2021. 11. 10 (水) 19 : 00 ~ 福岡サンパレス ホテル&ホールにて
<第399回 定期演奏会>
~アメリカン・クラシックの魅力~
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
ガーシュイン:ピアノ協奏曲 ヘ調
(ソリストアンコール (ファゴット:埜口浩之))
ガーシュイン:サマータイム/アイ・ガット・リズム
コープランド:市民のためのファンファーレ
バーバー:弦楽のためのアダージョ Op.11
ガーシュイン:パリのアメリカ人
ピアノ:小曽根 真
指揮:太田 弦
九州交響楽団
(コンサートマスター:西本幸弘)
先週水曜日に行ったコンサートの話です。 また長いです
でも自分の記録なんで~![]()
フライヤーにもあるとおり、”世界のOZONE”こと小曽根真さんが九響定期に初登場! 私は小曽根さんも指揮者の太田弦さんも初聴きだったのでとても楽しみにしていた。
でもって、結論からいうと、
めちゃめちゃ楽しかったー![]()
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月刊誌「九響」の中村滋延氏の曲解説を交えながら書きます。
今回は”アメリカン・クラシックの魅力”と題したプログラミングだったが、中村氏によると、19世紀末~20世紀にかけて東ヨーロッパから多数の移民、特に音楽能力に長けたユダヤ系移民がアメリカに移住してきたことで、第一次世界大戦後アメリカ発のクラシックの評価が高まったとのこと。今日の演目の作曲家たち、バーバーを除いたバーンスタイン、ガーシュイン、コープランドもユダヤ系だった。
1曲目はレナード・バーンスタイン(1918-90)の「キャンディード」序曲。
この序曲めちゃめちゃ大好き
ちっちゃな太田弦さん(登場したときは思ってたよりもさらにちっちゃくて、”あ、子ども店長だ。”とつぶやいた失礼な私・・・ww)が威勢よく降り始めた途端、これまた威勢のいいオケの音!
「わっ!今日はなんかいい!」とワクワクした
私が最も大好きな、途中の弦が美しい旋律を奏でるところは思わずウルウルとなった![]()
2曲目はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)の「ピアノ協奏曲 ヘ調」。
私はこの曲初聴き。ガーシュインといえば「ラプソディー・イン・ブルー」がよく演奏されると思うが、予習で聴いてみると、めちゃめちゃいい曲
私はラプソディー~よりこっちの作品の方が好きかも。
ガーシュインについては彼の命日の7月11日に記事に書いたことがあります。
ガーシュインが1924年に作曲した「ラプソディー・イン・ブルー」の成功を高く評価した指揮者のウォルター・ダムロッシュ (1862-1950)は、より本格的なピアノ協奏曲をガーシュインに委嘱、彼は作曲にあたって初めて音楽理論書を購入し楽式を学んだという。管弦楽法の勉強のため自ら楽団を雇い、様々な楽器の組み合わせを実験した。1925年に作曲されたこの作品は同年12月3日にガーシュイン自身のピアノ独奏、ダムロッシュ&ニューヨーク交響楽団で初演され成功を収めた。ちなみにストラヴィンスキーはこの曲を”天才の仕事”と激賞したが、プロコフィエフは毛嫌いしたそうだ![]()
予習のために色んな演奏を聴きましたが、私が一番気に入ったのがユジャ・ワンの演奏![]()
何度も聴いてこの曲が大好きになりました
ユジャがめちゃカッコいい!
