「風花」を読みました | グルコサミン博士のブログ

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福永武彦短編小説「風花」を読みました。

 

 

風花とは、晴天時に雪が風に舞うようにちらちら降ること。あるいは山などに降り積もった雪が風によって飛ばされ、小雪がちらつく現象のこと。

 

あらすじ

結核で療養所にいる三十代の男は心の内を明らかす。夢が高く事業に失敗した父とほぼ関係を持たない彼は、北海道で英語の教師になり、結婚した。子供も生まれたが、30歳に発病して療養することになった。もともと少ない友人も来なくなり、妻も男友たちができ、離縁を切り出しました。

僕はこの療養所に流れてくる風花みたいのだ。弱気な彼が次第に孤独になり、思念は過去にさかのぼってゆく。

 

最後の一文

「彼の踏んで来た道のあとには、かすかながら足跡がついているに違いない。・・・彼は人を愛し、人に愛された記憶を持ち、ただ自分のひとりの命をいとおしんで生きていくだとう、---命のある限りは。風花のようにはかなくても、人は自分の選んだ満ちを踏んで生きて行く他はないだろう。」

 

この締め括りは心に刻む。だから「悼む人」(天童荒太同名小説)が必要なんだとツレがそばで語る。