あのときの僕に、何が言えただろう。
微かな違和感から始まった心の距離を、
埋めることも、
止めることもできなくなっていた。
分かっていたんだ。
もう、出逢った頃とは違うのだということを。
かつては、
同じ世界に生きていたね。
同じように世界を見て、
同じようにものを感じ、
同じように笑ってた。
いつまでもこの世界は続いていく。
そう、当たり前に思うほど、
あなたとの時間は、とても穏やかで、
日常に溶けていた。
僕はね、あなたのことが、大好きだったよ。
あなたのその世界が、大好きだった。
あなたの笑い方が、
あなたの語る姿が、
あなたの紡ぐ言葉が、
あなたの嬉しそうな顔が、
あなたの頬の柔らかさが、
僕には、
安らぎで、歓びで、
それが、すべてだった。
お別れだね。
お別れだね。
最後にあなたの頬に触れたとき。
この指の先が離れたら、
終わりなのだと思うと、
僕は、何も言えなかった。
ただただ、口の端をあげて笑うしか、
できなかった。
今までありがとう。
僕は、いつでも、
あなたのことを、応援しています。
だからどうか安心して。
あなたは、あなたの道を、歩んでください。
僕は、大丈夫だから。
あなたも、きっと、大丈夫だから。
ありがとう。
さようなら。