天災、事故と生命保険
生命保険は、天災、戦争などでは支払われない。だから本来、地震、津波での死亡は支払われないのが普通である。
関西大震災のケースでは早朝に起こったこともあり、地震の規模に比べ死亡者が膨大な数にならなかった。そのため、日本政府の保険会社への指導もあり生命保険金が支払われたようである。あの震災でもし夥しい人数が死亡していたら定款に基づき支払われなかったであろう。その理由は保険会社が破産するからである。(この定款は保険会社のリスクヘッジ事項といえる)
その意味では、関西大震災は特別なケースであった。今でもそれ以外の津波などの天災で生命保険が支払われなかったなどの話を聞くが、それは定款の通りなのである。関西大震災は特別に支払われて小規模な津波の死亡で支払われないのは被害者にとって不公平感があり、納得できないかもしれない。(国民の注目度の差と思う)
生命保険は、「そんなことをしたら死ぬかもしれないだろ!」と言うようなことをして死亡した場合は支払われない。例えば、ハングライダー中の事故による死亡はたぶん支払われない。(ハングライダー中の怪我も同様である)。
騎手、競輪選手、競艇選手は生命保険に入れないはずだ。だから選手などの師弟で将来、親と同じ職業を目指す人は、子供の頃に生命保険に入っておくらしい。そうすると競技中の事故による死亡は支払われなくても、その他の疾患が支払われる(交通事故や病気)。
スキューバダイビング中の事故はどうも支払われないような気がするが、実際はどうかは詳しくない。スキューバダイビングのライセンスは日本では簡単な講習でとれるが、海外に行くとライセンスは誇張してとらえられ、かなりの名人に思われるためかつては事故が時々起こっていた。素人に毛が生えている程度なのに、そうとは思われていないから。オーストラリアなどの海でスキューバダイビングで死亡した日本人は勝手に泳いでいて、ボートから放置されたような感じになり、そのまま死亡するというパターンもあったという。名人なので自主性を重んじているんだと思われる(僕の友人の話)。
まだ大学を卒業した頃だが、友人と沖縄の離島に遊びに行った時、体験ダイビングをやってみたことがあった。船から潜水具を着て飛び込む際に、どうも息苦しいというか、呼吸に負荷がかかっているような気がしてならなかった。
もう飛び込みますよ!
と言うインストラクターに、是非、もう一度器具を調べてほしいと頼んだ。調べたところ、
栓を抜き忘れていました!
と明るく言われた。どうも指導員が酸素ボンベに繋がる栓を抜いていなかったようなのである。栓を抜いていないから息がしにくいことが判明し、再整備して海に飛び込んだ。
その日、その事件で疲れ果て全然楽しめなかった。もし栓を抜かずに飛び込んでいたら、たぶん溺死していたような気がする。あれは器具が重過ぎて自力では到底浮上できないからである。
最初の説明でインストラクターの人は、何らかの故障で呼吸が出来なくなったら、インストラクターのマスクを取り上げて使ってください、などと笑い話風に言っていたが、実際にはパニック状態になり、何が何やらわからないうちに死亡する確率の方が高い。なぜならダイビングをする人数に比べ、インストラクターは少なすぎて、すぐ近くにはいないからである。海外での日本人のスキューバダイビングの死亡者は、
なぜなんだ!
