奈良には、「十二社神社」「十二神社」「十二柱神社」
という名前の神社がいくつかあります。
名前に「十二」とあるのだから
十二柱の神さまをお祀りしているのだろう。
多くの方は、そう思いますよね。
実際には、十二柱の神社もあれば
それより多い神社もある。
祀られている神さまも、すべて同じではありません。
じゃあ「十二社」の十二とは、何を表しているんやろ。
軽い気持ちで調べ始めたはずが
いつの間にか、「十二の森」に迷い込んでしまいます![]()
というお話です![]()
奈良の十二社神社には
「天神七代」と「地神五代」
を祀る神社があります。
☑七代と五代を合わせて、十二代。
神世七代には、男女二柱を一代と数えます。
なので「代」で数えて七代は
神さまを一柱ずつ数えると、七柱にはなりません。
つまり「十二」は必ずしも神さまの柱数ではなく
神代の系譜を表す「十二代」なのです。
ここで、また疑問が生まれるでしょう。
地神五代の最初に挙げられるのは
天照大御神です。
「え?天照さんは高天原の神なので、天津神。
天津神と天神、国津神と地神って同じじゃないの?」
って思うよね。
ややこしいことに、違うんですよ。
「天津神・国津神」と「天神七代・地神五代」
そもそも分類の物差しが違うって言えばいいかな…
天津神・国津神は、神さまの系統を表す言葉。
一方の天神七代・地神五代・人皇は、神代から天皇へと続く
時代や系譜を区切る言葉です。
天照大御神は天津神でありながら
系譜上は地神五代の第一代でもある。
ややこしい。
でも、面白い![]()
ひとつ分かると、その先に
新しい「知らないこと」
が出てくるのが世の常です![]()
■熊野の「十二」は、また別の十二。
関東にも十二社神社や十二所神社がありますが
祭神や由来が奈良と同じとは限りません。
たとえば東京・西新宿の十二社熊野神社は
熊野三山から「熊野十二所権現」を勧請したと伝えられています。
こちらの十二は、神代の十二代ではありません。
熊野の神々を
三所権現・五所王子・四所明神
三+五+四=十二です。
同じ「十二社」という名前でも
☑一方は神代の系譜
☑もう一方は熊野十二所権現
名前が同じだからといって
同じ信仰から生まれたとは限らないのが
なんともねぇ。
さらに進めると…
■山の神「十二様」まで現れた
今回、調べるまで知らなかった・・・初耳です👂
北関東・甲信越を中心とする東日本の山間部には
「十二様」と呼ばれる山の神の信仰があるそうです。
山仕事の安全や豊作を願って祀られる神さまで
二月十二日に「十二講」を行う土地や
山の神が一年に十二人の子を産むと伝える土地もあるらしい![]()
ここでの十二は
十二か月、多産や豊穣、祭日である十二日などと結びついているみたい。
ただし、「十二様」という名の由来を
すべての地域に共通する一つの答えでは、説明することはできません![]()
神代の十二代
熊野の十二所権現。
山の神の十二様。
同じ「十二」なのに
全く違う歴史と信仰が重なっていました。
となると、気になるのが12って数よね。
■日本人は「十二」に何を見ていたのだろう
考えてみれば、私たちの暮らしの中にも
十二はたくさんあります。
十二支は、年だけでなく、月・時刻
方角にも配されてきました。
仏教にも、十二天、十二神将、十二因縁など
「十二で一揃い」とする体系があります。
西洋でも、黄道十二宮や十二使徒など
十二は「完全」や「全体」を表す数として扱われてきました。
ただ、日本にあるさまざまな「十二」が
すべて同じ考え方から生まれたとは言えません。
中国から伝わった暦、仏教、熊野信仰
神代の系譜、土地ごとの山の神信仰。
それぞれ異なる由来を持ちながら
十二という数にまとまっている。
で、どの十二にも、なんとなく
「ひと巡り」「一揃い」
という感覚が見え隠れしません?
もうこのあたりになると、最初の「十二」がなんだったのか
忘れてしまうよね![]()
「十二社神社の十二は、何を表しているのだろう」
そんな小さな疑問から始まって
神さまの系譜、熊野信仰、山の神、暦と数字の世界まで
考えてみたものの
はっきりした結論は、まだ出ません。
でも、答えが出ないからこそ、もう少し考えてみたくなります![]()
調べるとは、答えを手にすること
思いがちです。
でも実際は、ひとつの答えを見つけるたびに
それまで見えていなかった問いや疑問に出会います。
こんな風に世界には
結果が先に現れ、理由をあとから追いかけても
追いつかないことがあるし
神さまや祈り、ヒーリング、直観のように
先に「感じる」「変化が起きる」ことはあっても
その理由をすべて言葉にはできない領域もあります。
☑わからないものを、なかったことにしない。
☑けど、わからないものに、都合のいい説明もつけない。
このあたりを大切にしたいなと思います。

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