↓1話
本堂の隅。
ジャンジャン和尚、静かに座っていた。
春の風。
ぐぅぅぅ……
チビ子村長
「どうした」
メルタン住職
「忘己利他やりすぎて、何も残ってません」
チビ子村長
「極端すぎる」
ジャンジャン和尚
「他人は利しました……」
チビ子村長
「自分の昼飯を全部失っただけではないのか」
ジャンジャン和尚
「言い方」
そのとき——
テツオ、無言でドン。
そこには——
巨大な大判焼き、三つ。
ジャンジャン和尚
「!!!!」
テツオ、無言でうなずく。
メルタン住職
「やさしい……」
チビ子村長
「顔は怖いが利他だった」
ジャンジャン和尚、震える。
「巡り巡って返ってきたであります……!」
——次の瞬間。
全部、自分の前に並べる。
メルタン住職
「独り占め!?」
ジャンジャン和尚
「今度は自分を利する番であります!!」
チビ子村長
「台無しだ」
潮音ちゃん
「さっきの話どこ!?」
スッ——
背後に影。
トラ住職。
ジャンジャン和尚、口に半分入ったまま凍る。
メルタン住職
「終わった」
トラ住職は静かに言った。
「忘己利他とは、
自分を犠牲にすることではない」
「無理なく、相手を思うこと。
それが本当の利他である」
「三つあるなら——
一つは自分、
一つは誰か、
もう一つは、あとで考えなさい」
ジャンジャン和尚
「もっと早く聞きたかったであります」
チビ子村長
「遅い」
その後——
ジャンジャン和尚は、
一つをメルタンに、
一つを潮音ちゃんに渡し、
自分の分を抱えた。
「これが——
持続可能な利他であります」
チビ子村長
「急に現代的だな」
トラ住職
「うむ。それでよい」
——その直後。
ジャンジャン和尚、自分の分も一口で食べた。
メルタン住職
「早い」
チビ子村長
「結局そこは変わらん」
完
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