同僚の初恋が終わった。
たった3週間足らずの恋愛だった。
2年間ずっと好きだった彼から、メールで別れを告げられた。
同僚は努めて明るく働いている。
泣いたりもしない。
当たり前かもしれないが、私はイギリスで働いて20年の間、失恋したから早退、泣いてトイレに籠るが給料は欲しいから絶対帰らない、又は失恋したから会社に来ない同僚を何人見てきたか知れない中、仕事はいつも通り出来る彼女は強いから大丈夫だと感じた。
同僚から「元気?とメールしたいんやけど、どう思う?」かと聞かれた。
「止めとき」と私は答えた。
「こっちからメールも電話も会いにも行ったらあかん」と伝えた。
それで無視されたら、今より更に現実を叩きつけられる。
ならば一切を絶ちきる事の方が前に進める。
10年後、これは過去の話となり、きっと「あの男、メールで別れ話してきた最低野郎」と言える日が来る。
今は必ず過去となり、あんな事で泣いたんかと笑える日が来る。
おばはんの言う事に間違いない。
私は20年前、いつか英語が分かる日が来るのか、友達ができる日が来るのかと、暗いだけの長いトンネルの入り口から先に進めずにいた。
このまま飛行機に乗って日本に帰れば、私は明日からまた笑って暮らせるのなら、誰を傷付けようとも自分勝手に生きて何が悪いのか…そう迷いながら実行できなかった。
気が付いたら20年、まあそれなりになったなと言える。
あの時、イギリスを捨てて日本に戻っていたとして、また別の形で私には試練があったはず。
目の前の試練に耐えたら、将来めちゃめちゃ強気なババアになれますよと、同僚に教えてあげたい。
失恋も経験。
生きるは修行なり。
