↑第一話↑
翌朝――。
ニャン寺の縁側。
白猫メルタンとチョコが、並んで庭を眺めていた。
ニャン寺に現れていた謎の濡れた足跡は、もう増えていない。
静かな朝だった。
そこへ。
トコトコトコ。
ジャンジャン和尚がやって来た。
ジャンジャン和尚
「白猫メルタン殿。」
白猫メルタン
「なあに?」
ジャンジャン和尚
「昨日のお話で、まだ気になっていることがあるであります。」
チョコ
「まだあるのね。」
ジャンジャン和尚
「もちろんであります!」
ジャンジャン和尚は、白猫メルタンの隣に座った。
ジャンジャン和尚
「キラキラ島へ行く前にも、旅をしていたのでありますよね?」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「どこへ行ったのでありますか?」
白猫メルタン
「いろんなところ。」
ジャンジャン和尚
「その『いろんなところ』を聞きたいのであります。」
白猫メルタン
「全部?」
ジャンジャン和尚
「できれば全部であります!」
チョコ
「それは長くなりそうね。」
ジャンジャン和尚
「本日は予定を空けてきたであります!」
チョコは、くすっと笑った。
白猫メルタンは、少し考えた。
そして――
ふっと笑った。
白猫メルタン
「じゃあ――」
白猫メルタン
「最初の島のお話。」
ジャンジャン和尚
「最初の島?」
白猫メルタン
「うん。」
チョコも、静かに白猫メルタンを見る。
これは――
チョコと出会うより、ずっと前の話。
キラキラ島で、テツオと出会うよりも、前の話だった。
そして――
まだ白猫メルタンが、とても怖がりだった頃の話。
――ずっと昔。
白猫メルタンが、まだ一匹で旅を始めたばかりの頃。
小さな船に乗って、海を進んでいた。
どこへ行くのか。
誰と出会うのか。
何も決めていない旅。
だけど――
白猫メルタンは、本当はとても怖がりだった。
波が少し高くなれば、船の真ん中で小さくなった。
海鳥が突然鳴けば、
ビクッ!!
夜になれば、何度も周りを確認した。
それでも――
旅を続けていた。
そんなある日。
霧の向こうに、小さな島が現れた。
白い砂浜。
その奥には、深い緑の森。
白猫メルタン
「…………。」
行ってみたい。
でも――
怖い。
知らない島。
知らない森。
誰がいるのかも分からない。
白猫メルタンは、船から前足を一本だけ出した。
そして――
引っ込めた。
もう一度、
出した。
また引っ込めた。
「…………やっぱり怖い。」
しばらく、海と島を交互に見る。
そして――
「…………でも。」
ほんの少しだけ、勇気を出した。
トン。
白い前足が、砂浜へ下りた。
それが白猫メルタンにとって、この島での最初の一歩だった。
おそるおそる砂浜を歩く。
すると――
のそのそ……。
草むらから、何かが近づいてきた。
白猫メルタン
「…………!!」
サッ!!
岩の後ろに隠れる。
のそのそ。
のそのそ。
現れたのは、一匹の亀だった。
亀
「おや?」
白猫メルタン
「…………。」
亀
「誰かおるのか?」
白猫メルタン
「…………。」
岩の陰から、青い目だけが覗いている。
亀
「わしは亀じゃよ。」
白猫メルタン
「……亀?」
亀
「うむ。」
少し間を置いて――
亀
「たぶん、そんなに怖くない。」
白猫メルタン
「…………。」
白猫メルタンは、そっと岩から顔を出した。
亀
「見ない顔じゃな。」
白猫メルタン
「……私、メルタン。」
亀は、ゆっくり笑った。
ゴンザ
「わしはゴンザじゃ。」
ニャン寺
ジャンジャン和尚
「ゴンザ殿。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「なかなか強そうなお名前であります。」
チョコ
「ふふっ、まだ自己紹介しただけよ。」
ジャンジャン和尚
「続けてくださいであります。」
再び昔話。
ゴンザに案内されて、森へ入っていく。
白猫メルタンは、ゴンザのすぐ後ろ。
ガサッ!!
白猫メルタン
「ひゃっ!!」
ゴンザの甲羅の後ろへ、
サッ!!
木の上から、小さな影が飛び降りた。
ルル
「ゴンザ、その子だれ?」
白猫メルタン
「…………。」
ゴンザ
「旅をしているメルタンじゃ。」
ルル
「へぇー!」
リスのルルは、白猫メルタンの周りをクルクル。
白猫メルタン
「…………。」
ルル
「私はルル!」
白猫メルタン
「……よろしく。」
ルル
「よろしく、メルタン!」
少し怖かった。
でも――
ルルは笑っていた。
だから白猫メルタンも、ほんの少しだけ笑った。
白猫メルタンに、二人目の友達ができた。
そして――
その日の午後。
遠くから、何かが聞こえてきた。
ドドドドドド!!
