ポトン
かまどの薪が落ちた。
(祥吾が慌てて)ええと・・・・・・、大菩薩峠の作者は、おさらぎじろう。 鞍馬天狗の作者は中里介山・・・・・・。
こりゃだいぶ動揺してるな。あべこべだ。
ふたりとも夕陽よりも真っ赤だ。
小糸は両手で上下を覆った。
祥吾は見なかったことにしようと横を向いたとたん、底板のバランスが崩れてズブン。
あち”ぃ~。(((( ;°Д°))))。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
ぷっ、小糸が笑う。
つられて祥吾も笑う、がどこかひきつっている。 熱いのをこらえて・・・・・・。
なんだこいつは結構ドジなんだと安心したのか気取る必要もないと高をくくったのか親近感をおぼえたようである。
出たら、あけびを獲りに行こう。
#シーンは野原にとぶ。
川に近い密生林に小糸が案内する。
ひょいと手を伸ばしてバナナみたいな実をつかんで祥吾に渡す。
皮の中から実がぶつぶつ見える。
小糸も中の実を口に入れる。
突然、うっ、と祥吾が吐き出す。
あはははは。小糸が明るく笑う。さっきよりも大きく高らかに。
祥吾が小糸を睨む。
あけびの種は苦いんじゃ。じゃけ種だけ吐き出すんよ。
祥吾が再度挑戦。口に含む。
にっと笑う。
小糸の艶めかしい微笑がまぶしい。
ザーザー小川のせせらぎが心地よい。
すーと薄しろい一条の火灯りがゆれた。ような気がした。
ホタルだ。
集合場所に向かっているのか、よくみると二条、三条と。
提灯を尻にからげて音もなく夜間飛行の名人。
なにかしら一種の哀歓を感じる。
小糸は蛍をみやりながら、将来を占ってでもいるかのようだ。
さて暮れてきた。
小糸の占いの出目に任せるしかないか。
しかし手元の資料は提供して判断を仰がねば。
ほたるを両手ですくって小糸の髪飾りに。
小糸は目で追っている。
ひときわ双眸が大きく輝いた。
さて、このあとはどうしょう・・・・・・。
つづく(のか)