第36回日本関節病学会で日本医科大学リウマチ科中村洋先生は上記テーマの発表がありました。その内容を紹介します。
グルコサミンとコンドロイチン硫酸は、軟骨基質を構成するアミの糖とその多糖であり、関節疾患に対して30年以上前から使われてきました。
【グルコサミン】
グルコサミンは、経口投与により変形性膝関節症の痛みが軽減したとの治験結果が報告されている一方、鎮痛効果が見られなかったとの報告もあります。総合的に効果の大小を比較するeffect sizeといわれる指標は0.35で、ヒアルロン酸の関節内注射やNSAIDと同等以上です。グルコサミンの塩酸塩と硫酸塩の違い、製品による違いが今後解明されなければなりません。さらに、軟骨の磨耗が抑制されたとの報告が見られ、DMOAD(疾患修飾剤)作用が期待されましたが、その後の追試はありません。一方、in vitroでは、軟骨細胞や滑膜細胞から抗炎症を中心としてさまざまな効能が認められています。動物実験でも軟骨保護作用や軟骨再生促進作用が報告されています。副作用については、ヒトに対する治験で使用された1日1500mgの容量では、重篤なものは報告されていません。
【コンドロイチン硫酸】
分子量5000~60000のグリコサミノグリカンであるコンドロイチンは、日本では医薬品として関節痛、腰痛に適応が認められています。サプリメントとして摂取するにあたっては、製品の純度、分子量などにばらつきがあり、科学的検証は難しいとされています。現在のところ、変形性関節症に有用であるとの積極的なエビデンスは少ないです。
【今後の課題】
変形性関節症は症状が多岐にわたり、改善を示す客観的な指標がないこと、プラセボ効果が非常に大きいことから、従来の医薬品に用いた評価法をそのまま適用してエビデンスを構築する事が難しいと中村先生が述べられました。従って新たな評価法の開発や臨床面では、類似製品の氾濫が医療現場を混乱させていることも、解決しなければならない問題であります。