これは選挙か、戦争か?
その結末は想像の遥か先
映画「教皇選挙」

2024年アメリカ・イギリス 120分
<監督>
エドワード・ベルガー
<キャスト>
トマス・ローレンス枢機卿:レイフ・ファインズ、
アルド・ベリーニ枢機卿:スタンリー・トウッチ、
トランブレ枢機卿:ジョン・リスゴ、
テデスコ枢機卿:セルジオ・カステリット、
アデイエミ枢機卿:ルシアン・ムサマティ、
ベニテス枢機卿:カルロス・ディエス、
シスター・アグネス:イザベル・ロッセリーニ
<内容>
ある日、カトリック教会のトップにしてバチカン市国の国家元首であるローマ教皇が、心臓発作のため突如として急死してしまう。
教皇死去の悲しみに暮れる暇もなく、イギリス出身でローマ教皇庁首席枢機卿をを務めるトマス・ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は枢機卿団を招集し、次のローマ教皇を選出する教皇選挙(コンクラーヴェ)を執行することとなった。
100人以上の枢機卿がコンクラーヴェが行われるシスティーナ礼拝堂に集まる中、有力候補者として
· アメリカ出身でバチカン教区所属、リベラル派最先鋒のベリーニ枢機卿
· カナダ・モントリオール教区所属、穏健保守派のトランブレ枢機卿
· ナイジェリア教区所属、初のアフリカ系教皇の座を狙うアデイエミ枢機卿
· イタリア・ベネチア教区所属、保守派にして伝統主義者のテデスコ枢機卿
の4人の名が取り沙汰される中、メキシコ出身で昨年に前教皇によって新たに任命されたばかりのアフガニスタン・カブール教区のベニテス枢機卿が開始直前に到着する。

かくしてコンクラーヴェが始まるが、枢機卿団の票が割れていく水面下では陰謀や差別、スキャンダルの数々が犇めいていた。
![Conclave [12A] | Yvonne Arnaud Theatre](https://msp.c.yimg.jp/images/v2/FUTi93tXq405grZVGgDqG9lom6N9m0vqv4OOAmOmOkw6yU34U_pQJPqr7CKxtJ1Wd8384hhz2yOw2CsQrQzIEKDLZmHBjEsWVRfa18JQE-gYo-vpKbtWpOj_X85q_XGi-Y7_Vr0s19u9s_8ThZBoBPZ9ad4cNE2mqyaEFQ57kUZXZYNHTSdOTlF1aZwGe9mumQwMqY9B1cpkMzNHRB3J3FcmDVN4Lxo_OWA0pUMFMtE5rrIPn7Fyd5cjjP1DwWshhUYkbds0d_bEc2fWlg2-flldzolRDsw7MZYInbcnCM2nk2ug7GIJhF5MIvOVPmb8jv6B90onRKktX2ZroNQ2cWR6ZiIDctGJgV0fUHgYbFyswVOx_KXvAMrBIbUJTmH-PuNYEUUOZqcoF-lTR7ez7oNk1FqJ9eE0Kz8G6BZUDmg=/Conclave20HERO.png?errorImage=false)
裏で信仰に関する悩みを抱えるローレンスはそれらに苦悩を深めつつもコンクラーヴェを執行していくが、新教皇選出を目前とする中、厳戒態勢が敷かれたバチカンを揺るがす大事件が勃発する。
(ウィッキペディア参照)
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アカデミー賞脚色賞受賞作品
その結末、想像の遥か先、
運命が変わる瞬間を目撃せよ!
すべてを覆す予期せぬ結末が、あなたを待ち受ける。
さぁどうでしょうか、このキャッチの連続で何を想像していただけたでしょうか。
とにかく結末が衝撃度マックスでなかなか面白かったです。面白さの点では、作品賞を受賞してもよかったのではと思うほどの作品でしたね。
3月29日トーホーシネマズ上大岡にて鑑賞
この作品、教皇選挙(コンクラーヴェ)の舞台裏と内幕に迫ったミステリー作品でありますから、詳しくはお伝えできないのが辛いところです。
いやぁ~単なる次期ローマ教皇を選出する人間ドラマと思いきや、どうしてどうしての二弾落ちのような結末。
そして驚愕のラストを想像できた人はひとりもいないのでは?と思ったりもしました!
それほど超ド級のどんでん返しなんですよ。
まず最初のどんでん返し、新教皇誕生は途中からちょっと読めた感はありました。
しかしそのあとの息を二度三度、いやもっと飲むようなどんでん返しには本当にびっくり。
この作品を観た方は、衝撃の真相に向き合うことになります。
お楽しみに!!

