心から納得できる受診ができるなら、時間とお金をかけて足を運ぶ意味はとても大きいと感じました | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんアンケート。

 

やっと2025年分に突入した!と思ったら2018年のアンケートが十数枚出てきまして・・・先にそちらを掲載してから2025年分を採りあげます。

 

このアンケート記事は患者さんたちがとても楽しみにされているので、頑張って週に1回は更新していきます筋肉

 

今日ご紹介する患者さんは40代女性。

 

脱肛に悩み遠方から受診されました。

 

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この患者さんは、もともとトイレの時間が長く、高校生の頃から切れ痔になっていました。

 

そのあと、年月と共に肛門にできものができたそうです。

 

出産でさらに悪化。

 

便通が良いときは痛みも出血もないが、便通が悪いと生活に支障を来すくらい症状がひどくなります。

 

だんだん調子の悪い時期が長くなってきたため遠方から受診されました。

 

便は毎日出ています。

 

ウォシュレットを使っているのに紙で3〜7回拭いています。

 

時々マグミットを服用されていました。

 

肛門を診ると洗い過ぎで肛門周囲の皮膚が荒れていました。

 

そして立派な脱肛です。

 

ちょっと腫れていました。

 

診察すると(直腸診)と粘土状の便が充満しています。

 

今日は既に排便があったのに・・・です。

 

典型的な出残り便秘ですね。

 

坐剤を入れて出して来てもらいました。

 

そしてもう一度診察上差し

 

キレイに出し切れて空っぽになっていましたグッ

 

あれだけ腫れていた脱肛が中に入って、半分くらいの大きさになっていましたびっくり

 

ただ便を出すだけで脱肛が改善することって多いんです。

 

ただ便を出しただけですよ。

 

それだけで痔が良くなる。

 

しかもその場で。

 

数分前とは別人のおしりになることが本当に多い。

 

 

医学的には脱肛で手術適応ですが、まずは排便の管理をしてもらうことに。

 

それで脱肛が改善すれば手術は不要になるかもしれません。

 

 

治療は簡単。

 

坐剤を毎日入れて便を出し切る

肛門にSザルベを塗る

ウォシュレットをやめる

 

 

そして2週間後・・・。

 

坐薬はすっかり慣れておられました。

カンペキに使えていますグッ

 

イボ痔(痔核・脱肛)も小さくなっていました。

 

診察の日は少し腫れていましたが特に痛みも出血も何もなく、排便にも困っていないので2回目の通院で終了となりました。

 

いぼ痔(痔核・脱肛)は無くなりませんが、何も困ったことが無ければ、手術せずに持っていていいんです。

 

そしてこの患者さんは毎年、年に1回のおしり検診に今でも来られています。

 

時々腫れたり、出血したりすることはあるけれど、いぼ痔(痔核・脱肛)も大きくならず、ずっと持ったまま上手に付き合えています。

 

いつ限界が来るのかは分かりません。

 

明日かもしれないし、10年後かもしれない。

 

もしかして一生来ないかもしれない。

 

限界が来たら、その時には手術を受ければいい。

 

何も急いで慌てて今すぐに受ける必要はありません。

 

痔は良性疾患です。

 

今すぐ直ちに手術をしなければならないという緊急性はありません。

 

だから手術と言われても必ず受けなければならないという疾患ではないのです。

 

手術をするかどうかは、医者が決めることではなく、患者さん自身が決めること。

 

そのタイミングも患者さんが自分の都合と自分の気持ちで決めればいい。

 

誰かに強制されるものでもなければ、同意なく勝手に医者がやるものでもない。

 

一番大切なのは「手術をしたい」という患者さんの気持ち。

 

ここが固まっていないのであれば受けるべきではないと思っています。

 

それにね

 

手術で痔を治しても、痔の原因となった出口便秘を治さなければ、また痔になりますよ。

 

痔は間違った排泄の結果。

 

その間違いを正さなければ何度でも痔になります。

 

手術で治せるのは痔だけ。

 

手術しても便秘は治りません。

 

だから便秘を繰り返せばまた痔になる。

 

何度でも痔を繰り返す。

 

 

そんな患者さんを大勢診ています。

 

だから声を大にして言いたい。

 

痔の根本治療は手術ではなく、痔の原因となった便通を治すこと。

 

 

便通を治せば、この患者さんのように10年経っても痔と上手く付き合って行ける。

 

そんな患者さんが大勢います。

 

 

だから手術と言われてもあきらめない。

 

まずは便通を治してみて。

 

便秘は出口で起きているのに腸に効くものを飲んでも解決しません。

 

 

今までもいくつか肛門科に足を運びましたが、こんなに丁寧に診ていただき、説明をしていただいたことはありませんでした。
 

 

今は説明ビデオを観てもらって、対話の時間を取るようにしています。
 

病気の説明

便秘の説明

おしりの手入れの説明

坐剤や浣腸の使い方の説明

食事指導

 

この一連の説明は同じなので、ビデオ撮りしました。

 

 

一人一人引っかかるところが違うので、引っかかったところでストップして再生し直したり、あとで質問したりしてもらっています。

 

心から納得できる受診ができるなら、
 

時間とお金をかけて足を運ぶ意味はとても大きいと感じました。

 

そう言って頂けるよう全力で患者さんを診察しています。

 

価格に見合った価値を提供できるよう、また私たちの医療に価値を感じて頂けるような患者さんに来てもらえるよう、情報発信に力を入れています。

 

そして通院を減らせるよう最大限努力しています。

 

 

痔は治ったら、良くなったら通院が終わります。

 

年に1回のおしり検診なら遠方からでも来られる・・・と北海道や沖縄からも大勢来られています。

 

 

帰りは身体も心も軽く、大きな重たいものが身体から下ろせた気持ちになりました。

 

痔は命に関わる疾患ではありません。

 

だけどおしりのせいで生活に支障を来し人生まで暗くなっている人が多いです。

 

おしりも体も心も軽くなって頂けたのであれば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

肛門の治療の場合、治療は患者さんの生活の中にあるので、患者さんが実践してくれなければ治療が成立しない。

 

だから治療する気持ちのある人しか治せないというのが正直なところ。

 

痔を作ったのも患者さんだし

痔を治すのも患者さん。

 

私たち医師はアドバイスとお手伝いをするだけ。

 

やっていることは患者さんの応援です。

 

もちろん手術という医療行為によって痔を根治せしめる方法もありますが、肛門に便を溜めてて治療なし。

 

だから一番大切なのは排便管理なのです。

 

そこを理解して頂かないと治療が成立しない。

 

ブログで発信するようになってから、便をちゃんと出すことの大切さを理解された患者さんが大半なので、随分とミスマッチが減りました。

 

ありがたいことです。

 

こうして患者さんが良くなって、元気になって、年に1回のおしり検診に来て下さることは本当に嬉しい。

 

痔が治った患者さんの笑顔があふれる肛門科にしたいと夢を描いてやってきた30年。

 

もう既に夢は現実のものになっています。

 

これからも痔や肛門のトラブルで悩める患者さんを笑顔にしたいと思います。

 

 

 

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