という顔つきをしていると言う。不条理さが顔に出ているんだと思う。とりあえず、特に離島でのダイビング指導員は責任感ゼロと思ったし、結局はダイビングで死ぬのは自己責任のような気がしたので、生涯スキューバダイビングはしないことにした。だからさんざんハワイやオーストラリアに行っているが、その後スキューバダイビングはしたことがない。
話が戻るが、子供の頃、近所の人がモーターボートから転落し、スクリューで首を切り亡くなったことがあった。そのケースではやはり生命保険が支払われなかったようである。危険とわかっている行為では支払わないことが、むしろ一般の加入者全体を考えるに公平という理念がある。当時、僕は(近所の人もそうだが)なんとケチな保険会社だと思った。そういうことで同様に酒気帯び運転中の事故による死亡(運転者)では生命保険が支払われない。
イギリスにロイズという有名な保険組合がある。これはなんと17世紀の終わり頃に発祥しており、当初は船舶事故などの保険を引き受けていたらしい。当時のロイズはただのコーヒーハウスのような場所であり、当初は不謹慎な商売と思われていた。イギリスは植民地と船舶による貿易がさかんであったが、当時は度々船舶事故が起こっていた。出て行ったきり戻ってこない船舶も多かったからである。(10隻に1隻は戻ってこない感じ)
つまり、「船舶事故の補償はしますが、その保険料を頂きましょう」といった感じだ。今の火災海上保険みたいなものである。ロイズの凄いところは、戦争であれ天災であれ何でも支払っていたことである。実際、関東大震災の際にあるビルが崩壊した際に、ロイズに保険をかけていたため保険金が支払われたという話を聞いたことがある。
湾岸戦争中などは、中東近辺の船舶の保険料率が急騰していた。なぜ急騰するかだが戦争行為でも保険が支払われるからである。最近でもソマリア沖の海賊などのため、あの海域を通る船舶の保険料率は高いと思われる。ソマリア沖の海賊と自力で交戦して逃れた船舶は北朝鮮籍のものだけと言う。交戦できるだけの装備をしていると思われる。
アメリカの911事件でも、貿易センタービルの破壊、崩落のため、日本の保険会社が1つ潰れている。あれは日本的に言えば、テロ行為なので支払い義務が生じないタイプの事件だが、世界的にはロイズもそうだが、支払いをする保険が存在しているのである。あの潰れた保険会社はリスク分散がまずかったと思われる。まあ、貿易センターのツインビルが破壊されるなんて想像もしていなかったこともあると思う。
ロイズはブローカーとアンダーライターにより形成されており、ロイズ自体は場みたいなものであるらしい。シンジケートを作り、ある保険のほんの1部分を引き受ける。リスクを分散することが極めて重要なのであろう。アンダーライターは本来、無限責任を負っており、大事故が起これば、破産しようが保険金を支払わなくてはならない。
だから、古典的アンダーライター(ネーム)は貴族などのとてつもない資産家がなっていたようである。もし思わぬ大事件が起こり、膨大な支払い義務が生じた際、美術品や貴金属を売却し支払いにあてていたと言う。初期のロイズが不謹慎といわれたのは、人の不幸を金儲けの対象にしていることがたぶん関係している。
比較的最近の話だが、20世紀の終わり頃、一般の中産階級の人たちがロイズに入ってきた時期があった。これはやはりこの保険組合(つまり貴族などのネームの人々)は儲かっていたからである。
ところが、その後、ヨーロッパに天災が相次ぎ、またアスベスト問題もあって、中産階級の人々は次々と破産、没落する結果になった。無限責任を負っていたからである。これはロイズにとって非常に問題があった。いかなる理由でも完全に支払うことでロイズは絶大に信用されていたからである。現在、有限責任の法人ネームも1992年頃から募集されるようになっているらしい。
関西大震災のケースでは早朝に起こったこともあり、地震の規模に比べ死亡者が膨大な数にならなかった。そのため、日本政府の保険会社への指導もあり生命保険金が支払われたようである。あの震災でもし夥しい人数が死亡していたら定款に基づき支払われなかったであろう。その理由は保険会社が破産するからである。(この定款は保険会社のリスクヘッジ事項といえる)
その意味では、関西大震災は特別なケースであった。今でもそれ以外の津波などの天災で生命保険が支払われなかったなどの話を聞くが、それは定款の通りなのである。関西大震災は特別に支払われて小規模な津波の死亡で支払われないのは被害者にとって不公平感があり、納得できないかもしれない。(国民の注目度の差と思う)
生命保険は、「そんなことをしたら死ぬかもしれないだろ!」と言うようなことをして死亡した場合は支払われない。例えば、ハングライダー中の事故による死亡はたぶん支払われない。(ハングライダー中の怪我も同様である)。
騎手、競輪選手、競艇選手は生命保険に入れないはずだ。だから選手などの師弟で将来、親と同じ職業を目指す人は、子供の頃に生命保険に入っておくらしい。そうすると競技中の事故による死亡は支払われなくても、その他の疾患が支払われる(交通事故や病気)。
スキューバダイビング中の事故はどうも支払われないような気がするが、実際はどうかは詳しくない。スキューバダイビングのライセンスは日本では簡単な講習でとれるが、海外に行くとライセンスは誇張してとらえられ、かなりの名人に思われるためかつては事故が時々起こっていた。素人に毛が生えている程度なのに、そうとは思われていないから。オーストラリアなどの海でスキューバダイビングで死亡した日本人は勝手に泳いでいて、ボートから放置されたような感じになり、そのまま死亡するというパターンもあったという。名人なので自主性を重んじているんだと思われる(僕の友人の話)。
まだ大学を卒業した頃だが、友人と沖縄の離島に遊びに行った時、体験ダイビングをやってみたことがあった。船から潜水具を着て飛び込む際に、どうも息苦しいというか、呼吸に負荷がかかっているような気がしてならなかった。
もう飛び込みますよ!
と言うインストラクターに、是非、もう一度器具を調べてほしいと頼んだ。調べたところ、
栓を抜き忘れていました!
