ジュリアン・カサブランカス | kyupinの日記 気が向けば更新

Square Wave (The Voidz)

 

 

 

上は、The VoidzによるSquare Wave という楽曲のライブ演奏。前回、音楽のテーマでJulian Casablancasについて紹介している。今回はその続きである。

 

 

前回の記事の中でJulian Casablancasは類まれな才能を持っていると記載している。最初に挙げたSquare Waveは、なんと2024年に発表されたLike All Before Youに収録されている。このアルバムのデザインは上に挙げた2曲目と同じである。AIにより描かれているらしい。

 

Like All Before You
1. Overture
2. Square Wave
3. Prophecy of The Dragon
4. 7 Horses
5. Spectral Analysis
6. Flexorcist
7. Perseverance–1C2S
8. All The Same
9. When Will The Time of These Bastards End
10. Walk Off (Outro)

 

Julian Casablancasは1978年生まれでまだ47歳。40歳代後半でこれほど創造性豊かで、これほど人の心を揺さぶる楽曲を作れる人がいる?

 

日本のミュージシャンを思い浮かべても、この年齢で、1曲だけではなく、多くの素晴らしい楽曲を作れる人はほどんどいない。

 

Square Waveは誰にでも比較的聴きやすい楽曲だと思う。また、Square Waveは歌詞は(いつものように難解だが)、自分の子供に向けたメッセージであることに気付く。

 

彼の母親は離婚後、再婚しているが、いくつかの楽曲で、Julian Casablancasと義父との心理的葛藤を思わせる歌詞が出てくる。しかしJulian Casablancasは自らも離婚しており今は逆の立場になっていて、彼の二人の子供への思いがこの楽曲に込められている。

 

以下は、The Voidzの2014年のデビューアルバム、Tyrannyに収録されているDare I Careである。The Voidzの楽曲では名曲の1つでライブでも必ず演奏されている。

 

 

 

The Voidzのライブ演奏を観ていると、ドラマーが凄いことにすぐに気づく。まるで数人のドラマーで演奏しているのでは?と思うほど。

 

このドラマーはいったい誰なのかと思い調べてみると、Alex Carapetisと言うオーストラリア、アデレード出身のドラマーであった。彼はオーストラリアのエルダー音楽院でジャズを学び2005年23歳の時にアメリカに移住。その後、ロックミュージシャンとして成功している。まだ43歳である。

 

Dare I Careは、実はAlex Carapetisが関係している楽曲である。Dare I Careの歌詞は、KeshaがDoc Lukeから性的虐待を受けていたことに対するJulian Casablancasのメッセージである。WikipediaのKeshaに以下の一文がある。

 

2014年1月、プロデューサーのドクター・ルークから薬を盛られてレイプされたり、心理的虐待を受けたとして告訴。その後、ドクター・ルークから名誉棄損で反訴されたが、2023年6月に示談によって和解した

 

KeshaはAlex Carapetisと付き合っていて、Julian達がシングル制作を手伝ったこともあったのである。

 

Julian Casablancasのヴォーカルはノイズが乗っていて全然上手くないじゃないか?と思うかもしれない。しかしロックを聴く人はそういう評価はしない。彼のヴォーカルはおそらくヴォコーダーか何かでわざと歪ませている。ちょっと粗くなっている部分が、かえって魅力的であり彼のヴォーカルは「あたかも楽器のようだ」。

 

The Voidzの楽曲は実験的にグランジを発展させている音楽である。特にDare I Careは、東洋的(特に中近東)な音楽やKurt Cobainにも影響を受けている。

 

ロックのヴォーカルは情熱がいかに込められているかが重要で、単に上手い下手の評価とは異なる。

 

The Voidzは、スタジオアルバムよりライブ演奏の方が遥かに良い。ライブ演奏はスタジオアルバムよりミスが出るし粗い演奏になっているわけで、ライブ演奏の方が良いと言うのは、つまりそういうことなんだろうと思う。

 

パーフェクトに近い上手い演奏を聴きたいなら、ロックよりジャズやクラシックを聴いた方が良い。

 

 

この楽曲はQyurryusと言う造語のタイトルが付けられている。QyurryusはもともとCuriousと言う、奇妙な、風変わりな、興味をそそるの発音をJulian Casablancasがスペルを変えたものだ。まさに実験的な楽曲で、素晴らしさを超越している。

 

彼のある種の叫びと言うか唸りのようなヴォーカルは、サッカー日本チームが中東に行った際、スタジアムで聴こえてくる宗教的な祈りに似ている。

 

Qyurryusの歌詞は抽象的で難解だが、社会や教育システム、メディアにより提供される情報やプロパガンダに対する批判が根底ある。この批判は他の楽曲でも時々言及されるテーマである。

 

この記事で今年は終わりです。みなさん良いお年をお迎えください。

 

参考

 

Dare I Care 

13:30〜

Qyurryus

30:52〜