フロンティア 最新報告 ダークマターの正体 NHK 9/25放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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フロンティア 最新報告 ダークマターの正体 NHK 9/25放送
初回放送2026/3/9

感想
初回放送の時、どうも頭に入らなかったのでレビューは見送り。
今回再放送があったので、何とか頑張ってついて行った。
宇宙に満ちている(と思われている)のに発見出来ないダークマター。この番組では重量の重い素粒子「WIMP」がその正体であるとみなして、話が進められる。
だがWIMPそのものが見つからない事は横に置いて、WIMPが対消滅した結果ガンマ線が増えたとして、WIMPが存在するのだと言っているのが戸谷氏。でもちょっと苦しいよな。
WIMP探しは行き詰まっているとの発信がある→コチラ
果たして真実はどこに?


内容
ナレーション:蒼井優

最も遠くの宇宙を観測出来るジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。


2026年1月に公開された画像。銀河の分布に画像処理を施すと、青い塊が浮かび出る。これこそが、人類が追い続けている謎の重力源。それは暗黒物質。又の名を「ダークマター」と言う。


通常の物質より5倍は多く存在すると言われている。
2025年、一人の日本人が、ダークマターの正体を示唆した。
戸谷友則 東京大学


専門は天文学の理論研究。幼い頃から宇宙に興味があった。
「皆ダークマターには興味を持っている」
2025年、戸谷はダークマターの正体を巡る議論に一石を投じた。

ダークマター 発見の歴史
最初にその存在を指摘したのはフリッツ・ツビッキー。


1933年に、宇宙には目に見えない謎の重力源が存在すると主張。
銀河団の中にある質量が、光っている星の質量より数百倍大きい→星として光っていない物質が存在する。目に見えない物質があるとして、それを「ダークマター」と称した。
当初見向きもされなかった。

アメリカの女性天文学者 ヴェラ・ルービン。


銀河の中における、星の移動速度の研究を行っていた。

星のスペクトルを調べる事で、その速度を割り出した。


例題:音は近寄る時には高音となり、遠ざかる時には低音になる(ドップラー効果)それは光にも当てはまり、近づく時には青い方向、遠ざかる時には赤い方向に色が変わる。


銀河にもそれを当て嵌め、アンドロメダ銀河の中心に近い星も、外縁部の星もほぼ同じ速度で移動している事を見つけた。


例えば太陽系では、太陽から遠ざかるほど重力の影響が減り、公転速度は落ちる。


ルービンの観測が正しければ、外縁の星は遠心力で銀河から飛び出してしまう。

ルービンは、銀河全体を何らかの物が覆っていると結論付けた。

更にその重さは銀河を遥かに上回るとも。

1970年に、ダークマターの存在を示す論文を発表したルービン。

だが猛烈な批判を浴びた。
ルービンは100を超える銀河で実証を続け、同じだと証明した。


こうしてダークマターの存在が認知された。

ハワイ島 マウナケア。すばる望遠鏡(国立天文台)
10年かけて開発されたHSC(Hyper Suprime Cam)


世界最大級のデジタルカメラ。ダークマターの存在を炙り出す。
重力レンズ現象により遠方銀河の像が歪む。それを解析することでダークマターの存在が分かる。観測した銀河は1千万個。


2018年。解析を終え画像を公開。幅10億光年、奥行は80光年。


ダークマターは宇宙に広く分布。

物理理論からのダークマター存在研究がある。
吉田直紀(東京大学)
星や銀河が作られる時、ダークマターは必須。
138億年前に起きたビッグバン。水素、ヘリウム等の軽い原子が散らばり、数億年後に最初の星が生まれた。
シミュレーションでは、ダークマターがないと星は生まれない。


ダークマターの候補 暗い天体
1990年、世界6ケ国26名の観測チームが、重くて暗い星の探索を始めた(MACHOプロジェクト)重力レンズを使った探索。


そして1993年。暗い天体の発見が発表された。暗い星が要因とするなら100個以上の存在が必要だが、13個しか見つからず。
→この考えは支持を失って行った。

ダークマターの正体が素粒子だとの考えが持ち上る
素粒子は宇宙に多く存在。大質量ならダークマターになり得る。

村山斉(物理学者)全ての物質は素粒子に行きつく。
1970年には、あらゆる素粒子のリストが出来上がった。

その中からダークマターの候補を絞り込む。
最後に残ったのはニュートリノ3種。だが質量はあるのか?


その観測施設が岐阜県の「スーパーカミオカンデ」
純水と高性能光センサーの組合せでニュートリノを捕える。
水分子の電子と衝突して発した光を観測。


1998年。ニュートリノに僅かな質量がある事が示された。
だがその中の最も重いものでも、想定の1/100の質量しかない。

未知の素粒子の中で、最も可能性のあるのが「WIMP」
その意味は「弱く相互作用する大質量粒子(Weakly Interacing Massive Particle)」


最も有力な候補として浮上した。

WIMPの観測施設がイタリアの岩盤中にある。
原子核か大きいキセノンの液で満たした容器で、ニュートリノを捕まえる。まだ反応は見られていない。



実験でWIMPを作りだそうとする施設がスイスにある。
CERN(欧州合同原子核研究機構)
地下に埋められた直径9キロの円状の加速器。

光速近くでぶつける事によりWIMPの出現を期待する。



2008年から観測を開始したフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡。


ガンマ線は、電磁波の中で最も強力なもの。


天の川のガンマ線を撮った画像。


戸谷はガンマ線の研究者であり、理論的なガンマ線の量と、観測したガンマ線の量の差に注目した。フェルミの観測の方が、あるエネルギー領域で多かった。
考えられるのはダークマターの対消滅(粒子の衝突で質量がエネルギーに変わる現象)。衝突でガンマ線を放出。


戸谷はWIMPの対消滅の研究を行っていた。
よって、フェルミの観測はWIMPの対消滅を含んでいると判断。
判明しているガンマ線を取り除いた残りが、WIMPの対消滅で発生したものと言える。
対象にしたのは銀河系。バルジと言われる星の密集地域。ただし密集し過ぎの中心部は解析から除外。
1年後の解析結果では、その残った部分は銀河の中心から球状に広がっていた。また、中心に行くほど濃くなっている。


ガンマ線放射の強度について理論値をグラフ化。WIMPが対消滅を起こした時は20ギガ電子ボルトが極大点となる。
これに観測データをあて嵌めると、ほぼ一致した。



2025年11月、戸谷の論文は審査を通り、正式に発表された。


自身の矜持もあり、一人で研究を進めた(戸谷)

村山はその論文を読み、4日で自分の論文を出したと言う。
研究者の疑問は、宇宙初期から対消滅が起きていたなら、のちまで残っているとは考え難い。その点を考慮して書いた。

誕生直後の宇宙では対消滅が少なく、現在の宇宙では頻度が多いと考えた。詳しい解析を付加して、戸谷をあと押しした。

 

村山から戸谷への質問
「どのくらい自信があるんですか?」
戸谷の回答
1年以上かけて解析した自分を信じている。

なぜダークマターの正体を知りたいのか?
ダークマターが重力の作用でいろんなものを集めてくれたおかげて星が出来、銀河が出来て私たちが生まれた。ダークマターはお母さんのようなもの。ぜひこのお母さんに会って、ありがとうと言いたい(村山)