「小澤征爾 若き才能とつむぐ四重奏 (カルテット) 」を観る | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

昨日偶然にBS11でドキュメンタリー番組 「小澤征爾 若き才能とつむぐ四重奏(カルテット)」を観た。これ再放送だと思います。

 

 

これは小澤征爾氏が毎年スイスのブロネーという村で開いている「スイス国際音楽アカデミー」を取材したもの。

スイス国際音楽アカデミーは小澤征爾氏が若手音楽家を無料で指導する目的で2005年に開校された。 

 

毎夏2週間にわたる音楽講習の受講を希望して世界中から生徒が集うが、とても狭き門でたった24人しか受講できない。そしてこの音楽アカデミーは室内楽の中でも弦楽四重奏に特化しているため6組のカルテットが作られ指導を受けるということになる。

 

なぜ弦楽四重奏に特化しているかというと、小澤さんいわく「四重奏がクラシックの基本であり、オーケストラの原型がそこにある」と考えているからだ。

このアカデミーの受講生たちは普段はソリストとしての教育を受けている。 自分の演奏ばかりに集中するのではなく他人の音を聴きとる大切さを伝えようとする意図がある。

「音楽作り」の基本を学ぶのに四重奏はとても大切だという。

四重奏をやってソリストになるのと、やらずしてなるのとでは(その人の作り出す)音楽に違いが必ずあると小澤さんはいう。

 

小澤さんはインタビューで、「(腕をたたきながら)演奏はここでするんじゃない。(耳を指さしながら)ここでするんです。」と言っていた。

 

 

事実、番組を観ていると練習の最初の方では、私のようなド素人が聴いても音が何だかバラバラで(揃う揃わないという問題ではなく)何となくしっくりこない。

それがお互いの音を聴き合い、意見を出し合い、試行錯誤をしているうちにぴったりハマってくるのだろうか、本番のコンサートでの演奏は全く違うのだ!!まるで別人たちが演奏しているかのようだった。 国籍も人種も違う、アカデミーで作られたにすぎない即席のカルテットでたった2週間でここまで変わるのに正直とても驚いた。

 

この音楽アカデミーの話は、村上春樹の書いた小澤さんとの対談の本「小澤征爾さんと、音楽について話をする」にも書いてあったと思い、番組を観終わって再度読み直してみた。

この本の「スイスの小さな町で」という項目(374~392ページ)を読んでいただければこのアカデミーについてのさらに詳しい話が分かると思うが、村上さんも私と全く同じ、生徒たちがかもしだす音楽の変貌ぶりに驚愕したというエピソードが書いてある。

 

 

 

カルテット以外に24人全員での演奏もあった。

番組内ではグリーグのホルベルグ組曲などの演奏シーンがあり、リハーサルの場面ではベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番第3楽章があったが、生徒たちがインタビューで口々に言っていたとおり小澤さんがちょっと振り始めただけで音色が大きく変わる。 そして簡単な指示を与えているように思えるのに音のうねりがどんどん変わっていくのが驚きだった。

「(全体での演奏も)カルテットと同じように演奏すること」という指示が与えられていて、小澤さんはしきりに「Listen! Listen!」と繰り返していた。

 

 

生徒たちのひとりの話が印象的だった。

「自分はこのアカデミーに参加するまでとても迷いがあった。自分にはヴァイオリン以外にもっと才能があることがあるのではないかと。小さいころに親に与えられて自分の意志とは関係なくヴァイオリンを弾かされてここまでやってきたが、このままでいいのかと常に悩んできた。だが、このアカデミーに参加して小澤さんに学んで迷いが払拭された。もう迷いはない。」

 

 

それから! 受講生のひとりとして登場していたのが、先日演奏(モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番)を聴いたばかりのアレクサンドラ・スム音譜

全員で演奏したグリーグのホルベルグ組曲ではコンサートミストレスをつとめていた。

なるほど先日のコンサートのチラシに”小澤征爾も認めた新星”と書いてあったはずだ。

演奏中も小澤さんと目が合うたびに嬉しそうに微笑む姿がとても可愛らしかったハート

 

番組最後に生徒たちひとりずつが数秒ずつ登場したのだが、皆はにかむような笑顔がとても初々しくて「若いっていいな!」と心から思った。

 

 

この音楽アカデミーの講師陣はチェリストの原田禎夫、ヴィオラ奏者の今井信子、ヴァイオリニストのパメラ・フランクなどそうそうたるメンバー。

小澤さんも含めこれら講師陣へのインタビューなどはすべて英語で行われている。

原田さんの英語はとても流暢でうまい。

一方小澤さんのインタビューでの英語は決して流暢とはいえずややブロークンなところも時々ある。だけど言いたいこと、考えていることはしっかりと伝わる。しかもリハーサルになるとその英語はもっと分かりやすく、的確になるのがすごい。

語学も音楽と一緒で ”流暢にしゃべる”のが目的ではなく、”何が伝えたいか” ”何を発信したいのか”が重要なのだと思った。

 

(写真はBS11のHPからお借りしました。)