
ニセ警察詐欺はマインドコントロールの手法が使われていること
電話で警察や検察を騙り捜査するとラインなどに誘導され、大きな金額を振込させられるなどの被害がしばしばテレビなどで報道されている。今回は前回の「トクリュウに自分の銀行口座を売ってしまう若者」に関連する記事である。
このような被害でよく思うのは、同じ手口の犯行が多く報道されているのに、被害者はおかしいことに気付かなかったのだろうか?と言うこと。彼らは新聞やテレビやインターネットのニュースを観ないのだろうか?と思ったりもする。もうひとつ驚くことは、すぐに動かせる数千万、億単位のお金を持っている人が意外にいることである。
あまりにもニセ警察官詐欺の被害件数が多いため、警察も電話で捜査の電話などかけませんとか、ラインに誘導したりしません等をアナウンスしている。そもそも、日本の警察が民間アプリのラインを利用したりしないと気づくのが普通だと思う。怪しいと思われる人(推定犯人)に対して直接、電話をするのも妙なものである。
なお、僕はスマホやタブレットにラインアプリをインストールしていない。僕の友人の精神科医(N数は少ない)でラインを入れている人を知らない。これは精神科医はラインをしない方が良いと言うのもある(過去ログ参照)。だから僕にラインに誘導する詐欺電話がかかってきたら、まずラインをインストールしていないと答えると思う。
最初に挙げた記事は、トクリュウの振り込み詐欺から発展したニセ警察詐欺は、マインドコントロールの手法を使っていると言う話である。
洗脳とマインドコントロールは同じようなワードであるが、心理学では暴力や身体拘束を伴うものを洗脳、本人が気づかないうちに日常的なコミュニケーションで心理操作するものをマインドコントロールと区別している。
どちらも最終的には「個人の思考や行動を特定の方向へ支配する」という目的は共通している。いずれもイントロ部分では、情報と環境の遮断が行われる。
ヒトは周囲の意見や外部の情報と照らし合わせ、自分の考えが正しいかを判断する。洗脳のプロセスでは、まず家族や友人との連絡を断たせ、特定の情報しか入らない環境をつくる。これは旧統一教会やオウム真理教がしばしば行っていた手法である。相談できる相手がいないことで、操作側の意見だけを正解だと信じ込むようになる。
上記の新興宗教などの洗脳では、その後、既存の自己の否定(罪悪感・不安感)や新しい価値観の提供と救済(理想の提示)などに進むが、その部分はニセ警察詐欺ではあまりない。
余談だが、新興宗教の洗脳における新しい価値観の提供と救済の過程では、絶望の状況で優しくされることで、強い好意や依存心が生じ、ストックホルム症候群のような状況になる。
以下はWikipediaよりストックホルム症候群
パトリシア・ハースト事件について
上記ウキペディアサイトから抜粋。
1974年2月4日21時20分、当時19歳でカリフォルニア大学バークレー校2年生だったパトリシアは、家出して恋人と高級アパートに一緒にいたところを武装した2人組に襲われ、連れ去られる。その3日後、犯人グループである左翼過激派シンバイオニーズ解放軍(SLA)より地元ラジオ局のKPFAに犯行声明が届く。彼らはパトリシアの身柄を解放する代わりに、「カリフォルニア州の貧民6万人にそれぞれ70ドル分の食料を与える」ことを要求した。
同年4月15日、SLAのメンバーはサンフランシスコ北部にあるハイバーニア銀行サンセット支店を襲撃。この際、銀行の防犯カメラに誘拐されたはずのパトリシアが犯人グループと共にライフル銃を持って強盗を行っている様子が写る。この映像はマスコミを通じて広く報道され、全米は騒然となる。
ニセ警察官詐欺は、日本人の警察という国家権力に対する恐怖感、畏怖を利用している。これはマインドコントロールのひとつの重要なピースだと思う。
かなり前だが、どの県だったか忘れたが名簿屋に売られた高校卒業生の名簿を利用しかなりの家庭にオレオレ詐欺の電話がかかってきたらしい。その際、銀行員の受付の女性が、「お客様、これは詐欺です」と必死で止めたのに、それを振り切って大金を振り込んだ人が女性がいたと言う。
これは「それほど自分の子供が信頼できないのか?」という笑い話のような扱いだったが、これもマインドコントロール的な行動なんだと思う。
自分はそのような詐欺に騙されないと思っていたのに騙された人もいる。
この還付金詐欺のニュースは非常に重要な点がある。それは本人の日常の出来事のタイミングが偶然あってしまうと騙されやすいことである。以下に挙げた広島銀行の詐欺も同様である。
今回、この記事を挙げた理由だが、精神科にかかる患者さん達は、トクリュウの詐欺に騙されやすい人が相対的に多いように思われることがある。例えば、若い人ではロマンス詐欺などが挙げられる。しかもその人のIQが高くても、さほど抑止力にならない。
その理由は、トクリュウの詐欺を詐欺と見抜くのは、IQが全く無関係とは言わないが、脳の異なる機能を使っていると思われるからである。
