自分の作品の必ずどこかに
"See You Next Wednesday
""次の水曜日に会いましょう
"このセリフを忍ばせました。
そもそもは、
『2001年宇宙の旅』に出てくるフレーズです。
登場人物の、Dr. Frank Pooleが、
宇宙船で、地球から送られたフランクの誕生日を祝う
両親のビデオレターを見ている。
そのビデオレター中の父親の最後に言う言葉が、
"See You Next Wednesday!"でした。
ジョン・ランディスは、これを引用したことを明かしています。
ジョン・ランディスが育った50年代60年代は、
毎週水曜日が映画の封切り日で、
"See You Next Wednesday"が映画館のキャッチフレーズだったので、
映画好き青年が『2001年宇宙の旅』の中で聞いた
"See You Next Wednesday"は、
とても印象に残るセリフだったのでしょうね。
永遠の映画小僧、ジョン・ランディスの
映画への尽きることのない愛情が、
"See You Next Wednesday"というセリフに
込められているのを感じずにはいられません。
さて、
マイケルのジョン・ランディス監督作SFも
例外ではありません~~

まずは、『Thriller(1983)』~
Thrillerの中にも、
"See You Next Wednesday!"が潜んでいますよ♪
オーラ・レイとマイケルが、デートで映画館へ。
選んだ映画は、満月の夜、ケダモノに変身してしまう「狼男」。
ホラー映画が大好きなマイケルは、
ポップコーンを頬張りながらご満悦で鑑賞。
女の子は怖がって腕にしがみつく・・接近の方程式?
でも、ちょっと、彼女には too scaredだったみたい。
(3:50~)
Can we get out of here? ここを出ない?
No, I'm enjoying it. やだよ。楽しいよ。
Well, I can’t watch. Excuse me. いいわ、私は見れない。失礼!
マイケルが、彼女を追って席を立つとき、
映画の中のセリフが聞こえる・・
(4:09 )See You Next Wednesday~! 次の水曜日に会いましょう。
そして、 Black or White (1991)にも。
映像では、はっきりとは写りませんが、
放映禁止となってカットされた後半のパンサーヴァージョンの中で、
マイケルがゴミの缶バケツを窓に投げて破壊するシーン、
この窓ガラスに、"See You Next Wednesday!"が書かれているようです。
"See You Next Wednesday Storage Co."
「See You Next Wednesday貯蔵会社」なんですって^^
SeeとStor・・とだけ、かろうじて見えますね。
貯蔵会社に閉じ込められた"See You Next Wednesday!"という言葉を
マイケルが破壊して、解き放つ。というわけでしょうか?
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さて、毎水曜日、映画館に通ってしまいたいほど、
かくも映画を愛する、映画小僧二人、
ジョン・ランディスとマイケルジャクソンが、
世紀の大傑作『Thriller』を撮ったのは、
1983年・・。
実は、ジョン・ランディスにとって、
あまりにも大きい精神的打撃を受けた直後のことでした。
1982年、オムニバス映画『トワイライトゾーン/超次元の体験』の
第1話目「偏見の恐怖( TIME OUT)」の撮影中に
死亡事故が起きでしまったのです。
この事故は、ジョン・ランディスを悲しみのどん底に突き落としました。
マイケルの眼鏡に叶うほど際立ったクリエーティビティーを持ち、
前途有望な映画監督であったジョン・ランディスですが、
受けたダメージの重さは底知れず、
その後の映画人生に大きな影を落としてしまいました。
同じく、『トワイライトゾーン/超次元の体験』の製作、
そして監督を務めたスピルバーグは、事故の責任追求は免れ、
スピルバーグのその後の活躍を思えば、明暗を分ける形となりました。
しかし・・
その直後に、ジョン・ランディスは、
マイケルからオファーを受けた『Thriller』に力を注ぎ込みます。
彼の人生最大の精神的苦悩、恐怖の体験を、
マイケルと共に、まさに『Thriller』に注ぎ込んだのです。
だからこそ、この作品には、
特別な魔力があるのですね。
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さて、『トワイライトゾーン/超次元の体験』
ジョン・ランディス監督作、第1話目「偏見の恐怖( TIME OUT)」の
撮影中に起こった悲劇のあらましは次のように伝えられています。
1982年7月23日、3週間に及ぶ撮影の最終日。
ロサンゼルス北部のインディアン・デューンズ・パークの
サンタ・クララ川沿いに作られたベトナムの村で撮った
ラストショットで起こった事故だった。
人種差別主義者である現代のセールスマンが、
時空を超え、不思議な世界に巻き込まれていく。
ドイツ占領下のフランスでユダヤ人となり、
