【大魚神社(おおうおじんじゃ)】 | 八百万の神の浮世絵師 持田大輔

八百万の神の浮世絵師 持田大輔

日本最古の歴史書『古事記』を題材に絵を描き活動しています。
八百万の神々が織りなす天地創造、天岩戸伝説など神様の喜怒哀楽が記された神話を少しでも多くの方に知って頂きたいと思います。

【大魚神社(おおうおじんじゃ)】(佐賀県藤津郡太良町)

 


@art.mochida.daisuke
この神社のある佐賀県藤津郡太良町の有明海は、全国屈指の干満の差があり、

 

満潮時の鳥居は半分ほど海につかります。


海中鳥居は厳島神社の大鳥居が有名で、優美さや壮大さには厳島神社の

 

大鳥居に軍配が上がるでしょうが、大魚神社の鳥居の形状も独特で趣があり、

 

三つ連なっている配置など面白みが感じられますね。

 

三つ並んだ一番沖の鳥居には、お賽銭箱も設置されていて干潮時に歩いてお参りできます。


全国に海中鳥居はいくつかありますが、海や湖に佇む鳥居は個人的に惹かれる情景です。

大魚神社は社伝によると300年前に建立されてたと云われ、割と新しい神社ですが、

 

神秘的な海中鳥居の風景は九州内では徐々に知名度を得てきていますね。

なんでもこの地域の人々が悪い庄屋を懲らしめるために有明海の沖ノ島に

 

一人取り残してきたところ、大きな魚(ナミノウオ)が現れてこの庄屋を助けたそうです。

 

これに感激を受けた庄屋が助けてくれた大魚を丁重にお祀りするために

 

大魚神社を建て、海運守護、大漁祈願などの御神徳があるとされます。

 

そして、大魚をお祀りするようになって地元の暮らしぶりも豊かになったとも。

この鳥居は沖ノ島との間に建てられていて、30年ごとに建て替えを行う風習が現代にも受け継がれています。


沖ノ島というと、宗像大社の沖ノ島を思い浮かべてしまいますが、有明海の沖ノ島は

 

満潮時には水面下に没する岩礁で、男島、女島の二つの岩礁からなる小さな島です。

 

女人禁制の島で女性は上陸できない点は同じですね。

有明海の沖ノ島には色々と伝承が残っている島です。

 

その一つが御髪神の逸話で『昔、島にいた神が自分の髪を剃って海に投げ込んだところ

 

髪は流れずにそのまま島になった』という伝説があり、別名「御髪島」と呼ばれています。

 

沖ノ島は古来より有明海を航行する船舶の目標物となっていたため、沖ノ島を祭神とし、

 

海上安全や大漁を祈願する御髪信仰が生まれたと見られています。

 

御髪信仰は有明海沿岸一帯に広がっていて、久保田町久富の御髪社、

 

早津江志賀神社境内の御髪大明神石祠、鹿島市飯田戸口神社の御髪大明神記念碑、

 

大詫間のオンガンサンとよばれる神屋敷など各地で見ることが出来る。

 

一般には「オンガンサン」などと呼ばれています。

しかし、御髪神がどのような神なのかはあまりはっきり分かりません。

 

沿岸の七浦地区ではナマズを神使として食べることを禁忌とする風習があることから、

 

同じくナマズを神使とするトヨタマヒメや弁才天とする説もあり、鮫の姿に戻って子供を

 

産んだトヨタマヒメが、前述の庄屋を助けた大魚(ナミノウオ)なのかもしれませんね。


だとすると大魚神社の御祭神はトヨタマヒメ?


ただ「ナミノウオ」は「スナメリ」の事なので「鮫」ではないのですが、庄屋が

 

「山幸彦海幸彦伝承」に関係する一族であれば面白いです。


こうした考察(妄想)をするのも神社巡りの醍醐味でしょうし、有明の海を一望するこの地は、

 

昔から海神を篤くお祀りしてきたはずです。


日本最大の干潟を持つ有明海の干満の動きを見ていると、

 

偉大な自然の力を深く感じさせてくれます。
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