【タジマモリ/常世の国に遣わされた菓子神】

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タジマモリ(田道間守)は、11代垂仁天皇(すいにんてんのう)に仕え、
常世の国に派遣された忠臣として『古事記』『日本書紀』に記されています。
タジマモリは新羅からの渡来人アメノヒボコ(天日槍)の後裔とされ、
三宅連(三宅氏)の祖とされ、生まれについて、
『日本書紀』垂仁天皇3年条では、アメノヒボコの玄孫で、
清彦の子とある一方『古事記』応神天皇段では、
アメノヒボコの玄孫は同じですが
タジマヒナラキ(多遅摩比那良岐/但馬日楢杵)の子とし、
清日子(清彦)は弟とあります。
『古事記』では、時を定めずに香り高い幻の木の実といわれる
「登岐士玖能迦玖能木実(ときじくのかくのこのみ)(橘のこと)」を
探し出すために垂仁天皇の命を受け、
タジマモリは遠くの常世国に遣わされました。
常世国は、現世とあの世を繋ぐ霊界のような場所ともされる秘境ですが、
タジマモリは無事に常世国に着くと、
その幻の実を探し出し、縵八縵(かげやかげ)・矛八矛(ほこやほこ)を持って帰ってきました。
しかし、その間に垂仁天皇は崩御していたため、
縵四縵(かげよかげ)・矛四矛(ほこよほこ)を分けて大后に献上し、
もう縵四縵・矛四矛を天皇の眠る陵の入り口に供え置いて泣き叫けび、
その末に遂に死んでしまいました。
亡くなったタジマモリは垂仁天皇陵(宝来山古墳)の
墳丘南東の周濠内に葬られ、今も垂仁天皇の側に仕えています。
この墓は12代景行天皇の時代に、タジマモリの忠臣としての
誉れを称え偲んで造営されたものだと言われています。
登岐士玖能迦玖能木実とされるタチバナは、
植物の名前であると同時に大王家の宮殿があった
大和国高市郡の橘とも関わりがあり、タジマモリの説話は、
この橘の宮殿にて仕えた但馬の三宅連の祖先の説話ともされます。
果物や薬草を求めて異界に行く話は世界各地に伝わりますが、
このタジマモリの話には、秦の始皇帝の命を受けた徐福が、
東の蓬萊にあるとされる不老不死の薬を求め旅に出る伝説などに
見られる大陸の神仙思想の影響が指摘されています。
タジマモリは、その忠臣としての描写はもちろん、
常世国にて登岐士玖能迦玖能木実を得たという栄誉を以て、
現在は菓子の神・菓祖としても信仰されることとなりました。
なお、菓子は当時“果子”とされた橘(みかんの原種)を指すことから、
タジマモリはみかんの神様、果物の神としても知られ、
お菓子業者、菓子職人、みかん農家から信仰されています。
【タジマモリを祀る神社】
中嶋神社(兵庫県豊岡市)
太宰府天満宮境内社中島神社(福岡県太宰府市)
吉田神社(京都府京都市)
伊萬里神社境内社中嶋神社(佐賀県伊万里市)
など全国各地の神社。
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