前回のお話
そして、無意識にお向かいのお宅の玄関に行き、
チャイムも押さずに玄関をあけてそこの奥さんの名前を叫んだ。
『Mちゃーん。助けて…』
話すものやっとになっていた。
Mちゃんは私が心を開いている数少ない友達。
『私、死ぬかも知れない。』
ただそう伝えてくる様子に驚きながらも
Mちゃんは、おうちのソファに座らせてくれて
強く抱きしめてくれた。
相変わらず息苦しさは変わらないけども、
〝ほら、こんなに周りにあなたのことを思ってくれてる人はいるんだよ。ありがたいね。〟
そうまた自分の中から聞こえてきた。
娘と同い年の息子さんもその場にいて、心配そうに名前を呼んでくれる。
私はやっとの思いで、口を開く。
『塩水を飲ませて』
息をするのもやっとなのに、水なんて飲めるのかな。
そんな疑問をもちつつも、手が勝手に動き体内に少しずつ塩水を入れてくる。
少しだけ落ち着いた時に浮かんだ。
あの人に連絡しなきゃ。
救急車じゃない。
それは以前に浄霊してくれていた浄霊師さんたち。
震える手。うまく携帯が握れない。
Mちゃんに指示して、かけてもらう。
まず1人。出ない。
また1人。出ない。
もう1人。また出ない。
こんな時、出てもらえないってことはそういう運命なのか。
そう途方に暮れつつも、じっとしていられないので、
リビングをぐるぐる歩き回った。
すると、口が勝手に動き出した。
🙍♂️👻『ぼくと話せる人はいませんか?』
『ただ、成仏したくて…。突然交通事故で死んでしまったもので、どうやっていったらよいのか分からないんです。』
周りの人たちはもちろん、自分も驚く。
勝手に喋らされてる。
🙍♂️👻『たまたま容子さんが通りかかって…容子さんなら成仏させてくれるんじゃないかなってついてきただけなので、すぐ出ていくので安心してください』
驚きつつもMちゃんが質問する。
🙍♀️『どこで亡くなったんですか?』
🙍♂️👻『ガソリンスタンドの近くでひかれたんです。最後に見たのはメットを被ったバイクの後ろ姿で。あ、でも彼のせいではないと思うんですけど…』
『ただ、気掛かりがあって…。ぼく、付き合ってた彼女がいたんです。その人、心配してないかなぁって。』
🙍♀️『彼女さんは同い年だったんですか?』
🙍♂️👻『はい、昔からの知り合いで…でもやっと付き合えたところだったんです。』
『だから、心配で…。』
『…。』
そこまで穏やかに話していた彼は、少し黙り込み。
私の中で、真っ黒な感情がふつふつと
湧き上がってきて、顔も歪むのを感じる。
🙍♂️👻『彼女のところ行っていいですかねぇ…行っちゃおうかなぁ。だってひどいじゃないですかぁ…新しい男にとられちゃうかもしれないしぃ…』
はっきりとさっきまでの
穏やかな男性はどこかに行き
怨念に変わったのを感じた。
男性が真っ黒い感情に変わったその瞬間に
浄霊師さんから電話がかかってくる。
そして、そこから浄霊が始まった。
始まってすぐには
怒りでいっぱいだった男性。しきりに
🙍♂️👻『怖いヨォ、上がりたくないヨォ』
『まだここにいたいんだヨォ』
と叫ぶ。
しかし、説得をされて、
ようやく上がる決心をして大人しくなった。
上がった次の瞬間に、
また違う存在が話し出した。
『ぼくはあの人とは上がりたくないヨォ』
『ふぇーん』
幼い男の子だ。
お母さんを探して迎えにきて貰おう。
と浄霊師さんに言われても拒む。
『お母さん、ぼくをぶつんだ。辞めてって言ってるのにぶつんだ。怖い。嫌だ、来てほしくない。』
『ぼくのこと嫌いなんだ。』





