前回のつづき
スーパームーン撮影騒動記
その2
無断転用禁止
先程から「月のある風景」をモノにしたくて琵琶湖西岸へ来ているのじゃがのう。
ところが空模様が怪しくなってきたのじゃよ。
間もなく月の出時刻だというのに地平線近くには黒雲が居座ってしまってのう。
これではお月様に拝謁できそうもないのじゃ。
ちょいとだけ明るい箇所があるがあれは雲じゃ。
こんな状況ではもう諦めるよりしかたがないわのう。
こりゃ今夜はダメじゃわい。
仕方がない。そろそろコンビニ弁当でも食するとするか。
―と🍺を取り出したとき・・・
で、出た~~!![]()
突然、暗雲の間から燃えるようなお月さまが!
それにしてもこの赤い色は一体どうしたことじゃ?
今までも月が地平線に近い時に赤くなるのは時々見ることがあったが、これほど赤い月は初めてじゃ。
若いころ聴いた「ルナ・ロッサ」(赤い月)というカンツォーネを思い出したわい。![]()
その時ふと思い出したんじゃよ。先ほど車内でテレビを視ていた時に、地元の天気予報士が言っていた言葉をのう。
「今日は黄砂が飛んでくるかもしれない」と。
もしやすると、この赤色は黄砂が原因かもしれぬのう。
ただしこれはワシの勝手なひとりごとじゃから鵜呑みにしないでくだされや。
ルナ・ロッサは暗雲の間から出たり入ったりしている。
月が顔を出した一瞬を狙って桜と一緒に撮影したいのじゃが、強風のために桜の枝が揺れに揺れる。
思いっきり感度を上げてシャッタースピードを速めたのじゃが、ブレずに撮れた画像はとうとう一枚もなかったというお粗末さじゃ。
意識的にぶらせる撮影方法もあるのじゃが、この場合はきっちり静止した画像にしたかったのじゃわい。
ノウルシなら揺れは少ないから望み通りの撮影ができたかもしれぬのにのう。
―などとボヤいてみたところで「後の後悔先に立たず」じゃ。
何度も言うようじゃが、この赤い色!
まるでお天道様と見間違えるほどじゃないかえ。
しかし月の上昇とともに徐々に本来の色に戻って行ったわい。
相変らず出たり入ったりを繰り返すお月さま。
何とか桜を止めて写したいのじゃが、相変わらず強風が吹いて一瞬たりとも止まってくれぬ。
湖面を金色に染め出したわい。
スローシャッターのために静かな湖面のように見えるがのう、実際には強風でもっと波立っているのじゃ。
こんなに強風の時に桜なんか撮ろうとするのが大間違いじゃ。ブレるに決まっているわのう。
お前はアホか![]()
―と、どこかからもう一人の自分の罵り声が聞こえるわい。
さてと。
いつまで経っても風は止んでくれぬし、お月さまはもう空の彼方へお昇りじゃ。ボヤいてばかりいても後の祭りじゃわい。
もう寝るとするか。
と「店じまい」をしようとしていたところへ、一台の車が駐車場へ入ってきた。
そして間もなく4、5人の若者たちががやがやと騒ぎながら降りてきたのじゃ。
何やら大きな荷物を抱えている。
見ていると、何と目の前でテントを張り出したのじゃよ。
「今夜はここで泊るのかえ?」と問うワシ。
「そうですよ」と嬉しそうに答える若者。
「・・・・・・・・・」😫
あれほどやかましく「3密」を避けろと東京都知事をはじめ世界中が口をそろえて言っているのに、まだこういう連中がいるのじゃのう。
テントのような狭い空間で騒いでいたら「3密」以外の何ものでもないわい。
仕方がない。逃げるが勝ちじゃぞえ。
急きょ、宿泊地の変更じゃ。
こうなったらノウルシの群生地で泊るしかないわい。
また先ほどのノウルシのそばへ逆戻りしたのじゃ。
やれやれ、最初からこちらで撮影すればよかったのう。
そうすればブレブレの桜なぞ撮らずに済んだし、あの若者たちにも邪魔されずに眠れたのじゃよ。
などとブツブツつぶやきながらヤケ酒
を引っかけたというお粗末な一席じゃった。
zzz zzz
つづく
無断転用禁止
















