母から話を聞いて、少し前に
映画「人生フルーツ」を見てきました。
ミニシアターでの上映、というのもあるのかもだけど
開演15分前ですでに席は前の1、2列目しか残っておらず
すごい人気ぶり。
母が行ったときは、「次の時間まで待ってください」と
入場を断られている人もいたんだそうです。
風が吹けば、枯れ葉が落ちる。
枯れ葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
90歳の建築家の修一さんと
87歳の妻、英子さんの物語。
かつて自身が設計したニュータウンに土地を買い
雑木林に囲まれた木造平屋の家を建て
そこで土を耕し、野菜や果物を育て、食事を作り、
家や庭の手入れをしたり…
上の文に記されたそのままの、
夫婦の日常が描かれています。
お互いを「さん」づけで呼び合う2人の距離感が
またいい感じで。
べたべたしすぎず、尊重しあっているというかね。
*
で、見に行ってきたと母に伝えると
「でもあの映画、なんであんなに人気があるか
正直わからないんだよね」
と言われてびっくり。
母は建築が好きで
修一さんたちの家の方に関心があって
見に行ったらしくて
もちろん映画はよくて、本も買ったけれど
自分の親世代(わたしにとっては祖父母)も
畑をやっていたこともあり
映画のような暮らしぶりは、当たり前にあったから、と。
*
この作品はもともと、東海テレビのドキュメンタリーを
映画にしたものなんだけど
ネットで見つけたインタビュー記事で、監督さんは
独居老人、貧困、老老介護、孤独死など
高齢者の暗いニュースばかりの中で
年を重ねることに対するお手本になるような人はいないか、
そう考えていた時に出会ったのがおふたりだった、
と語っていて。
経済優先で、便利さ、手軽さ、すぐに答えがでることが
求められるようになっていて
「消費者」になってしまっているわたしたちにとって
おふたりの暮らし方は
時代が切り捨ててきたものであり
だからこそ今見直されてきているもの。
それは農的生活、自給自足の部分だけではなくて。
人と人とのかかわりを大事にすることや
自分でできることを、コツコツやり続けることで
何かが見えてくる、という修一さんの言葉とか。
その大切さを、心の奥で感じ取っているから
この映画を見に、足を運ぶ人が多いんじゃないかなと
思いました。
今すぐに目に見える結果ではなくて
数か月後、数年後、あるいは次の世代を見据えて動くって
地味で、つまらなかったりするのだろうけどね。
札幌のシアターキノでは
来週、3月3日(金)まで上映予定だそう。
http://www.theaterkino.net/?news=news-2186
気になっている方は、お早めにどうぞ。
