さて、若い二人どうなる・・・・・・。
というか、どうしたい?
単なる恋愛メロドラマにしたいのか。オーソドックスにダメヨダメダメと先送りするのか、邪魔が入るのか、実は・・・・・・。となるのか。
然し事実は違っていた。
四囲は薄暮、多少大胆に大人ぶって見せる若い二人だが、いかんせんぎこちない。
この先は未知の世界。どうしよう・・・・・・。
なんとか恥をかかないようにと受けの姿勢にまわった防衛本能。
そうだろう、じっちゃんの顔もよぎったろうし、わたしなんかのために将来のある男児の邪魔になってはいけない、で、もし・・・・・・。いややめておこう。
など葛藤がすばやく回転する走馬灯の光と影。
そしてしずかに決断したあたりは元武門の血筋。
「わたし、本が読みたい。本にはこの村にはない違う世界を感じるの。もっともっと本を読んで成長したい。だからいい本のいっぱいある邑にでたいの。」
「・・・・・・」
「わたしね、祥吾からくる・・・・・・ううん、受けるこの気持ちはなんだろうと考えていたの。このままでは祥吾の足手まといになるのではないかと」
「・・・・・・」
宵闇の中で小糸の目が蛍よりも光っていた。
帰途を歩きながら考えた。
そうか、それが大人になるということか。
苦いような、せつないような。未熟を肌だけでなく肝に銘じた。
もっともっと勉強しなくては。
足を洗う井戸の水が火照っていた全身に活を沁みさせた。
「井戸の水ってFe(鉄分)が入ってるんだな」五感で自然を感じてきた。
するとどこからかフクロウの鳴き声も聞こえてくる。
道の向こうの川のせせらぎに身も心も委ねいつしか大自然に包まれて大仕事の前のひと眠りに付いた祥吾であった。
つづく (と思う)