ガーシュイン:ピアノ協奏曲 ヘ調 (35分30秒:第2楽章;13分50秒~、第3楽章;26分22秒~)
/ ユジャ・ワン (Pf), 指揮:マイケル・ティルソン・トーマス
ソリストの小曽根真さんは光沢のあるシルバーのシャツ(シャツの後ろの裾が燕尾服のようになっていた)で登場。 私はアーカイブ配信も観たのだが、その中で小曽根さんはこの作品について、「ものすごく大好きな曲。ガーシュインのやりたかったことがものすごく伝わってくる。大作&名作で、ジャズの要素はラプソディー・イン・ブルーよりもたくさん入っている。彼の真の名曲。滅多に演奏されないのでぜひ聴いてほしい」とおっしゃっていた。
生で聴いて益々この曲が好きになった![]()
私が好きな第一楽章の途中、ムチが合いの手を打ちつつピアノがトッカータぽくなるところ、同じくトッカータぽくなる第三楽章冒頭はゾクゾクした![]()
ユジャの映像でもそうだけど、第一楽章が盛り上がって終わると思わず拍手が沸き起こった。
第二楽章は(アーカイブの小曽根さんの話によると)小曽根さんにとっては”ブルース”だそうで、リハの時に、小曽根さんが、『日常抱えている色んな思い、ハッピーなことだけではなく切ないこと、しんどいことをすべて音符に乗せて一緒にみんなで共有しよう。』 とオケの皆さんに提案したのだそうだ。 この楽章のピアノが入ってくるまでのクラリネットの三重奏?が哀愁があってとてもよかった。そしてトランペット🎺の物哀しいソロ! この楽章は私も思わずウルっとなった![]()
小曽根さんはこの楽章からは所々アドリブを入れていた。
第二、第三楽章の小曽根さんのカデンツァはまさにOZONE World!これ小曽根さんのオリジナルなんじゃないかと思うが、このときの小曽根さんが一番生き生きとしてたような
そしてカデンツァのあとのオケの入りが、よくあるトリル後とかじゃなくて気づいたらフッとと入っててピアノとピタッとしてるとこが小曽根さんすごいな!と思った。 きっとリハで入念な打ち合わせをやったんだろう。
リハ中の小曽根さんと指揮者の太田弦さん
この曲、「あ~ラフマニノフみたい」って思うところが所々あるが、実はラフマニノフの方がガーシュインを真似してたという話を以前書いたことあるな~と思いだした。ラフマニノフ自身はガーシュインの音楽を表向きにはそんなに肯定してはいなかったそうだが、かなり意識はしていたんだと思う。
本番も熱い演奏でした![]()
演奏終了後に指揮者がトランペットの松居さんを立たせて称える際には、小曽根さんはピアノの突上棒を自ら倒してふたをしめてお客さんから松居さんが見えやすいようにしていた。お心遣いがさすが!!![]()
そしてアンコールは何かな?と思っていたら、小曽根さんが、「サプライズがあります
ファゴットの埜口さん
」と言って、埜口さんが中央まで出ていらした。
驚いていた団員さんたちも結構いたので一部の団員さんたちしか知らなかったのかもしれない。
で、このアンコールがめちゃめちゃ素晴らしかった~![]()
埜口さんがジャズ好きってのは知っていたが、こんなに素晴らしいジャズマンだったとは!!
「サマータイム」が始まると拍手が沸き起こった。 途中ふたりの掛け合い(きっとアドリブ)のあと、また変わった!と思ったら、「アイ・ガット・リズム」になった
とおっしゃっていた。 小曽根さん、演奏中にも「ハハ~ン♪」「That's ○○(←聞き取れず)」「You got it!」と言ったりととっても楽しそう![]()
ファゴット奏者 埜口浩之さんとのアンコール
このおふたりのセッションは、前日(?)に管の人たちのところに小曽根さんが気軽に話しかけてきたときに、オーボエの佐藤太一さんが、「この人(埜口さんのこと)、ジャズできます
」と言って、「じゃあ一緒にやろうよ!」となったそうだ
私も含めて、きっと埜口さんの新たな魅力(見かけは人のよさそうな、ドリフの仲本工事みたいなんですけどねw)にびっくりしたことだろう。
いいもの聴けて楽しかった
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大きな拍手に応えるおふたり
