21.民間銀行は、日銀がいくらでも貸すから、それでまた国債を買っている。
利ざやがこれで微かだが取れる。
財務省と日銀の言うことを聞いていれば、お取り潰しに遭うことはない。
本当に馬鹿じゃなかろかの話である。
日本国債とお札をジャブジャブに刷って、それで又、銀行たちが日本国債を買っている。
だからやっぱり黒田ワープの一挙投入でも、あと半年したら空母5隻が撃沈されてダメだろう。
22.真実の動機は、やはり日本政府(財務省)の発行する国債の秩序がぶっ壊れないために黒田ワープをやったのだ。前述した「札割れ」(新規に発売される日本国債を買う人がいなくなること)が起きないようにするためには、財務省の国債を、手篭(ご)めにされた日銀が無制限に直接、毎月買い取るしかない。
こうすれば、一国の金融秩序は安泰である。
金融市場もへったくれもない。もう市場(マーケット)は死んだのだ。
マーケットが死んだら、経済学(エコノミックス)も経済学者(エコノミスト)という奇っ怪な人種も全部死んでしまうのだ。
それなのに、彼らは、自分たちを「ニュー・ニュー・エコノミックスス」と言って、幽霊のように生き残っている。
真実は、市場統制(マーケット・コントロール)であり、市場そのものの政府・権力者たちによる乗っ取り劇である。
白川方明を死ぬほど脅しあげて脅迫して辞めさせた。
そして日銀の独立性を奪い取り手籠めにして強姦して政府に合体させ、その一部にしてしまった。
そして黒田東彦に取って替えた。
23.ということは、「国家(政府)は、どんな悪いことをしてもいい」ということだ。
お札と国債は発行し放題、それでデフレ不況から脱出して国民経済が安定し、あるいは繁栄をし続けることが出来ると、このバカヤローの「新しい新しい経済学」者たちは自信たっぷりだ。
このまま世界を自分たちの支配統制下において、運営、経営してゆけると思っている。
だから、やがて天罰が落ちるのである。
政府と中央銀行が合体して、無制限にお札を刷ってもいい、ということになったら、
それは、天( てん、Heaven , 自然の摂理、providence)に対する冒涜(ぼうとく)であり無謀なる反逆である。
いつか天罰が落ちる。
それは激しいインフレとなって襲い掛かる。
新しい新しい経済学(リフレ派)はこれを自分たちの力で上手に阻止できる、と思い込んでいる。
だから世界恐慌への突入はない、と信じ込んでいる。
24.黒田はマネタリーベースという新しいベース・マネーにこだわった。その「ベース」、基準、土台とは何か。それこそは、まさしく世の中の信用や信頼ということである。
黒田は自分がこだわった、マネタリー・ベースの「ベース」base、 基底、本拠、基礎が、実は現実のものではない仮想(バーチャル)のベースであると分かっている。
分かっていてその幻想の仮想のベースを世界中に示して、「自分を信用してくれ。日本を信用してくれ」と大見得(おおみえ)を切ってみせた。
金融とは信用の別名だ。信用、信頼 trust 、credit こそは金融である。
だから、その反対に、信用不安、信用危機 というのは、=金融不安、金融危機なのである。
人間の信用も国家の信用も同じだ。信用を失った通貨(お札)や、国債はクズになる。誰も持ちたがらない。捨て去る。
25.だから黒田ワープがやったことは、心理作戦、心理戦争(サイコロジカル・ウォー)の一種である。
一国の金融の政策というのは、自分の国民や諸外国に対する心理的な安心感や安定感の押し売りや見せかけのパフォーマンスである。
「この人(国)は、大丈夫だ、ちゃんと借金を返せる」、「信用のおける人だ、国だ」と思わせるためには、それなりのハッタリをかまさなければならない。
だから、一挙投入の短期決戦でアメリカも驚くような資金を出して見せた。
270兆円(2.7兆ドル)という資金を見せびらかしてみせた。
どこにそんな実態・実質のある金があるのかと私は聞きたい。
実は、私は、その在り処(か)を知っている。
それは、今本屋に並んでいる私の新刊本『浮かれバブル景気から 衰退させられる日本』(徳間書店、3月末刊)のp53に書いた。
26. たしかに日本財務省は資金を隠し持っている。そのことがちらちらと私には分かる。
アメリカは、ブー・フー・ウー(3匹の子ブタ)に襲い掛かるオオカミのようなものだから舌なめずりして、日本の隠し金を奪い取ろうと考える。
お金は天下のまわりものであるが同時に水もの(リクイディティー、liquidity)でもある。しかし、同時に決済手段、蓄蔵手段であると同時に、お金は、実体のあるものであり、人間の血と汗と脂(あぶら)が結晶化したものである。
お金とは、人間の苦しい労働や、ずる賢い商業の中から生まれた血と汗と涙の結晶である。
学生アパートの家賃5万円にもそれなりの苦しい若者、学生たちの、肌をさすられるようなアルバイトの実体がある。
人間の血と涙の結晶がお金なのだ。
このことを知らずに、このことを無視して、
政府がお金をジャブジャブに刷り散らして撒き散らせば、それでいい、
という考えは、いくら危機的な財政状況(大借金)にあるといえ、許されることではない。
アメリカもヨーロッパもさっさと、正直に国家破産すべきなのだ。
27. 去年2012年3月に、フランスの3大銀行は、国有化したうえで破綻処理されるべきだったのだ。
その上で預金(者)の保護という真面目な国家政策に出ればよかったのだ。
それをやらなかったから、今のヨーロッパ金融危機がずるずると続いている。
アメリカは2008年9月15日のリーマンショックの日に、リーマン・ブラザーズだけでなく、実はその夜のうちに、AIG(世界最大の保険会社)、もソロモンブラザーズもメリル・リンチも破綻、倒産していたのだ。
実はシテイバンク(シテイグループ)も破産していた。
シテイだけでも5兆円(400億ドル)の政府資金が投入された。
だから合計5つの巨大金融機関がアメリカではあのとき破綻していたのである。
それを隠しながら、今に至っている。
だから、リーマンショックのときに世界は、金融恐慌に突入していたのである。
だから、今度の黒田超緩和(ワープ)は、アメリカ、ヨーロッパに引きずりこまれて、
日本も、また「地獄の道連れ経済」にはまっていくのである。
これが今度の黒田ワープの本当の姿である。
だから私が、始めに書いた通り山本五十六提督(元帥、アドミラル)の短期決戦での一挙空母5隻の投入と同じことを黒田はやった。
このことのしわ寄せが日本国民にこれから急激に圧(の)し掛かってくる。
私たちは身構えて、これから襲い掛かってくる日本および世界の金融恐慌への途(みち)を両目をカッと見開いて、冷静に見つめ続けなければいけない。
副島隆彦拝
(以下は、4月4日、黒田発表のとき 日銀が公表した 文書)
「量的・質的金融緩和」の導入について 」 日本銀行