白猫メルタン
「…………!?」
ルル
「あ。」
ゴンザ
「来たか。」
白猫メルタン
「な、何が……?」
ゴンザ
「すぐ分かる。」
ドドドドドド!!
砂浜の向こうから、一匹の子犬が、
ものすごい勢いで走ってきた。
子犬
「ゴンザーーー!!」
ゴンザ
「聞こえておる。」
子犬
「ルルーーー!!」
ルル
「ここにいるよ!」
子犬
「知らない白猫がいるーーー!!」
白猫メルタン
「ひゃっ!!」
サッ!!
ゴンザの後ろに隠れた。
子犬
「…………。」
ルル
「ジャンジャン。」
子犬
「なに?」
ルル
「声が大きい。」
子犬
「…………。」
子犬は、少し考えた。
そして――
急に小さな声になる。
子犬
「……こんにちは。」
白猫メルタン
「…………。」
ゴンザの後ろから、そっと顔を出す。
白猫メルタン
「……こんにちは。」
現在――。
白猫メルタン
「すごく元気な女の子だった。」
チョコ
「…………。」
チョコがふっと微笑みながら、
ジャンジャン和尚を見る。
ジャンジャン和尚
「なぜこちらを見るのでありますか?」
チョコ
「なんとなく、似てるなぁって思って。」
ジャンジャン和尚
「まだ名前も聞いていないであります!!」
チョコ
「ふふっ、そうだったわね。」
昔話に戻る。
子犬は、白猫メルタンの前に座った。
子犬
「私は――」
胸を張る。
子犬
「ジャンジャン!!」
白猫メルタン
「ジャンジャン?」
ジャンジャン
「うん!!」
白猫メルタン
「……元気だね。」
ジャンジャン
「元気!!」
ルル
「いつもこんな感じ。」
ゴンザ
「声も大きい。」
現在。
シーーーーーン。
ジャンジャン和尚
「…………。」
白猫メルタン
「…………。」
チョコ
「…………。」
風が縁側を通り抜ける。
ジャンジャン和尚
「……今。」
白猫メルタン
「なあに?」
ジャンジャン和尚
「なんと?」
白猫メルタン
「ジャンジャン。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
白猫メルタン
「女の子のジャンジャン。」
ガバッ!!
ジャンジャン和尚が立ち上がった。
ジャンジャン和尚
「拙僧もジャンジャンであります!!」
白猫メルタン
「知ってる。」
ジャンジャン和尚
「拙僧も女子であります!!」
白猫メルタン
「それも知ってる。」
ジャンジャン和尚
「犬であります!!」
チョコ
「ふふっ、それは見れば分かるわ。」
ジャンジャン和尚
「白猫メルタン殿!!」
白猫メルタン
「なあに?」
ジャンジャン和尚
「そのジャンジャン殿は、どんな犬だったのでありますか!?」
白猫メルタン
「うーん……。」
白猫メルタンは、ジャンジャン和尚を見る。
じーーーーーっ。
ジャンジャン和尚
「…………。」
白猫メルタン
「元気。」
ジャンジャン和尚
「拙僧も元気であります!」
白猫メルタン
「声が大きい。」
ジャンジャン和尚
「大きいであります!」
チョコ
「そこは自覚があるのね。」
白猫メルタン
「よく走る。」
ジャンジャン和尚
「走るであります!」
白猫メルタン
「思いついたら、すぐ行動する。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
チョコは、優しく笑った。
チョコ
「やっぱり、ちょっと似てるわね。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
白猫メルタンも少し笑った。
「でもね。」
ジャンジャン和尚
「?」
白猫メルタン
「とっても優しい子だった。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
白猫メルタン
「私、あの頃すごく怖がりだったから。」
ジャンジャン和尚
「そうなのでありますか?」
白猫メルタン
「うん。」
白猫メルタン
「知らない場所も怖かったし、知らない子と話すのも怖かった。」
チョコは黙って聞いている。
白猫メルタン
「でも――」
白猫メルタン
「ジャンジャンは、毎日迎えに来てくれた。」
昔話
朝。
ジャンジャン
「メルターーン!!」
白猫メルタン
「…………。」
ジャンジャン
「遊ぼう!!」
白猫メルタン
「今日は……ここにいる。」
ジャンジャン
「なんで?」
白猫メルタン
「森、ちょっと怖いから。」
ジャンジャン
「…………。」
ジャンジャンは少し考える。
そして、白猫メルタンの隣に座った。
白猫メルタン
「?」
ジャンジャン
「じゃあ、ここにいる。」
白猫メルタン
「遊びに行かないの?」
ジャンジャン
「メルタンが行きたくなるまで待つ!!」
しばらくして。
白猫メルタン
「…………ジャンジャン。」
ジャンジャン
「なに?」
白猫メルタン
「ちょっとだけなら……行ってみる。」
ジャンジャン
「ほんと!?」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン
「じゃあ行こう!!」
ダッ!!