と明るく言われた。どうも指導員が酸素ボンベに繋がる栓を抜いていなかったようなのである。栓を抜いていないから息がしにくいことが判明し、再整備して海に飛び込んだ。
その日、その事件で疲れ果て全然楽しめなかった。もし栓を抜かずに飛び込んでいたら、たぶん溺死していたような気がする。あれは器具が重過ぎて自力では到底浮上できないからである。
最初の説明でインストラクターの人は、何らかの故障で呼吸が出来なくなったら、インストラクターのマスクを取り上げて使ってください、などと笑い話風に言っていたが、実際にはパニック状態になり、何が何やらわからないうちに死亡する確率の方が高い。なぜならダイビングをする人数に比べ、インストラクターは少なすぎて、すぐ近くにはいないからである。海外での日本人のスキューバダイビングの死亡者は、
なぜなんだ!
という顔つきをしていると言う。不条理さが顔に出ているんだと思う。とりあえず、特に離島でのダイビング指導員は責任感ゼロと思ったし、結局はダイビングで死ぬのは自己責任のような気がしたので、生涯スキューバダイビングはしないことにした。だからさんざんハワイやオーストラリアに行っているが、その後スキューバダイビングはしたことがない。
話が戻るが、子供の頃、近所の人がモーターボートから転落し、スクリューで首を切り亡くなったことがあった。そのケースではやはり生命保険が支払われなかったようである。危険とわかっている行為では支払わないことが、むしろ一般の加入者全体を考えるに公平という理念がある。当時、僕は(近所の人もそうだが)なんとケチな保険会社だと思った。そういうことで同様に酒気帯び運転中の事故による死亡(運転者)では生命保険が支払われない。
イギリスにロイズという有名な保険組合がある。これはなんと17世紀の終わり頃に発祥しており、当初は船舶事故などの保険を引き受けていたらしい。当時のロイズはただのコーヒーハウスのような場所であり、当初は不謹慎な商売と思われていた。イギリスは植民地と船舶による貿易がさかんであったが、当時は度々船舶事故が起こっていた。出て行ったきり戻ってこない船舶も多かったからである。(10隻に1隻は戻ってこない感じ)
つまり、「船舶事故の補償はしますが、その保険料を頂きましょう」といった感じだ。今の火災海上保険みたいなものである。ロイズの凄いところは、戦争であれ天災であれ何でも支払っていたことである。実際、関東大震災の際にあるビルが崩壊した際に、ロイズに保険をかけていたため保険金が支払われたという話を聞いたことがある。
湾岸戦争中などは、中東近辺の船舶の保険料率が急騰していた。なぜ急騰するかだが戦争行為でも保険が支払われるからである。最近でもソマリア沖の海賊などのため、あの海域を通る船舶の保険料率は高いと思われる。ソマリア沖の海賊と自力で交戦して逃れた船舶は北朝鮮籍のものだけと言う。交戦できるだけの装備をしていると思われる。
アメリカの911事件でも、貿易センタービルの破壊、崩落のため、日本の保険会社が1つ潰れている。あれは日本的に言えば、テロ行為なので支払い義務が生じないタイプの事件だが、世界的にはロイズもそうだが、支払いをする保険が存在しているのである。あの潰れた保険会社はリスク分散がまずかったと思われる。まあ、貿易センターのツインビルが破壊されるなんて想像もしていなかったこともあると思う。
ロイズはブローカーとアンダーライターにより形成されており、ロイズ自体は場みたいなものであるらしい。シンジケートを作り、ある保険のほんの1部分を引き受ける。リスクを分散することが極めて重要なのであろう。アンダーライターは本来、無限責任を負っており、大事故が起これば、破産しようが保険金を支払わなくてはならない。
だから、古典的アンダーライター(ネーム)は貴族などのとてつもない資産家がなっていたようである。もし思わぬ大事件が起こり、膨大な支払い義務が生じた際、美術品や貴金属を売却し支払いにあてていたと言う。初期のロイズが不謹慎といわれたのは、人の不幸を金儲けの対象にしていることがたぶん関係している。
比較的最近の話だが、20世紀の終わり頃、一般の中産階級の人たちがロイズに入ってきた時期があった。これはやはりこの保険組合(つまり貴族などのネームの人々)は儲かっていたからである。
ところが、その後、ヨーロッパに天災が相次ぎ、またアスベスト問題もあって、中産階級の人々は次々と破産、没落する結果になった。無限責任を負っていたからである。これはロイズにとって非常に問題があった。いかなる理由でも完全に支払うことでロイズは絶大に信用されていたからである。現在、有限責任の法人ネームも1992年頃から募集されるようになっているらしい。