初夏の今日この頃。みなさんいかがお過ごしですか。
夏が来るたびによみがえる疎開の想い出をインスピレーション磨きと思いつくままに綴ってみましょう。
ジージージー。ミィ~ミィ~。蝉の音だけでも暑っ苦しい。汗がたらたら。ふぅ・・・・・・。
ジリジリ照りつけひときわでっかく見える真っ赤に燃えた太陽♪
空気まで湯気が立ってる。ああ、陽炎か・・・・・・。
然し、ここには深緑にたゆとう冷やっこい川がゆったりと流れている。
子どもたちが太鼓岩の上から川中へ飛び込みを競っている。
おやおやなかにはフンドシどころかフリチンの河童まで。
それにしても子どもたちの瞳はいきいきと輝き、きゃあきゃあとはしゃぐ様はどうだろう。
躰も小麦色や赤銅色まで色とりどり。まだら模様が川中のアユを連想させる。
そうだ、昼飯まだだった。
川から道一本隔てた山側にある農家風の家に駆けこむ。
じっちゃん、はらへった。
ばっちゃんが、はいはいと囲炉裏端にかざしてる串刺し塩鮎を火にかざす。
裏の井戸に行って頭から冷水を浴びてさっぱりと。
都会暮らしだったが田舎も慣れると結構味なものだな。
ただ、夜中厠が外に出るのが面倒だな。寝ぼけたふりをして縁側で放尿という手もあるが、父母の躾のせいにされてはかなわんし。
いちおう都会っ子の矜持、プライドというものもある。
ぶつぶつそんなモノローグを並べていたら塩鮎が焼けた。
けど、これどうやって喰うんだ?
あちっ・・・・・・。あちちちち。
えっ、串ごと頭っからかぶりつき?
むしゃむしゃ武者小路実篤。
へえ~、鮎ってこんな薄味だったの。 ヘルシーだねぇ。
そこの川でじっちゃんが釣ったの?
げっ、さっきあの子があそこでションベンしてたよ。
うえっ、ぺっぺっ。
はっはっは、そりゃあ、朝方だれもしよらんうちに釣ったけんアンモニア消毒はされとらん。
そういわれあらためておずおずと家屋をみまわした。
なにやらススで黒ずんでいる。天井の梁なんか赤黒い。
なにやらここの住人の普段の生活が読めてきた。
朝はおじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんはそこの前の川原へせんたくに。
でもここの川上に桃林とか見当たりませんよぉ~。
ああ、そりゃもお、えんじゃ。
( ̄□ ̄;)!!えっ、どういうこと。(;^_^A
あのねぇ、じっちゃん。
いまはほうりつでつーしんはんばい、じゃないじんしんばいばいはいけんことになっとるんよ。
なーに、そんなん構わん。そこの大橋の下で拾うてきたことにすりゃあええ。
そんな勝手な事できません。だいいち辞令も住民票も持ってきてませんし、学校に傘置きっぱなしじゃ。
わっはっははあ。そんなもんどうにでもなる。こまけえこと心配せんでええ。
どうも考え方のかみ合わない祥吾とじっちゃんでありました。
これは都市の人口過密による他人への配慮から法の支配に依存する文明的社会と、一方過疎化による自然への依存度が高い田舎の生活習慣の違いからくるアレルギーの、いやイデオロギーの対立という構図のようです。
自然の中で野性的にハングリー精神を育てようという都会の親心と旺盛な知識がつっかい棒をして今一歩疎開生活に馴染めないもやしっ子の祥吾。
はたしてこれからどうなるのでしょうか。
わたしにもわかりません。
つづく (つもり)