境内の池のほとりで、ジャンジャン和尚は誇らしげに胸を張っていた。
初めてニャン寺を訪れた潮音ちゃんに、どうしても紹介したい相手がいるらしい。
ジャンジャン和尚:
「潮音ちゃん、こちらが私の親友、コリちゃんであります。」
池の底には、小さなコリドラス。
砂の上で静かに口を動かしている。
潮音ちゃんは、池とジャンジャン和尚を見比べた。
潮音ちゃん:
「……おさかなさん?」
ジャンジャン和尚:
「哲学者であります。」
コリちゃんは何も言わない。
ただ砂をもふもふしている。
ジャンジャン和尚:
「悩みがあるときは、いつも相談に乗ってもらっているであります。」
潮音ちゃん:
「お返事…します?」
ジャンジャン和尚:
「しないであります。」
潮音ちゃん:
「えっ」
ジャンジャン和尚は真剣な顔でうなずいた。
ジャンジャン和尚:
「真の友情は沈黙で成立するのであります。」
潮音ちゃんは首をしげてジャンジャン和尚を見る。
ジャンジャン和尚は池に顔を近づけた。
ジャンジャン和尚:
「コリちゃん、今日は客人が来ているであります。」
反応はない。
水面すら揺れない。
潮音ちゃん:
「……気づいてないかも」
ジャンジャン和尚:
「気づいているであります。
あえて何も言わないのであります。」
和尚はさらに続けた。
ジャンジャン和尚:
「コリちゃん、潮音ちゃんは私の大切な友達であります。」
コリちゃんは、ゆっくりと方向を変え、
反対側へ泳いでいった。
潮音ちゃん:
「い、行っちゃいました!!」
ジャンジャン和尚:
「照れているのであります。」
潮音ちゃんは少し黙った。
そして、慎重に聞いた。
潮音ちゃん:
「……親友なんですよね?」
ジャンジャン和尚:
「もちろんであります。」
和尚はもう一度、池に向かって言った。
ジャンジャン和尚:
「コリちゃん!!
私たちは親友でありますよね!!」
つづく。
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