白猫メルタン
「速い!!」
ジャンジャン
「あっ!!」
慌てて戻ってくる。
ジャンジャン
「ゆっくり行こう!!」
白猫メルタン
「うん。」
ゴンザは白猫メルタンに、知らないものを怖がるのは悪いことではないと教えてくれた。
ルルは、知らないものを見つける楽しさを教えてくれた。
そして
ジャンジャンは、
怖い時には、一緒に歩けばいいことを教えてくれた。
少しずつ。
本当に、少しずつ。
白猫メルタンは、変わっていった。
最初は怖かった森へ、自分から入れるようになった。
知らない音がしても、すぐには隠れなくなった。
そして――
いつしか、白猫メルタンの方から言うようになった。
白猫メルタン
「ジャンジャン。」
ジャンジャン
「なに?」
白猫メルタン
「今日は、どこ行く?」
ジャンジャン
「…………!!」
ジャンジャン
「あっちーーー!!」
白猫メルタン
「だから速いって!!」
現在。
チョコが、優しく笑う。
「素敵なお友達だったのね。」
白猫メルタン
「うん。」
そしてチョコは、ジャンジャン和尚を見る。
「やっぱり、似てるわね。」
ジャンジャン和尚
「また言ったでありますな。」
白猫メルタンは、その島で初めて知った。
一人で見る海と、友達と見る海は、
同じ海なのに、少し違って見えることを。
一人では怖かった場所も、誰かと一緒なら、
少しだけ先へ進めることを。
そして――
「また明日。」
そう言ってくれる誰かがいることが、こんなにも嬉しいことを。
何日か経った、ある朝。
白猫メルタンは、一人で海を見ていた。
以前なら――
知らない海の向こうを見るだけで、少し怖かった。
でも今は違っていた。
ゴンザ
「どうした?」
白猫メルタン
「ゴンザ。」
ゴンザ
「うむ。」
白猫メルタン
「私――」
少し間を置いて、白猫メルタンは言った。
白猫メルタン
「また旅に出ようと思う。」
ルル
「えっ?」
ジャンジャン
「なんで!?」
白猫メルタン
「新しい友達を探したいの。」
ジャンジャン
「…………。」
白猫メルタン
「ここへ来る前はね。」
白猫メルタン
「知らないところが、ずっと怖かった。」
ゴンザ
「うむ。」
白猫メルタン
「でも――」
ゴンザを見る。
ルルを見る。
最後にジャンジャンを見る。
白猫メルタン
「ここに来たから、みんなに会えた。」
三匹
「…………。」
白猫メルタン
「だったら――」
海の向こうを見る。
白猫メルタン
「海の向こうにも、まだ会ったことのない友達がいるかもしれない。」
ジャンジャン
「……怖くない?」
白猫メルタン
「怖いよ。」
ジャンジャン
「…………。」
白猫メルタンは笑った。
「でも、行ってみたい。」
その言葉を聞いて――
ジャンジャンも笑った。
ゴンザ
「そうか。」
ルル
「寂しくなるなぁ。」
白猫メルタン
「私も寂しい。」
ジャンジャンは、少しだけ黙った。
そして――
ジャンジャン
「また来る?」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン
「絶対?」
白猫メルタン
「絶対。」
ジャンジャン
「じゃあ――」
いつもの大きな声で。
ジャンジャン
「行ってらっしゃい!!」
白猫メルタン
「行ってきます!」
小さな船が、島から離れていく。
砂浜には、ゴンザ。
ルル。
そして――
ジャンジャン。
三匹の姿が、少しずつ小さくなる。
それでもジャンジャンは、いつまでも手を振っていた。
ジャンジャン
「メルターーーン!!」
ジャンジャン
「いっぱい友達作ってきてねーーー!!」
白猫メルタン
「うんーーー!!」
ジャンジャン
「またねーーーー!!」
白猫メルタン
「またねーーー!!」
白猫メルタンは、海の向こうを見る。
やっぱり、少し怖かった。
でも――
もう、船の真ん中で小さくなることはなかった。
白猫メルタン
「次は、どんな子に会えるかな。」
そして――
白猫メルタンの旅は、再び始まった。
新しい友達を探すために。
その旅の先で――
キラキラ島へたどり着き、テツオと出会う。
さらにその先で――
チョコとも出会うことになる。
現在。
ニャン寺の縁側。
白猫メルタン
「……っていうお話。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
チョコ
「素敵な思い出ね。」
白猫メルタン
「うん。」
だが――
ジャンジャン和尚だけは、まだ何かを考えていた。
白猫メルタン
「ジャンジャン?」
ジャンジャン和尚
「白猫メルタン殿。」
白猫メルタン
「なあに?」
ジャンジャン和尚
