精神鑑定 心神喪失 民事責任 | kyupinの日記 気が向けば更新

心神喪失による民事責任は原則として免除される

心神喪失と民事・刑事責任

 

過去ログのどこか忘れてしまったが、心神喪失の場合、刑事責任は免除されるが、民事責任は問われるような記載をしている。今回はそれは間違いなのでエントリとしてアップすることにした。以下の2つの記事も参照してほしい。これらの記事の中で記載していたと思ったら、この2つの記事の中にはなかった。

 

 

 

ただし心神喪失では民事責任は免除される原則だが、民事責任のみ生じる犯罪ではほとんど精神鑑定など行われないことは重要だと思う。つまりそのような犯罪では、心神喪失かどうかなど検証されない。

 

例えば世間を震撼させるような殺人事件があったとしよう。このレベルの大事件では、犯罪を起こした人に奇妙な言動などがあれば、弁護士が精神鑑定を行う手順を踏むことが多い。精神鑑定を行う精神科医は、普段は精神科医として精神科で働いている医師と、精神鑑定専門の医師に分かれる。精神鑑定専門の医師とは、普段は医療に携わらず大学教授などをしていることが多い。(精神科病院でアルバイトくらいはしているかもと思う)

 

このような大事件では、心神喪失の有無が決着するため、もし心神喪失ならば、刑事責任および民事責任を問われない。

 

問題は、もう少し些細な事件のケースである。精神疾患を持つ患者さんでは、昏迷状態と思われる病態で事件を起こし何らかの被害を与えることがある。

 

このような際、心神喪失かどうかなど検証されないため、その被害額を請求されて本人ないし家族が支払うケースと、被害者が損害額の請求を諦めて、何も患者さんが支払わないで決着することもある。

 

そもそも、その事件が明らかに心神喪失に由来しないと思われるケースでも、本人に支払い能力がないことも多くある。

 

事件内容によれば警察署で取り調べも行われるが、検事がこのような重いレベルの精神病患者を積極的に裁判まで持っていくことは稀で、結局、不起訴となり、本人にとっては無罪同然の結末になる。

 

これは検事が、本人のかかりつけの精神科医に意見書などを依頼し、検討した結末である。

 

このような際、保険会社が絡み、本人に被害額を請求するケースと、そうしないケースがあることは、ちょっと不思議である。つまり、一定した対応はしていないように見えるのである。

 

精神科医に、少しは意見を聴くなど相談してほしいと思うものだ。

 

なぜなら、時に、碌にお金を持っていない患者さんから、毎月いくらなど長期ローンのような支払いを負わせているからである。