名曲散歩~Don't know why~ | チャネリングと星が照らす自分解放の道

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フリーランス巫女ささなおが、霊的存在の黒龍のおんりゅう(陰龍)さんのチャネリングメッセージや西洋占星術を用いて、みなさんの人生を解放に導くメッセージをお届けします。

Norah Jones "Don't know why"

(リンクをyoutubeからお借りしています)


ノラ・ジョーンズを知ったのは、ラジオから流れてきたこの曲がきっかけだった。


その声に一発で魅了されてしまった。


デビューアルバム『Come away with me』のCDを買って何度も何度も繰り返し聴いた。


そして、ついに彼女のライブが、9月に東京国際フォーラムで行われるということで、初来日ライブではなかったものの(その年の4月にプロモーションのため来日していたので)私はとても楽しみにして、チケットを買い(ホールCで、7000円だった)、その日を待った。


当日は、お気に入りのブラックドレスを着て、わざわざそのためだけに美容室で髪までセットしてもらった(私としては滅多にないことだ・・・ほかには妹の結婚式くらいしかない)。


ひろーいステージには、真ん中にグランドピアノがあり、それを囲むようにちんまりとバンドのセット。幕は開いていた。


胸をワクワクさせながら待っていると、やがて客席の照明が落ちた。


そこに、Tシャツとジーンズ姿の男性がどやどやと入ってきた。


「あれ?楽器のセットとかするスタッフさんたちかな?」


と思っていたら、なんとそれがバンドメンバーで、よく見ると小柄なノラもその中にいたのだった。


まったくしゃれっ気ゼロのメンバーたち。


ノラもTシャツ、ジーンズ、スニーカーだった。


ステージが明るくなって、演奏が始まった。


ノラはほとんど話さず、1曲披露した後に、


「こんにちは、ノラ・ジョーンズです。今日は楽しんでいってください」


と、ぼそりとごく簡単に英語であいさつして、あとはひたすら、アルバム『Come away with me』の曲を淡々と演奏していった。


ステージ上では、特に照明が変わることもなく、実にシンプルに・・・というか、味気ない演出。


広いステージの真ん中に、ぽつねんとバンドがいて、照明も変わらなくて、全く動きがないというのが、どういう雰囲気か、お分かりいただけるだろうか・・・


ノラも、曲名の紹介以外、特に客席に語りかけたりすることもなく、淡々と演奏が続く。


で、アルバム1枚分演奏し終わると、彼らはお辞儀をしてステージを去って行った。


「・・・?」


拍手が上がるも、客席からは若干の戸惑いの声。


すると、彼らがバタバタと戻ってきた。


(わぁ!アンコールかしら?それともこれから第2部とか!)


と一瞬期待したものの、


「1曲演奏し忘れたので・・・」


とノラはボソッとつぶやき、また淡々と演奏すると、そのまま引き上げていって、二度と戻ってはこなかった。


・・・ステージが始まって、わずか1時間足らずのことだった。


ライブ後のロビーでは、


「いくらなんでも短すぎない!?」「アンコールもないって何!?」


などと憤りの声があちこちであがっていた。


私も、がっっっ・・・っかりした。


同じ国際フォーラムの、規模は違うけど(より大きなホールAで)、同じ7000円のチケットで、綾戸智恵の、3時間以上歌ったり踊ったりコーラスまで出てきたりの大サービスコンサートなんかも観ていた私は、ただ本人たちを見たのだけが付加価値、みたいなライブに、心底がっかりして、夕方に始まったのにまだ明るさの残る空を恨めしく眺めながら、とぼとぼと家に帰った。


彼女が、新人ながらグラミー賞を総なめにする、ほんの数か月前のことである。


それ以来、私は、ノラ・ジョーンズに対して、複雑な感情を持つようになってしまった。


彼女の声の抗いがたい魅力に、どうしようもなく惹かれてしまうのに、そのたびごとに、あのライブの時の大きな失望感や、裏切られたような恨みが、甦ってきてしまうのだ。


それでも、今でも私は、つらい夜、リラックスしたいとき、何も考えたくないとき、誰かに慰めてほしいときなど、様々なシチュエーションで、あのCDをかけてしまう。


世の中には「天才」と呼ばれる人たちがいて、その中には、世界中の人から、


「お願いだからあなたの芸を見せて!!」


と懇願される、数億人に一人の割合くらいに稀な、ごく一握りの人たちもいる。


ノラ・ジョーンズは、まぎれもなくその一人である。


彼女が仮に「もう歌いたくない」と言っても、世界がそれを許さないだろう。



今では、私も、若かった自分が勝手に抱いた期待を、一方的に裏切られた気分になって味わった、よく考えると恥ずかしくなるような失望とか、恨みなどを、だいぶ温かく包み込んで溶かして、許せるようになった。

結局私は、ノラに対して怒っていたのではなく、一方的にわくわくと胸を高鳴らせ、期待しすぎて、それがかなえられなかったと失望した自分に対して、恥ずかしさと怒りを抱いていただけなんだ。・・・と、頭で考えればわかることだけど。

(それに最近では、自分の思い込みとか期待とかを相手に押し付けることがほとんど無くなった。ただ事実だけを受け取ろうとしているから。だからもっと対象と距離を取れるようになったし、気分の切り替えも楽になって、ネガティブ方向に行きそうになったらすぐに気付いて軌道修正できるようになったし、ずいぶん生きるのが楽になった。)

それでもね・・・時々、思い出してつらくなったりする。

歌は、心の深いところに直結して、昔の気持ちをフラッシュバックさせるから。


なのに、どこかで、ワクワクしたり、なにかを楽しみにしたりして、ドキドキと胸を高鳴らせる自分が、好きなんだねぇ。嫌いになれない。

なんだか、人間らしくていいじゃない。


こんな風に、私をいろんな気持ちにさせてくれる、名曲です。