BRAC創設者アベット博士との対話フォーラム「貧困層支援のための経営哲学と実践」 | 「1人の100歩より、100人の1歩ずつ」で世界を少しずつ住み良くしたいチキンのブログ。

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【綴る内容】1日1つ良い言葉/国際協力/ソーシャルビジネス/社会問題/アフリカ/本の紹介/落書き(自分の思想など)・・・など。

こんばんは~





今日はすんごい濃い一日でした。





水曜は授業入れてないんだけど、2限の平和構築論入門の林先生と少し仲良くなり、今日の最終ディスカッションに出させてもらいました。





それ終わった後は、昨日に引き続きアベット博士との対話フォーラム@立教大学に出ました。





もう書きたいこと盛りだくさん。





だけど、3時間のフォーラムをせいぜい5分ぐらいで読める量にまとめなければならぬ・・・





それでいて、大学教授の読んでもわかんないレジュメみたいにはしたくない。





彼らはレジュメ使いながら話もできるけど、ブログの場合文字オンリーだからね。





頑張ります。





9章に分けて説明しますが、特に読んで欲しいところを挙げるとすれば、⑤⑥⑧です。










BRAC創設者アベット博士との対話フォーラム「貧困層支援のための経営哲学と実践」


@立教大学 14:00~17:00





①アベット氏の生い立ち



アベット氏は裕福な家庭に生まれて、海外の大学にも留学、30代にして大手企業のバングラディッシュ支店の最高責任者になった方です。





だけど、小さい頃から母親に貧困の話などを聞かされていたため、独立戦争後の経済が崩壊した祖国の苦しんでいる人たちのために会社を辞め、BRACを設立しました。





彼は人柄も素晴らしいです。





フォーラム中も参加者がパワポ見にくいんじゃないかと気遣って壇上から降りようとしてくれたぐらいです。





バングラディッシュでは、「生ける伝説」と言われてるそうです。










②プロジェクトの広げ方



①まず試験的な小規模なプロジェクト(パイロットプロジェクト)をある地域で実験する。



↓



②そのプロジェクトの効率化をはかる(悪いとこを削って、いいとこを伸ばす)



↓



③プロジェクトのルーティン化(その地域に定着化)



↓



④他地域にも拡大



↓




⑤政府に模倣してもらえるようなモデルプロジェクトにする。





ということを念頭に置いているそうです。





しかし、現状は政府は上から下の支援(トップダウン)、NGOは下から上の支援(ボトムアップ)なので、上手くいったプロジェクトでも政府にあずけるのは難しいそうです。





②の効率化における試行錯誤の例として、給水方法の普及に関するプロジェクトを例に挙げてくれました。





   ①給水方法を普及員(ワーカー)が村の人たちに伝授。



   →伝授された人のうちたった6%しか実践してない!



   理由:信憑性がなかった(実践する意義がわからなかった)。



   ↓



   ②信憑性を持たせるための説得(科学的な証明)



   →実践者は増えたけどまだ18%。



   理由:人類学者に家庭訪問させて理由を聞いたところ、家庭にいる男性(父)が必要性をわかっていない。給水方法を伝授されたのは村の女性で、男尊女卑の根深いバングラディッシュの農村では女性の意見が通しにくい。



   ↓



   ③男性にも教育



   →実践者が60~80%に



   ↓



   普及ワーカーに普及率に応じた出来高性で賃金を支払う。



   →モチベーションアップ





といった試行錯誤を経て効率化されたプロジェクトの対象地域を拡大していくそうです。










③教育



現在バングラディッシュにいる子供1800万人のうち300万人は初等教育にアクセスできていません。





つまり300万人には政府の手が届いていない。





ここの支援としてBRACはノンフォーマルな学校を作ることで支援しています。





ただしこれは橋渡し的なイメージでやっているわけで、永久的なものではないと言っていました。





これは僕の考えですが、永久にやることを想定してしまうと、いつまでもたってもその層に対する政府の支援はない、いつまでたってもNGO任せということになってしまうと思うんですね。





またバングラディッシュの高等教育の質が高くないということで、教師に対する教育も行っています。





更にはBRAC大学を作り、政府の官僚の人たちに対する教育もしてます。










④マイクロファイナンス



一言で言うと、貧困層に対する無担保・超低金利の貸付です。(詳しくは前回の記事参照。)





この対象には個人だけではなく零細企業も含まれているそうです。





企業の成長は国の成長にもつながりますし、雇用機会の増加にもつながります。





ちなみに、マイクロファイナンスを行っても、そのお金をその日食べるために使わざるを得ないような極貧層には、マイクロファイナンスを効率的に使えるにいたるまでの物資・金銭支援をするそうです。











⑤大学の意義




立教大学で行われたフォーラムということもあって、こんな話をしてくれました。





あるカナダの大学院生の研究で、ヨーロッパにおける歴史ある組織300のうち現在まで残っているものを調べたそうです。





そしたら残ってる団体は34。





そのうち、29は「大学」だそうです。





残りは、1つが企業、2つが教会、とかそんな感じ。





この分析結果が面白くて、つまり、どの国、どの時代においてもリーダーの創出、つまり人材育成が極めて重要だということらしいです。





高等教育を受けさせてもらっている以上、そういう責任感をもたなきゃないけないなって思わされました。










⑥バングラディッシュ・日本・イギリスのNGOの比較



ここがみなさんにとって一番面白いんじゃないかと思います。





主にパネルディスカッション時のコメンテーターである田中やよいさん(所属団体が長ったらしい名前で覚えていないけど、日本のNGO事情に詳しい人です。)が話してくれた内容です。





まず、NGOが設立される国の背景事情の比較(日本とバングラ)



〔日本〕
●国家の枠組みが整っている
●人・モノ・金のリソースが豊富
●NGOは政府がやらないとこ埋める



〔バングラディッシュ〕
●国家の枠組みが整っていない
●人・モノ・カネのリソースが少ない
●政府もうちょいしっかりしてよ!





