戦うべきか、棄権すべきか、人生最大の決断
映画「TATAMI」
2023年 アメリカ・ジョージア合作 103分
<監督>
ガイ・ナッティブ、
ザーラ・アミール
<キャスト>
アリエンヌ・マンディ、
ザーラ・アミール、
ジェイミー・レイ・ニューマン、
<内容>
イスラエル出身の映画監督ガイ・ナッティブと、「聖地には蜘蛛が巣を張る」で第75回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞したイラン出身の俳優ザーラ・アミールが共同でメガホンをとり、実話をベースに描いた社会派ドラマ。
スポーツ界への政治介入や中東の複雑な情勢、イラン社会における女性への抑圧を背景に、アスリートたちの不屈の戦いを描いた。
ジョージアの首都トビリシで女子世界柔道選手権が開催されている。
イラン代表選手のレイラ・ホセイニとコーチのマルヤム・ガンバリは、順調に勝ち進んでいたが、金メダルを目前に、政府から敵対国であるイスラエルとの対戦を避けるため棄権を命じられる。
自分自身と人質に取られた家族にも危険が及ぶなか、政府に従い怪我を装って棄権するか、それとも自由と尊厳のために戦い続けるか、人生最大の決断を迫られる。
レイラ・ホセイニ役をアリエンヌ・マンディ、コーチのマルヤム・ガンバリ役をザーラ・アミールが演じた。第36回東京国際映画祭のコンペティション部門で審査委員特別賞と最優秀女優賞(ザーラ・アミール)の2部門を受賞。
映画史上初めてイスラエルとイランにルーツをもつクリエイターが協働した作品とされ、製作に参加したイラン出身者は全員亡命し、映画はイランでは上映不可となっている。
(映画COM)
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2019年に、日本武道館での世界柔道選手権で実際起こった事件をベースに映画化
4/19映画館横浜シネマリンにて鑑賞。
公開当時観たいと思っていましたが、時が経過して、上映しているところはないだろうと思ていたら、なんとラッキーなことに横浜シネマリンで上映していたのです。
この物語のベースになっている出来事は、全く知りませんでした。
映画の中での戦いは女子柔道戦ですが、実際の事件は男子柔道での戦い。
それもつい数年前に、日本武道館で起こっていたなんてびっくりですね。
モノクロ映像美と演技
モノクロ映像で撮影された作品ですが、終始行われる試合模様の観客席は、なぜか真っ暗で映し出されない。
そのことがより観客を試合映像に集中させ、戦いの臨場感・緊張感を際立出せ、選手の息遣いまで伝えてくるリアルさを感じさせていました。
またそれは、今試合の背景にたたずむ闇の部分を感じさせるのでした。
今作品はスポーツと政治が交錯する緊迫感あふれるドラマ。
イランの柔道選手が国の圧力に抗いながら戦う姿を描いたこの作品は、ただのスポーツ映画ではなく、自由と尊厳をかけた壮絶な戦いの物語だったのです。
政治とスポーツの狭間で
主人公レイラ・ホセイニは、国際大会で勝ち進む中、イラン政府から棄権を命じられます。
イスラエルの選手との対戦を避けるための圧力がかかる中、彼女は家族の安全と自身の信念の間で揺れ動きます。
またイラン選手団監督のマルヤム・ガンバリ(ザーラ・アミール)もまた、選手を守るべきか、国の命令に従うべきかで苦悩します。この辺も見どころの一つです。
自問自答
レイラの夫と子供はイランを脱出するのですが、父親を人質にとらわれている状況。
家族の為に棄権するか、自分のためにまたアスリートとしての尊厳のために戦う事を選ぶか、映像をみながら自分だったらどうするか?自問問答していました。
ラスト、何とも言えない試合結果
試合結果とその後の細かい事はお伝えしませんが、レイラは最後まで戦い抜きます。
その勝敗以上に重要なのは、彼女の決断だと思います。スポーツを通じて自由を求める姿は、観客に深い感動を与えてくれるはず。
映画の終盤では、彼女の亡命と新たな人生への希望が描かれ、スポーツの持つ力と人間の強さを改めて感じさせてくれました。
実話をベースにしていますが、あくまでもこの作品はフィクションになっています。
なかなか骨太の作品でした。
イランで上映禁止になっているのは、ごもっともな内容。
そもそもスポーツに政治を持ち込むべきではないのですが、けっこうこの作品に似たようなことは世界で起きていますよね。
国家の対立があったとしても、選手たちはスポーツマンシップにもとづいて正々堂々と戦う。その日が来ることは不可能なのでしょうか。
亡命覚悟でこの作品を製作したスタッフ俳優陣に敬意を表して
5点満点中4.0
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(おまけ:2019年に、日本武道館での世界柔道選手権)
今大会にイランから81 kg級世界チャンピオンのサイード・モラエイや73 kg級世界3位のモハマド・モハマディが出場予定だったものの、両者ともイスラエルの選手と対戦する可能性が少なからずあることから、イスラエル選手との対戦を容認しないイラン政府の政策に従わざるを得ず出場しないとも報じられたが、モラエイは参加することになった。
(サイード・モラエイ)
その大会でモラエイはイスラエルのサギ・ムキが決勝進出を決めた直後の準決勝でマティアス・カスに敗れると、勝てばムキと同じ表彰台に立たなければならない3位決定戦でもジョージアのルカ・m、アイスラゼに敗れて5位に終わった。
試合後にイスラエル柔道連盟会長のポンテは、モラエイが家族の安全を守るために準決勝と3位決定戦で敢えて敗れる道を選ばざるをえなかったと、自身が得た情報を基に示唆した。
その後、IJF会長のビゼールは、イラン側がモラエイ本人や家族に対して試合を棄権するよう圧力をかけたことを明らかにして、イラン側の対応を厳しく批判した。
モラエイ本人も大会後、イランオリンピック委員会会長のサイド・レザ・サレヒ・アミリとスポーツ大臣のダバル・ザニから試合中に棄権を強要されたことを明らかにした。
「家族と私に何が起こるかを恐れている」
「私は最後まで闘いたいが、国が許さない。助けが必要だ」
とも訴えた。
IJFに救いを求めたモラエイはビザを所有しているドイツに滞在していることから、ビゼールはモラエイを難民選手団の一員として東京オリンピックに出場させたい意向を示した。
なお、モラエイ本人はドイツに難民申請するつもりはなく、東京オリンピックには難民選手団でなくオリンピック旗の下、中立の立場での参加を希望すると語った。
その後、滞在しているドイツの当局から正式な難民認定を受けることになった。
また、ビゼールはこの件でイラン柔道連盟を処分する可能性を示唆した。9月にIJFはイラン柔道連盟に暫定的な資格停止処分を科した。そのため、IJF主催の大会にイランから選手は参加できなくなった。10月にIJFはイラン柔道連盟に対して正式な資格停止処分を下した。イラン側がIJFの規定を尊重してイスラエル選手との対戦を受け入れるまで処分は継続されることになるという。
なお、イスラエル選手との対戦が許されないことを理由に2018年にイランを離れてオランダのアーネムに移住した60 kg級のモハンマド・ラシュノネジャドは、今大会で初めて結成された難民選手団の一員として参加した。
(ウィッキペディアから抜粋)
*画像すべてお借りしました。











