“死んだら生きれない”から始まる、生きるを寿ぐ物語。
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※こちらは2026年7月16日に発行したメルマガを加筆修正したものです。

 


 



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ずっとつくろうって思ってた、なすとピーマンを煮ました。


こちらでは「おなす炊いたん」とかいいます。
 

今回は干しエビのお出汁でつくりました。

これは母がよくやっていた作り方なんですよね。


冷蔵庫で一晩冷やしたら、味がよく染みていて、
とてもおいしい。

 

こんな味やったかなあと
記憶を手繰り寄せながら食べていて、
気づきました。


私やっぱり、母の味を作っている。
好きじゃなかったのでつくりかたを覚えてたわけじゃないのに
どうしてもつくりたくなっちゃう時があるんですよね。
 

でも、実は若い頃の私は、
母の料理があまり好きではありませんでした。

というか嫌いでした。
 

「なんでそんな作り方をするんだろう。」

「普通に作ればいいのに。」


何が不満か、なにが普通なのか(笑)
とにかくそんなふうに思っていたことがたくさんあったのです。
 

だから、母とはぶつかることも多かったです。

 

 

そして実は、母も同じでした。

私がなにか始めると、最初は決まって否定する。
「普通そうじゃない」

「そんなやり方じゃない。」


そんな言葉を聞くたびに、ひたすら
 

「あんたの普通がおかしい」

「ただ認めてくれたらいいだけなのに。」

そんな気持ちになっていました。


さらに、不思議なんですが当時

母は私がやっていたことを否定しながらも、
しばらくすると自分でも始めている。


しかも、

「これええやろ。」

なんて、自分で見つけたみたいに話すんです。


「いや、それ私が教えたやつやん。」

そう何度心の中で突っ込んだことか。

私は、
そんな母の頑固さがどうしても受け入れられなくて、

「この人とは分かり合えない。」

そう思って生きてきました。


 

でもね。
そんなことを思い出しながらモグモグしていたら
だんだんおかしくなってきちゃったんですよ。
 

だって私

母の料理に文句を言いながらも、
気づけばその味を受け継ぎたくなっているんだもん。
 

そして、私のことを否定しながら、
気づけば同じことをしていた母。


似た者同士すぎる。
意地っ張り過ぎる。


もしかすると私たち親子は

反発しあっていた底に

本当はお互いを理解したかったのかもしれない。

当時は気づかなかった。

その方法が、とても不器用だっただけだなんて。
 

 

  干しエビのお出汁の香りを鼻の奥で感じながら、

風鈴の音と、夏休みの空気。


気づけば私は、
母の味を作っていました。

 

あんなに嫌だったのに。


否定していたように見えた相手が、
実は少しずつ私を受け入れていたのかもしれない。

そして私もまた、
母を理解しようとしていたのかもしれない。


人は言葉よりも、
毎日の暮らしの中で受け継いでいくものがある。

 

だから今日は、
母にではなく、


あの頃の母にも、
あの頃の私にも言いたい。

 


もう、いい加減素直になるよ。





 

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