アラレを失ったあと、私は阿智村へ星を見に行った。
「日本一の星空」と呼ばれるその場所なら、少しでも心が癒えるかもしれないと思ったのだ。
けれど、空を仰いだ瞬間、胸に広がったのは美しさではなく、無情の天の川だった。
織姫と彦星は一年に一度でも再会できる。
なのに私とアラレは、この川を隔てて永遠に会えない。
そう思った途端、こらえきれず涙があふれ、声を殺して泣き続けた。
夜空の向こうにアラレの姿を探した。
「どこにいるの、アラレ」
星たちは瞬きながら答えを返してくれるようで、けれど一度も姿は見つからなかった。
冷え込む夜気のなか、泣きながら車に戻る。
シートに沈みこみ、ハンドルを握る手が震える。
「やっぱり、どこにもいない」
その現実が押し寄せてきて、息ができないほど苦しかった。
星を見に行った夜は、慰めではなく、
「二度と会えない」という真実を突きつけられる夜だった。
それでもあの星空を思い出すと、今もアラレはどこか遠くで光になっている気がする。
手は届かなくても、見上げれば、あの子はきっと私を見ている。


