コンサータを貰いに来た人 | kyupinの日記 気が向けば更新

コンサータを貰いに来た人

 

 

コンサータは登録制の向精神薬であり、同じADHDの薬のストラテラ(アトモキセチン)とインチュニブとの大きな相違がある。

 

コンサータ患者カードはクレジットカードくらいの大きさで、かなり薄く邪魔にならないサイズである。患者カードは持ち主の名前が書かれていないので、紛失したとしても、拾った人は悪用できない。

 

ある日、コンサータを処方してほしいと希望し来院した初診患者さんがいた。その患者さんはコンサータ患者カードを持っており、保険証や患者IDを照らし合わせたところ、本人に間違いなかった。

 

コンサータ患者カードを持っていて、他病院に初診しコンサータの処方を受けようとするのはおかしな話である。

 

ありうるとしたら、帰省などでコンサータをうっかり持って帰るのを忘れた時くらいだろう。

 

しかし、コンサータの患者IDのデータベースには名前こそ記載がないが、処方履歴がすぐにわかるのである。

 

その患者さんは、ごく最近に処方を受けており、重複して処方を受けたかったようである。

 

その理由は、おそらく多くの量を服薬したかったか、あるいはコンサータを欲しがる友人に頼まれたか、他人に売ろうとした可能性まである。

 

これはコンサータの中止案件だと思うが、本人がどのようにしようと思ったか、悪用しようとした証拠はないので、診察及び処方を断るだけに留めた。

 

コンサータは服用したことがない人が考えているほど魔法の薬ではなく、合わずに止めるケースもしばしばある。未成年で意を決して書類を揃え申請したのに、初回で「これは継続できない」なんてなるとこちらもガックリである。

 

初回だけ処方して、以後、服薬できそうにないと、ただ患者カードを本人が持っているわけではなく、患者カードの無効の手続きをする。仕事が増えるばかりでうんざりである。

 

 

上は、患者カードを紛失した時の話。とにかくADHDなので、たまに紛失しても不思議ではないし、時間が経ち、以前のカードがみつかることもある。

 

いつも同じ場所に置いておかないからそういうことになる。どこかにしまうからなくなるのである。

 

ある日、その患者さんは、以前紛失したはずのカードで受診したのである。これはうちの病院ではわからず、院外薬局からの電話連絡で知った。

 

コンサータ患者カードは紛失して再発行した場合、以前のカードは自動的に無効になる。これはクレジットカードの紛失時の流れと同じである。

 

これも疑わしい案件で、もしかしたら患者カードを他人に売ったかもしれないと思った。しかし何か悪意があったという証拠がない。

 

例えば、譲り受けた人が新しいカードで本人になりすまし他の病院にかかったとしよう。その際、譲った本人の保険証が必要だし、もし1度でも処方を受けたら、データベースに書き込まれるので、その犯行が速やかにバレるのである。

 

このような人は、コンサータを処方継続できない。(失格案件)

 

結局、その人は単にうっかりだったようで、新しいカードが自宅で見つかったらしい。

 

コンサータ患者カードで何かあると、主治医の仕事が増えるといったところである。