ベトナム戦争下のベトコンとなり、
差別される立場に立たされるのだ。
クライマックスのシーンでは、
ついに、彼は二人のベトナム人の子供を救おうと、
戦火をかいくぐる。
ヴィック・モローは、ベトナム人子役2人を
両脇に抱え、川に入る。
特殊効果の爆薬が爆発する。
背後では小屋が爆破された。
軍のヘリコプターが彼らに接近する。
ジョン・ランディスは、さらに低空飛行を要求した。
モローの手から一人の子供滑り落ち、
慌てて救いあげようとしたその時、
頭上で低空飛行していたヘリコプターは、
爆風に煽られコントロールを失い、墜落。
墜落したヘリコプターの回転翼は、
ヴィック・モローと、子供たちを直撃した。
彼ら3人は死亡。
ヘリコプターの乗員は、負傷したものの命は助かった。
ジョン・ランディスと他の4人のクルーが、
過失致死罪で起訴された。
彼は、ハリウッド史上初めて過失致死罪に問われた監督となってしまった。
検察は危険対策への不備、児童労働などを問題として痛烈に責め立てた。
ジョン・ランディスらは、5年もの裁判を闘い、無罪となった。
その間、ジョン・ランディスは一貫して事故の過失を決して認めなかった。
Giulia D'Agnolo Vallanによるインタビューで、ジョン・ランディスこのように語った。
――When you read about the accident, they say we were blowing up huts—which we weren't—and that debris hit the tail rotor of the helicopter—which it didn't. (...) The FBI Crime Lab, who was working for the prosecution, finally figured out that tail rotor delaminated, which is why the pilot lost control. The Special effects man who made the mistake, by setting off a fireball at the wrong time, was never charged.
あなたがこの事故について読む場合、彼らは小屋を吹き飛ばされたと言う―僕らはそんなことはしていないのだ― そして、その破片がヘリコプターのローターに命中して壊したと―そうではなかったんだ・・・。
FBIの犯罪捜査班は、検察側のために働いていて、最終的にテールローターが剥離したのだということを考え出した。それが、パイロットがコントロールを失った理由だとね。間違ったときに火薬玉を爆破させてミスを犯した特殊効果の男は、決して罪に問われなかったんだ。――
これは・・・
いったい、どういうことなのでしょう? ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
たしかに、ジョン・ランディスの言うように、
この事故に関する記述は、だいたい、
「背後の小屋が爆破された」こと、
「それによって、テールローターが壊れ・・云々
パイロットがコントロールを失って・・云々」と書いてありますが、
そうではなかったんですね?
ジョン・ランディスは、
「FBI捜査班は、検察側のために働いている」
「FBI捜査班は、証拠をでっち上げている」
そう言っているんです!!! Σ(゚д゚;)
そして、なぜ、
「火薬玉を扱う特殊効果の男は、罪に問われなかった」のでしょう?
「火薬玉を扱う特殊効果の男」は、何者か別の者に雇われ、
故意に暴発させたのだとしたら?
その何者かが、国家権力そのものであったとしたら、
咎めは受けないのが自然の道理でしょう。
・・・・・・・
ジョン・ランディスが撮っていた「偏見の恐怖( TIME OUT)」は、
「反戦」作品でした。
戦争の悲惨さを臨場感あふれるシーンを撮ることで、
より強く「反戦」を訴えようとしたけれども、
その苦労を共にした名優と幼い子供の命を失わせてしまった。
ジョン・ランディスが体験したのは、その深い悲しみ。
そればかりではなく、
彼は、その後の裁判で、
「権力の悪」に直面してしまったのです。
戦争で金を稼ぐ戦争屋らに、
魂を殺され「操られるゾンビ」共を、目の当たりにしたのですね。
これは、まさに、『Thriller』(←クリック・和訳あり)という作品が
隠し持つメッセージです。
この翌年の、
1984年にマイケルは、同じく、
ペプシのCMの火薬玉の特殊効果のミスによって、
頭部に重度の火傷を負わされました。
この負傷に用いられた処方鎮痛薬物治療は、
晩年まで何度も行われた頭皮再生手術の度に行われました。
医師の薬物処方の過ちは、マイケルの人生に決定的な暗い影を投げかけ、
薬物など無縁だったマイケルを薬物中毒に陥らせ、
ついには、死の原因になってしまいました。
" See You Next Wednesday "
"次の水曜日に会いましょう"
この言葉は、「また会いたい」という
まったくシンプルな愛の言葉。
けれども、
ジョンやマイケルに負い目のある人間にとっては、
非常にスリラーな言葉でしょうね。