設立基盤が全く違いますね。





次にNGO組織の収入構造の違い(日本とバングラとイギリス)





収入源って主に寄付(会員費含む)、事業収入、政府援助でなりたっています。





この3つのうち、寄付と事業収入について比較します。





まず寄付に関しては、イギリスのNGOでは収入源の36%を占めているのに対して、日本のNGOでは収入源の14%です。





バングラディッシュも寄付からの収入は低いです。





バングラディッシュの場合は、大家族が非常に多く、裕福な家庭の場合も貧しい親戚を抱えていることが多いので、NGOではなく直接親戚にお金を渡すそうです。





だから決して彼らがセルフィッシュなわけではない。





日本場合はどうでしょうかね?





バングラディッシュとは事情が違い、先進国と呼ばれる中、寄付文化は根付いていませんね。





下の写真を見てください。






どくたーぺっぱー ~1日1つ、良い言葉~-寄付比較
国際開発ジャーナル2008.10月号 p.21





アップロードしたはいいけど、見えねーな( ̄Д ̄;;





日本とアメリカのNGO活動への市民の参加具合の比較です。





〔ボランティア参加率(人口)〕
アメリカ:55.5%
日本:25.3%

=2.2倍差


〔ボランティア活動時間(週)〕
アメリカ:3.5時間
日本:2.5時間

=1.4倍差


〔一世帯あたりの年間寄付額〕
アメリカ:174,600円
日本:3,200円

=54.6倍差



〔所得に占める寄付の割合〕
アメリカ:3.2%
日本:0.06%

=53.3倍差





後半二つ、つまり金がらみになると、その差50倍以上。





募金や寄付に関して、みなさんもマイナスイメージ含め色々思うところがあると思います。





ちなみに、アベットさんは寄付に関して「同情だけからではなく、開発そのものの必要性を理解したドナーが増えて欲しい」と述べていました。





次に収入源その2、事業収入についての比較。





BRAC(バングラディッシュ)では全収入に占める割合が28.4%、イギリスは27%、日本が75%。





事業収入が多い=政府の援助や募金に頼らない=自立したNGO、という見方が一般的です。





しかし、日本のNGOの場合、事業収入というのはほとんどが政府からの委託事業、すなわち下請けだそうです。





この点に関して、NGO自身の問題発見能力の低下、市民社会との隔離、政府の意向の介入(すなわちNGOの非政府性、自主性が損なわれる)などの問題点が挙げられています。











⑦イノベーション



経営分野に関してはこの人を抜いては語れないでしょう、ピーター・ドラッガーさんの言葉が引用されてました。





「天才のひらめきによるイノベーションも有り得るが、ほとんどは体系的探求によるイノベーションである。」





BRACの驚くべき成長の理由は後者の色合いが非常に強いらしいです。





つまり、アベット氏の天才的ひらめきというよりも、常に一つ一つのプロジェクトに対する評価と改善を細かく行ってきた成果であると。





BRACは設立当初から、予算の1%は研究と事業評価に、職員の給料の10%はその人物の能力開発に当ててきたそうです。





また、収支差額を毎年6%は必ず残しておくということも続けてきました。





日本のNGOは極力収支差額を0に近づける、つまり使い切るという風潮が強いそうです。










⑧南南協力



バングラディッシュはいわゆる「南側」と呼ばれる立場、すなわち途上国ですが、その途上国で生まれたNGOであるBRACは現在アフリカやアフガニスタンを含む多国で活動しています。





これはほんとすごいことだと思う。





北側諸国のNGOよりも途上国現地の状況を肌で知っている分、理解度が秀でていると思われます。





それらの国で働くスタッフも徐々に現地の人に切り替えて行くため、その国にとって異質性は薄まっていきます。





現在アフガニスタンにおいて活動しているNGOとしては最大級だそうです。










⑨まとめ



個人的な印象としては、もうバングラディッシュの第二の政府と言えそうなんじゃないかってことです。





というのも活動規模ももちろん、活動のバリエーションもすごい豊富。





貧困削減、教育、衛生、銀行(マイクロファイナンス)、あと収入源確保のために中小企業運営、などなど・・・





その分、政府とのごたごたはあったみたいですけどね~





とにかく、いろんな意味ででかいと思わされました。





しかもでかいのに全然組織が腐敗してないんだって。





これは外部の人が見てもそう感じるらしい。











すっげー有意義な3時間でした。





どう、5分くらいで読めた!?





けっこう頑張って編集したんだけどね。





今日の2限、平和構築論のディスカッションも面白かったんで後々載せたいと思います。










長文お疲れ様でした!





読んでくれてありがとね~










ではでは(・ω・)/