に伽藍を建立した
最初の地と云われ、 現在では総本堂である
「金堂」や多宝塔「根本大塔」が建ち並ぶ
高野山一の伽藍群だそうだ。





入り口のくすんだ朱色の塔とは違い
少し奥に行けば、一際目を引く、朱色の塔
「根本大塔」があった。

 

 

 

 

 

 

 

高野山のシンボルである根本大塔は
高さ48.5mの多宝塔。 多宝塔様式としては
日本最初のもので、根本大塔が建つ、この
壇上伽藍は、奥之院と並び高野山の中で
最も神聖な場所とされている。

 

 
現在のものは弘法大師が入定して1100年目
を迎えた1937年に再建された。
 




禁止だったので、撮影は控えたが内部には
中央に胎蔵界大日如来、それを囲むように
金剛界の四仏が配されていて、その周りの
十六の柱に十六大菩薩の仏画が描かれて
いた…のだが。


残念ながら、ここにも「何も」なかった。


金色の大きな如来様がまるで、何か違う
「目的」の為に製作されたモビルスーツの
様に見えたのだった。

何を「目的」にしたのかは…それぞれの
ご想像にお任せするが。





ただ、昔の文献は見ていないので、実際は
知らないのだが、この場所で沢山の僧侶が
亡くなっている様に思った。

中途半端に広い敷地に少し、この世のもの
でない何らかの「存在」を感じずにはいられ
なかったからだ。




言わば、「空振りに終わった感」満載の
金剛峯寺と檀上伽藍を後にして、更に
先にある「大門」に向かった。



結構な距離があったのだが、バス停で
時刻表を見ると、やはり次のバスが来る
まで30分ほどかかる。

これは「歩いて行け」と言われているの
だろうと思い、半ばあきらめ気味で歩いた。

段々、寝不足と疲労で足も痛くなってくる。
良く考えれば、奥之院の入り口あたりから
途中3分程バスに乗ったが、その後は
ずっと歩いていたのだから。




普段飲まない炭酸飲料を珍しく飲みながら
先を急いだ。

ひと気も無くなって、少し緩やかな坂を
上がって行くと、少し大門の輪郭が見えた。


来た道を右側に入ると、大門に続く砂利
の道が続く。

この感じ…「知ってるな」と思いながら
前から来る外人のカップルと目が合った。


すれ違う瞬間、言葉こそ交わさなかったが
軽く会釈した時に、彼女の「青い目」が
何かを言った様な気がして、少し歩いて
振り返ると彼女も振り返っていた。

もう一度、お互い笑顔で会釈をしてから
心のなかで「元気でね」と言った。


わずか0.5秒、目を見ただけで「何か」を
感じるのは、きっと…どこかの前世で
ご縁があった人なのだと思う。






そして、最後の目的地「大門」の裏側に
到着した。

 

 

 

 

 

 

 


何もないのは最初から判っていたが
本当に何もない。


そのまま門を出て、真っ直ぐ行くと
道路に出て、その向こうは崖である。

小さな看板に「夕陽百選」に選ばれる
スポットで、天候が良ければ淡路島や
神戸・六甲山が望める様な事が書いて
あった。


まぁ天候はそこそこだが、そこまでは
見えない。



「なーんだ。こんなもんか」と思いながら
仕方ないので、もと来た道を帰ろうかと
思い、左側に続く道をぐるっと回って
Uターンしようかと思い、左後ろを見た
その時…




大門と道を挟んで右側に四角い何かが
視界に飛び込んで来た。


良く見ると、何の変哲もない看板か案内板
の様なものだったが、正直驚いた。


それは…
普通ではありえない素材で作られていた
からである。



「なんでこんな所にこんなもんが???」


その書かれていた文字を見てハッとして
僕をこの「大門」に呼んだ本当の理由は
これだったのか?と思った。




そこにあった看板の素材とは?
そして書かれていた文字の意味は?

まるで「それ」を理解させる為に、ここまで
歩かされたのかと思う程の衝撃を受けた
事実とは?

弘法大師様が伝えたかった
ご自身よりも偉く、尊い存在とは?



次回、衝撃の最終話…ご期待下さい。