高原英理 著「不機嫌な姫とブルックナー団」 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

つい最近読んでめちゃ面白かった本音譜

 

高原英理著「不機嫌な姫とブルックナー団」 講談社

 

先日読響の福岡公演に行った際に(メインはブルックナーの交響曲第7番だった)、もらったプログラムの中にブルックナーの曲の解説とともにこの本のことが書いてあり、すごく読みたくなってジュンク堂に買いに行ったらタッチの差で売れたとのこと。 きっと私と同じ行動パターンの方かもしれない笑う というわけでAmazonで購入した。

読み終わって知ったのだが、著者の高原氏は男性だったエ!(私は女性作家と思い込んで読んでいた。)

 

私はブルックナーが大好きラブラブ 初めて聴いたときは、”長い!” ”しつこい!” ”終わったと思ったらまた始まる!” ”どれ聴いてもなんか似てる?”という印象だったが、あるとき第8番の第3楽章を聴いていてなんだか涙がボロボロ出て泣く 、 それ以来じっくり聴くようになった。

福岡ではあんまり実演に接する機会がないので、何度かひとりで上京して聴いたことがある。

 

で・・・・ ブルックナーファンって男性が多い(?)、ということを最近まで全然知らなかった。

たまたま見たブログだったか、「今日はブルックナーで野郎どもが多い」と書いてあって、初めて「そうなの??え?」と思った。

思い返してみれば・・・そういえば、ミューザでもサントリーホールでも私の座席の周りは男性が多かったような・・・ しかもおひとり様が多かったような・・・ 男性トイレ男子トイレの方が長蛇の列だったような・・・

 

 

この本はそんなとこから始まる。

図書館の非正規職員として働く”代々木ゆたき”(女性)は、ひとりでサントリーホールへブルックナー交響曲第5番を聴きに行った帰りに隣に座っていた男性(通称タケ)から声をかけられる。

そのときの会話をさわりだけ紹介・・

 

タケ「あの、あの、本当にブルックナーが好きでお一人で来たんですか?」

ゆたき「ええ」

タケ「お好きなんですか?」

ゆたき「ええ」

タケ「しかも五番」

ゆたき「いけませんか」

タケ「いいえ。いいえ。そうですか。ありがとう。嬉しいです。」

ゆたき「女のくせにブルックナーを全曲退屈もせずに聴き通せるなんて信じられないっておっしゃりたいんですか。女はショパンかモーツァルトでも聴いてろって」

 

その後も会話は続くのだけど、面白くてついクスクスと声を出して笑ってしまったクスクス

そしてタケが他のふたり(通称ユキ、ポン)をゆたきに引き合わせて名乗ったのが、

「俺たち、ブルックナー団なんです。」

ゆたきと一緒で、「ブルックナー団ってなんだ!?は?」と思った。

 

この3人のオタク具合がすごい。そういえば、ブルックナーオタクって「ブルオタ」(正式には「ブルヲタ」というらしいが。)って呼ぶんですか?

そして演奏終了後(もちろん好演時でしょうが)のカーテンコールでの盛り上がりを「ブルオタ祭り」っていうんですか?(この本によると2ちゃんねるのクラシック版での呼称らしい)

 

そいえば、昨年のバレンボイムのブルックナーチクルス(私は2公演のみ参加)の時の終演後のカーテンコールはほんと凄かった。ブラボーじゃなく、野獣のような「ウオ~~~~!!!」という男性軍団の野太い声がホール全体にこだまして私は心底驚いた(ちょっと怖かった)が、本によるとどうやらこういう状態を「ブルオタ祭り」というらしい。

 

 

ゆたきとブルックナー団との出会いはこうして始まるのだが、その後本の中でたびたび登場するのが、タケがブルックナー団のサイトで書いている、という設定で登場する「ブルックナー伝(未完)」。

これ(実在の)ブルックナーに関する伝記、色んなエピソードを書いているもので、実際かなりの文献に基づいて書かれていてとても面白い。

 

私が知っているブルックナーに関することといえば、一般的に知られていることくらい。

大器晩成型の作曲家だった、ワーグナーを崇拝していた、オルガンの名手だった、奇人・変人の行動が目立った、自信がなく何度も改訂を繰り返した、天敵といわれる批評家ハンスリックの存在、などなど。

 

 

タケが書く「ブルックナー伝(未完)」は自分がまるでブルックナーの時代にタイムスリップしてその場で見ているかのような錯覚に陥った。

交響曲第3番の初演のときのウィーン・フィルの非協力ぶり、妨害ぶりなど読んでいていたたまれなくなる(何人かの楽団員の実名も登場していてとてもリアル。また、弟子だったマーラーも登場している)。

最後に登場したブルックナー伝を読んだときは思わず涙が出た。

 

 

主人公のゆたきもタケの書く「ブルックナー伝(未完)」を読み進めるうちにある変化がおとずれて・・・

 

ブルックナーという人物そのもの、そして彼をとりまく様々な人物を含め、決して特異な状況ではなく現代にも通じるものを考えさせられた。

 

 

ブルックナー好きにはとても面白い本だと思います!

ところで女ひとりでブルックナー聴きにいくってそんなに変なのかなぁ??

そんなことはないと私は思いますツラスカルキリッ

 

 

本の最初の方に書かれてあるブルオタ度を測るテストがこれまた面白い。

あなたのブルオタ度はどれくらい?笑う

 

「ブルックナー団員資格認定テスト」

あなたのブルックナーマニア度を確かめます。はい か いいえ でお答えください。

 

1 ブルックナーの交響曲は全曲、全楽章ごとに主題の区別ができる。

2 ブルックナーの音楽を録音したCDを100枚以上持っている。

3 ブルックナーの交響曲の版ごとの違いがすべてわかる。

4 ブルックナーの曲がプログラムにある演奏会に年20回はいく。

5 交響曲は形式の明快さよりも、よいフレーズの繰り返しと多彩な和声の工夫をこそ聴きたい。

6 音楽さえよければ作曲家の外見は全く問題ではない。

7 交響曲第3番初演、と聴くと涙が止まらない。

8 エドゥアルド・ハンスリックを一生の敵と考えている。

9 ブルックナーの弟子の名前を5人以上言える。

 

質問の6,7,8番あたりにブルックナーへの愛きゅんを感じるな・・・ぷぷッ(笑)sao☆