昼寝のあとが、頬や手にわらむしろのあとがくっきりと刻印されている祥吾。
そういえば脱皮、皮がむけてきた。別に龍のように皮をかぶっていたわけではない、単なる日焼け。
ところどころ白い皮がめくれてくる。
もったいない・・・・・・。
って、ま、体の一部だったからな。
じい、風呂に入りたい。
それならほれ、そこの桶で川から水汲んできて五右衛門風呂に入れて、釜炊きすりゃええ。
ん?ゴエモン?
おい、小糸。こっちへ来い。
小糸、祥吾の風呂手伝うちゃれ。
祥吾より5、6歳上じゃろうかおきゃんな感じのここの娘。てきぱきと支度をし、やがて湯加減をみて出来具合を告げる。
祥吾が戸惑っていると、さっさと着ているものを脱ぎ、湯ぶねに向かうくねった双丘のかたひらにホクロがなにやら妖艶。
祥吾もつられて後を追う。 でっかい黒い大釜に唖然。立ちすくんでいると
湯釜から桶に汲んだ湯をかけ流す。 見とれている祥吾にも頭から湯をかける。
ぶるっ
すくんでいる祥吾を尻目に、小糸は丸板を底にしいてゴエモン風呂に沈んでいく。淵から湯水が線を引いて溢れる。
どれ、祥吾も一緒に入ろうとすると、小糸は手で押しとどめ、ちょっと待って、背中の皮をむいてから。
ん。
後ろを向いて。 ごりごり、じゃないごしっ、ゴシ。
ここの湯女は乱暴じゃのう。もそっと優しくこすれ。いとーてかなわん。
(頭からかけ湯)もごもご。ぶくぶく・・・・・・。
すっかり一皮むけて、やっと湯ぶねの釜へ。
あちちち・・・・・・。丸い底板が浮き上がって鉄板にじかに、あつつつ。慣れるまでなかなかバランスとるのも難しい。
こりゃふたりいっぺんには難しいな。両ヘリは熱い釜があたりそうじゃ。
ありゃ、水草も浮かんでおる。なかなか野趣の風情もある結構なお手前で。
リラックスしたところで目を上げると、小糸がなにやら上気した面持ちでたちすくんでいる。
思わず目が合う。瞬きもできないほどの引力に引き寄せられるかのように金縛りにあう二人。
いけない、理性を取り戻さねば。 ダメだ、ダメダメ。頭を冷やせ。
うう・・・・・・。
つづく (のか?)