「整理してもよろしいでありますか?」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「犬。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「女子。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「名前、ジャンジャン。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「元気。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「声が大きい。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「思いついたらすぐ行動。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「優しい。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
チョコ
「…………。」
ジャンジャン和尚
「拙僧では?」
白猫メルタン
「違うよ。」
ジャンジャン和尚
「即答であります!!」
チョコは、楽しそうに笑った。
その時――。
キラッ。
白猫メルタンの胸元で、
七色の石が、ほんの一瞬だけ光った。
三匹
「…………。」
ジャンジャン和尚
「また光ったであります……。」
チョコ
「ええ。」
昨日は――
チョコがニャン寺を、
「懐かしい」
と言った時。
そして今日は――
昔のジャンジャンの話をした時。
七色の石は、確かに光った。
ジャンジャン和尚
「白猫メルタン殿。」
白猫メルタン
「なあに?」
ジャンジャン和尚
「そのジャンジャン殿と――」
自分を指差す。
ジャンジャン和尚
「拙僧。」
白猫メルタン
「うん。」
ジャンジャン和尚
「本当に、何の関係もないのでありますか?」
白猫メルタン
「…………。」
少し考えて――
白猫メルタン
「分からない。」
ジャンジャン和尚
「…………。」
そこへ――
後ろから声がした。
トラ住職
「朝から何を騒いでるんだ?」
ジャンジャン和尚
「トラ住職!!」
トラ住職
「なんだ?」
ジャンジャン和尚
「大変であります!!」
トラ住職
「お前は毎日大変だな。」
ジャンジャン和尚
「昔にも拙僧がいたのであります!!」
トラ住職
「意味が分からん。」
ジャンジャン和尚
「白猫メルタン殿が昔――」
ジャンジャン和尚
「ジャンジャンという女子の子犬に会っていたのであります!!」
トラ住職
「ほう。」
ジャンジャン和尚
「反応が薄いであります!!」
トラ住職
「同じ名前くらいあるだろ。」
ジャンジャン和尚
「しかし!!」
ジャンジャン和尚は、
勢いよく前足を上げる。
ジャンジャン和尚
「メルタン!!」
一つ。
ジャンジャン和尚
「テツオ!!」
二つ。
ジャンジャン和尚
「チョコ!!」
三つ。
そして――
ジャンジャン和尚
「ジャンジャン!!」
四つ。
トラ住職
「…………。」
少しだけ、空気が変わった。
トラ住職
「……確かに。」
ジャンジャン和尚
「はい。」
トラ住職
「偶然にしては――」
白猫メルタンを見る。
トラ住職
「少し多いな。」
メルタン。
テツオ。
チョコ。
そして――
ジャンジャン。
白猫メルタンが、
長い旅の中で出会ってきた名前。
その名前が今――
不思議なくらい、ニャン寺に集まっている。
なぜなのか。
偶然なのか。
それとも――。
白猫メルタンは、七色の石をそっと見つめた。
昔――
知らない島へ降りることさえ、怖かった白猫。
その白猫が、ゴンザと出会った。
ルルと出会った。
そして――
ジャンジャンと出会った。
三匹と友達になったことで、
白猫メルタンは、もう一度、海へ出ることができた。
新しい友達を探すために。
その長い旅の果てに――
今、
ニャン寺にいる。
そして目の前には、昔出会った友達と、不思議なくらい重なる名前を持つ者たちがいる。
ジャンジャン和尚
「…………。」
白猫メルタン
「どうしたの?」
ジャンジャン和尚
「一つだけ分かったであります。」
白猫メルタン
「なに?」
ジャンジャン和尚は、思い切り胸を張った。
ジャンジャン和尚
「昔からジャンジャンは優秀だったのであります!!」
トラ住職
「そこじゃない。」
チョコ
「ふふっ、そこじゃないわね。」
白猫メルタン
「そこじゃない。」
ジャンジャン和尚
「全員で否定しないでほしいであります!!」
ニャン寺に、いつもの声が響いた。
白猫メルタンとチョコは、顔を見合わせて笑う。
その時――
白猫メルタンの胸元で七色の石が、
その声に応えるように――
もう一度だけ、小さく光った。
キラッ。
白猫メルタン
「…………。」
怖がりだった白猫が、新しい友達を探すために始めた、長い長い旅。
その旅は――
本当に偶然、ニャン寺へたどり着いたのだろうか。
それとも――。
↓第九話↓
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