ここに住み、18年程仲良くしている夫婦がいる。 私たちよりは遥かに年上のおしどり夫婦。 とにかく仲良しのご夫婦で、私も随分と助けてもらったり、頂き物をしたりした。 今の家に越してから頻繁に会わなくなったものの、バッタリスーパーや車道で隣り合わせになったりして、互いの元気を確認しあえていた。 半年前に夫が買い物中、その夫婦のご主人とバッタリ会ったときに、奥さんが脳梗塞で入院したと聞いた。 退院してしばらくしたら見舞いに行きたいね、なんて話していたら、また別のスーパーで夫は再びご主人に会う。 その時、ご主人が奥さんが退院してはきたが、人格がガラリと変わってしまい、見舞いに来てくれても多分喜びはしないと思うと言った。 僕と一緒にいたくないと言い出し、妹さんが暮らす海沿いの町へしばらく静養に出たいと言うから、それがよいかもねと話しているという内容だった。 それからしばらくして、夫は再びご主人に会う。 「奥さん、どうですか?」と聞いたら、「出ていった」 と言った。 海沿いの町で療養していた時に出会った男性と暮らしたいから、離婚してくれと言ってきたそう。 その頃、2人目の孫も生まれたばかりだった。 孫を溺愛していた奥さんが、「何もかも捨ててかまわない」と、家に再び戻ること無く、2度と孫を見に来るでもなく、そのまま戻らず今に至る。 ご主人は担当医に相談。 医師は「奥さんの場合、レントゲン上は脳に損傷はなかったから、後遺症もないだろうという診断ではあるけど、脳梗塞を起こした患者の人格が変わってしまった症例は決して珍しくない」と言われ、家族が出来るだけ奥さんを理解してあげるしかない、と言われたそう。 この9月からお孫さんは小学校に入る。 先日、娘さんとスーパーで会った時に「お母さんは、孫の小学校の送り迎えは私がやりたい、ケーキも一緒に作りたい」と楽しみにしていたのに、もうそんな事はどうでもよくなって、男性に夢中なのが悔しくて悲しくて…と言った。 後遺症のせいで家族はバラバラになった。 お母さんのせいではないと、医師から説明されたが、受け入れられないまま今の生活を進める家族にとっては、辛いだろうなと思う。 夫婦の娘さんは2人目を出産し離婚。 今は実家で暮らしているそう。 その方がお父さんも寂しくないだろうから、と言った。 いつかお母さんが戻ってくるのを待っている。 人気ブログランキングへ