村上春樹の短編小説「ハナレイベイ」は映画化にもされたので、さっそくDVDを借りてみました。
ハワイの海で息子をサメに食われたシングルマザーが10年もかけてハワイを訪れ、息子の死に向き合うというストーリー。
小説では、心から愛せなかった息子への罪悪感を苦しむ母と表現されたというか、私は感じ取っていましたが、映画だと「嫌いだけど、愛していた」という言葉が心に残ります。
好きと嫌いは反対の言葉だけど、愛していると嫌いは反対じゃない。だから、「嫌いなところも含めて愛している」というある意味では究極の愛の形、でも普通にある感情なのかもしれません。ようするに、小説より映画のほうがストレートかなあ。原作は静かにヒリヒリと心打たれますが、映画では直球で来たというふうに感じました。
何といっても俳優さんの演技がいい。特に母を演じた吉田羊の悲しい眼差しが印象的でした。
あくまで小説は小説の、映画には映画のよさがあるのだから、どっちがよいともわるいとも言えません。