アーカイブ配信を観てたら、舞台裏に帰ってきた小曽根さんは、「あれ反則ですよねー!?ファゴットの埜口さん!あんなにジャズができる人がいるなんてね!?いやぁ、最高です!」と興奮した様子でおっしゃったあと、英語で埜口さんはジャズを非常に上手く演奏していたと讃えていた。その後後半も客席で聴くのが楽しみ!と英語でおっしゃっていた(小曽根さんの英語はネイティブそのもの。めちゃうまい。)
後半最初はアーロン・コープランド (1900-90)の「市民のためのファンファーレ」。
彼は21歳のときにパリへ留学、名伯楽のナディア・ブーランジェに師事した(そういえばガーシュインはブーランジェに師事しようとしたが断られたことがある)。
この作品は1942年に作曲。1943年3月12日の「納税の日」にトスカニーニの指揮、NBC交響楽団で初演された。
この作品も私は初めて実演を聴いたが、短いけどすごくいい曲なんですよね~
崇高な金管の音色、そして地響きのような打楽器との取り合わせが最高です。
コープランド:「市民のためのファンファーレ」 (3分30秒)
/ アントニー・ヘルムス&オランダ放送フィルハーモニー管 (2019年9月)
金管のメンバーたちがステージ前に半円形に並んで演奏
実際に聴いた感想としては、欲を言えばもっともっとスコーーーン!と突き抜けたような音だったらもっとよかったかも。 でもやっぱり素晴らしい曲だと思った。
次はサミュエル・バーバー (1910-81)の「弦楽のためのアダージョ」。
この作品は1936年に作曲された「弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.11」の第2楽章を弦楽合奏用に編曲したもの。1963年のジョン・F・ケネディの葬儀で使用されて有名となり、そのため葬送用や惨事の慰霊祭などの定番曲として使われるようになったが、バーバー自身は生前「葬式のために作った曲ではない」と不満を述べていたそうだ。
私はこの曲を聴くとどうしても映画「プラトーン」が思い浮かんでしまう。なので、プラトーンを思い出さずにこの曲を聴いてみたいんだけど、どーしても頭の中がプラトーンになっちゃうんです![]()
演奏を聴いての感想は、これも欲を言えば、だけど中間部終わりの激しく鳴らすクライマックスのところがもっと”慟哭”のように大きく突き上げてほしかった。全体的にもっと厚みのある深い音が聴きたかった気がした。
最後は再びジョージ・ガーシュインの「パリのアメリカ人」。
この曲は1928年(彼が30歳のとき)に作曲、彼がヨーロッパ渡航から帰国して発表された。彼自身が、
『自分が今まで試みてきた中で最も現代的な音楽』と語ったこの曲は、彼自身のパリ滞在の印象をまとめた作品で、ニューヨークでの初演時(同年12月)から大喝采を浴びた。ちなみにこの初演のために、ガーシュインはパリのタクシー用のクラクションをアメリカに持ち帰ったのだそうだ。
中村氏の曲解説によると、「ラプソディー・イン・ブルー」に比べて構成、構造的にも、また自身でなされた管弦楽編曲も非常に優れているとのこと。
ガーシュイン:「パリのアメリカ人」 (18分21秒)
/ アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル (2011年5月5日)
これも私は生で聴くのは初めてだったが、実際に聴くとえ~らい楽しい!
次から次と聴いたことのあるメロディがオケの中から飛び出してきて、彦摩呂さんなら、「旋律の玉手箱やぁ~!」と言うだろうw 終始ワクワクしっぱなしだった![]()
とにかくこの日は最初から最後までずっと楽しめた![]()
太田弦さんの生き生きとした指揮もさることながら、小曽根真さんの魅力にまいっちんぐ~(←ふ、古いw)
アーカイブ観てても小曽根さんの人懐っこい笑顔、アクティブで器のでっかいお人柄にとにかく魅了された。
ぜひまた九響と共演に来ていただきたいです![]()
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「パリのアメリカ人」熱演中~![]()
(以上の写真はすべて九響の公式facebookよりお借りしました)
アーカイブ配信で、本番前に太田さんと小曽根さんのインタビューがあり、おふたりが口を揃えて、
「九響は熱い。」とおっしゃっていた。太田さんは、「日本の他のオケにはないような、建設的で皆で何かを創り上げようとする気概が伝わってくる」という内容のこともおっしゃっていて、とても嬉しかった![]()







