先日配信されたNature Newsに興味深い記事が載っていました。
ドイツの免疫学の権威であるクラウス•ラジェウスキー教授(現在74歳)が、
定年を強制したケルン大からアメリカのハーバード大に教授職を得、10年経った今年、
ドイツ(でも今度はベルリン)にオープン•エンドのポジションで戻って来るという、内容でした。
ドイツでは法律で教授の定年は65歳と決まっています。65歳になったら退官しなければなりません。因みに定年後も現役時代と同じ額の年金が支給されます。
ラジェウスキー教授は免疫学で大変貢献をなさった方で、定年間近になっても、パブリッシュは定期的にされ、大変アクティブに研究をされていました。ですので、サイエンスから退くということは一切考えられず、大変苦悩されたようです。2001年のことでした。
ところが長年のアメリカにいる共同研究者が、彼をリクリートし、ハーバード大学でテニュアの教授職をオファーされ、アメリカへ渡りました。最終的には期限なしの雇用条件でラジェウスキー教授にとっては願ったり叶ったりの条件でした。
初めてのアメリカ生活でしたが、サイエンスは世界共通。おまけに、アメリカの方がドイツより簡単にグラント申請が通るので、ラボの資金には事欠くこと無く、益々研究実績を積まれたようです。
ラジェウスキー教授はボストンはサイエンスをするのに最高の所であり、出会った同僚達も素晴らしい、と褒めていたのですが、今回、自分の息子がラボヘッドをしているベルリンの有名な研究所(マックス•デブリュックセンター)に、同じ様に、事実上定年なし、の契約でドイツに戻ることになったのです。
サイエンスをするには最高の地であるアメリカといえども、最近は研究に対し状況が厳しくなり、一方、ドイツでは研究に対し、より積極的な政策を打ち出し、研究がやりやすくなってきているのです。
ハーバード大でも大好きなサイエンスで最高の貢献をし続けてきたラジェウスキー教授は、74歳でも現役の素晴らしいサイエンティストとして故郷のドイツに戻ることになり、命尽きるまで大好きなことに打ち込める人生を送ることが保障されたわけです。
自分の好きなことに真摯に打ち込めば、状況は開けて来るという、大変いい例だと思います。
だから決して自分の好きなこと、打ち込めることを止める必要はないのです。絶対自分にとって最高最善のタイミングで状況は開けて来るものなのです。
感謝をこめて。