「基金」問題について
- 過去の構造(特別会計・特殊法人)の問題:石井紘基議員が追及したように、「特別会計」は国会審議を迂回し、巨額資金が不透明に流れ、天下り官僚・企業・族議員の利権構造を支えていた。監視が効かず、「湯水のように消える金」の温床だった。
- 「基金」は「新しい手法」として同じ構造を継続・強化:「特別会計」が整理・批判された後、「基金」という形に衣替えしただけ。
→ 一般会計(国会で厳しく審議される予算)ではなく、「別の財布」(別枠の長期資金プール)として国会・国民の目が届きにくい。
→ コロナ・脱炭素・経済安保対策名目で34兆円超交付 → 20兆円超残高(2023年度末)が積み上がり、使途不透明・効果検証なし。
→ 高市内閣は基金削減を口実にしながら、新規基金を次々創設(グリーンイノベーション基金2兆円など)し、構造は一切変わらず拡大している。 - 中抜き・丸投げの継続:基金の実務は、少人数(専従3人など)で管理され、事務局・審査を電通・パソナなどの大手企業に丸投げ・再委託。
→ 結果、公金が私的利益に流れる「中抜き構造」が温存され、監査も形骸化(管理手数料の書類未確認多数、返納なし事例など)。
→ これは石井議員が警告した「民営化=監視の死角化」の現代版で、民主主義の崩壊を招く。
なぜ「構造は変わらぬまま」なのか
- 特別会計の批判が高まった2000年代以降、「基金」という複数年度・別枠運用の仕組みを新たに編み出し、議会のチェックを回避。
- 目的は「予算の規模を大きく見せ、政策効果をアピール」するため(例: 5兆円を20年分散より一括投入でインパクト大)。
- しかし、実態は官僚の裁量拡大 + 外部委託による利益誘導の温床。20兆円が「眠ったまま」という異常事態は、隠蔽・私物化の証拠だと強調。
「日本が自滅する仕組みの進化版」として、「基金こそが現代の特別会計」となっている。
石井紘基議員の遺志を現代に引き継ぐ形で、財政の「闇」の連続性を指摘している。
抜本的な監査強化・返納・議会監視の復活を!
『日本が自滅する日: 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす』– 2002/1/1
石井 紘基 (著)
暴露!高市内閣が隠す20兆円のお金とは?安冨歩東京大学名誉教授。一月万冊 12/25
毎日新聞2025/12/24 20:57
「国から『基金にこれだけのお金を確保できたので使い道を考えなさい』と言われたことがあるが、国民感覚とかけ離れている。膨大な資金を使いこなせる体制もなかった」。独立行政法人で基金業務に携わった男性は実態をこう明かす。
会計検査院が24日公表した基金に関する調査結果では、254基金が総額20兆円超の資金を保有している状況(2023年度末時点)が明らかになった。男性は複数年度にまたがる事業の資金源となる基金を「必要」としつつ「適正化すべきだ」とも訴える。
男性の法人は数百億円規模の基金事業…
朝日新聞 編集委員・大日向寛文
コロナ後に国の基金が膨張した背景には、歴代政権による「規模ありき」の経済対策がある。その年に使い切らなくてもよい基金ならば、中身を精査せぬまままとめて予算計上し、全体の額を大きく見せられるからだ。
多額の基金予算を獲得した経済産業省では、自らの人員では配り切れなくなり、審査や補助金の規定を企業に「丸投げ」する事例が相次いだ。
高市政権、7基金を新設
基金への批判が高まるなか、政府は2023年末に基金に厳しいルールをつくり、24年度補正予算では新設基金をゼロにした。だが、積極財政を掲げる高市政権が編成した25年度補正では「造船業再生基金」や「中堅企業等大規模成長投資促進基金」など7基金を新設した。
25年度補正の基金予算の総額は2.5兆円で、見かけ上は24年度補正(3.5兆円)よりも少ない。
実態はどうなのか。
24年度補正に計2兆円超が盛り込まれたガソリン価格高騰対策と半導体支援は、ガソリン税の旧暫定税率の廃止と半導体特別会計の新設により、25年度の基金予算が大幅に圧縮されたからだ。この二つの要因を除くと、25年度補正は1兆円ほど増えた計算だ。
また膨張を始めた25年度補正には、事業の中身が精査されたか疑わしい事業もある。「病床数適正化緊急支援基金」など三つの新設基金は、どこが運営するかを固めぬまま、補正が成立した。
基金予算は、リーマン・ショックや東日本大震災といった危機が起きる度に膨れあがってきた。その後見直されるも、次の危機に見舞われて、再び膨張してきた。「危機管理投資」のかけ声のもとで、歴史は繰り返されようとしている。
朝日新聞 根津弥
政府が特定の事業に使う目的で支出した予算をまとめて積んでおく基金について、会計検査院が調べたところ、2019~23年度の5年間で148基金に計34兆6879億円が交付されていた。23年度末時点で254基金で計20兆4157億円が残高になっており、検査院は規模を見直すよう求めた。
基金については国会で「政策効果の検証が不十分なまま積み上がっている」と批判されている。検査院の検査で、必要額を上回る額を交付した例も判明し、巨額の国費がずさんに支出されている実態が浮かんだ。
政府の予算は、年度内に使い切ることが憲法で原則とされており、「単年度主義」と言われる。一方で事業が数年に及び、年度ごとの必要額が見通せない場合では、国ではない外郭団体などに設置した基金に補助金をまとめて交付できる。20年度以降、コロナや物価高対策で金額が大幅に増えた。
検査院は24年6月に国会の要請を受け、14府省庁が外郭団体や各都道府県などに設置した基金を調べた。
19~23年度の交付額は、外郭団体などの114基金に計33兆2451億円で、都道府県の34基金に計1兆4428億円だった。年間の交付額では、19年度は計9289億円で、20年度は計9兆2755億円と前年度の10倍になった。21~23年度も5兆~12兆円台で推移した。
23年度末の残高は、外郭団体などの191基金で計18兆7969億円、都道府県の63基金で1兆6188億円。外郭団体分が19年度末と比べ、7.9倍になっていた。
所管する府省庁別に残高を見ると、経済産業省が13兆4019億円で、全体の65%を占めた。脱炭素社会をめざす「グリーンイノベーション基金」など6基金で残高が1兆円を超えており、1兆円超の基金があるのは経産省だけだった。
補助金適正化法施行令では、事業の状況に照らして過大な基金は国庫に返納すると定められている。また政府の行政改革推進会議は、基金を積み増す際には過去の実績や具体的な需要を踏まえるよう、各府省庁に求めている。
国庫返納、検討怠っていた例も