この密室でのミステリードラマですが、原題にもなっているコンクラーヴェ。
この言葉に最初巡り合ったのは高校生の世界史の授業、その中で記憶していた単語でした。
コンクラーヴェ、何日にも渡って行う教皇選出選挙は、根競べ(こんくらべ)などと覚えたものです。
ちなみに劇中でも投票結果の映像がでてきますが、選挙で新教皇が決まらなかった場合は煙突から「黒い煙」を出し決定するまで投票を繰り返します。
そして決定した時はシスティーナ礼拝堂の煙突から「白い煙」を出すようになっています。
(心の残ったベニテス枢機卿の言葉)
映画『教皇選挙』の中で、穏健派リベラル派の対立がヒートアップする。そこでアフガニスタン・カブール教区の新参者であるベニテス枢機卿が一言物申すのでした。
その演説した際の内容が良かったですね。心の中で
「そうだそうだ」
と納得しておりました。
彼は集まっている枢機卿たちへ向かって話します。
「戦うとおっしゃるが、何と戦うのです?」
というフレーズです。
この言葉は、コンクラーヴェに参加する枢機卿たちだけでなく、現代社会に生きる私たちにも問いかけるような深い意味を持っていたのではないでしょうか。
また茶番のようにみえたコンクラーヴェに対して
「次の教皇選挙には参加しない」
との宣言はこれまた衝撃的でした。
どの世界にも垣間見られるようなこの権力闘争、また個人の欲などを戒めるような言葉には、彼自身の深い葛藤と覚悟が込められていたのではと思うのと深く同意した次第でした。
この演説の背景には、教会内外での対立や分断が描かれており、ベニテス枢機卿はその中で
「本当に戦うべき相手は何なのか」
を問い直すようなメッセージを伝えています。
この言葉は、映画のテーマである信仰と権力、そして人間の内面の葛藤を象徴する重要なシーンの一つだった気がしました。
さてもう少し深堀した感想を書いていきましょう。
(信仰と葛藤の物語)
物語は、教皇の急逝により、次期教皇を決めるためのコンクラーヴェが開催されることから始まります。その会場であるシスティーナ礼拝堂は、外界から完全に隔絶され、そこに集う枢機卿たちが密室の中で重要な決定を行います。
しかし、この選挙は単なる投票では終わりません。個々の枢機卿が抱える過去の秘密、政治的な駆け引き、そして純粋な信仰が複雑に絡み合いながら展開していくその心理戦に、人間ドラマの奥深さに目が離せなくなるでしょう。
(映像と音響の芸術的魅力
バチカンの息づかいを感じる壮麗な映像美)
この映画が持つ視覚的な美しさは素晴らしく、見どころのひとつでもあるでしょう。
システィーナ礼拝堂の荘厳な雰囲気や、自然光が差し込むその神秘的な空間は、まさにアートのよう。
どのシーンも構図や色彩へのこだわりが感じられ、映像だけで心が震える瞬間が何度もありました。
さらに音楽や音響効果も物語を引き立てています。静寂の中に響く足音や、礼拝堂の空間を包む緊張感を高める音楽が、観る者の感情を揺さぶります。
もちろんバチカンでは撮影はできませんから、ローマの有名な撮影所チネチッタでセットを組んでシスティーナ礼拝堂を作り、厳かな雰囲気を作り上げたようです。
(深みのある人間描写)
枢機卿たちが抱える信仰、野心、悩みは、実にリアルで共感を呼ぶものでした。
一人ひとりが単なる「教会の役人」という存在を超えて、弱さを持ちながらも懸命に自分の信念を貫こうとする人間そのものとして描かれています。
前述しましたが、特にベニテス枢機卿の内面の葛藤と、その言葉に込められた深い意味には、涙腺が緩む場面がいくつもありました。
この映画は、単なる教皇選挙の物語ではない。
そこには、
リーダーとは何か、
信仰とは何か、
人間の内面はどこまで深いのか
という普遍的なテーマが秘められている作品。
観る者に深く考えさせる哲学的な問いを投げかけつつ、物語としても視覚的にも圧倒される完成度を感じる作品。
映画が描いた
「信仰」と「権力」、「人間の選択」
は、私たちの日常にも強く響くテーマでした。
作品を観た後に自分の生き方や価値観を静かに見つめ直してみるのもいいかと思います。
ここで宗教論を話すつもりはないですが、やはりどこの世界でも権力や地位を欲する者ばかり。太古の昔からある宗教戦争は現代になっても終わらないし、同じ宗教を信じている者同士でも戦ったりしているこの世界。宗教って何だろうと思ったりもしてしまいます。
実際バチカンでこの映画で描かれているようなことが起こっているようです。
ちょっと脱線してしましましたが最後に・・・この作品をトランプ大統領が観たらどの様に思うのだろうかと考えながら映画館を後にした次第でした。
そうそう忘れてはいけませんでした、シスター・アグネスが放った一言が空気を変え、周囲の人物たちが凍りつくような演出がなされます。このシーンも見どころの一つです。
5点満点中3.9
(画像すべてお借りしました)












