私のいる職場には、店の最高責任者であるマネージャーがいない。
姉妹店のマネージャーが兼用してくれている状態にある。
去年末まで私のかつての同僚がマネージャーだったが、産休で長期休暇を取り結局は退職した。
以後、不在のまま姉妹店のマネージャーがたまに来るだけである。

このマネージャーが、物凄いインパクトのある人で、仕事はめちゃくちゃ出来るから私は好きであるが、この人により泣く女性スタッフはかなり多い。
私は仕事能力を買われ、かなり優遇して貰っている。
仕事が出来る人間にはめちゃくちゃ尊敬を抱いて丁重に扱ってくれるから、私は公平性があって好きである。

先日、この人と早朝から仕事だった。
フロアの配置換え。
「クリスマスは何を食べるの?」と聞かれたから、私は「私はイギリスに来てから初めてクリスマスディナーを食べる習慣となったので、正直七面鳥は好きでもないし、何を食べねば!みたいな決まりはない。ただ家族はイギリス育ちやから、まあそれなりに作ってはいます」と返答。

マネージャーは「私3年前からベジタリアンになったのよ」と言った。
マネージャーとうちの家は近い場所にある。
うちの家の前から果てしない牧場が広がり、その果てしない牧場の先にある住宅地にマネージャーは一人暮らしである。
マネージャーの家の裏庭から果てしない牧場が見えるのであるが、その家を買ったのが3年前。
移り行く季節の中で牧場にいる牛や羊を見ているうち、子羊の愛らしさ、それに寄り添う母羊、しかしある日子羊はいなくなる…そうか!ラム肉はあの子達なのか!じゃあ、私は酷いじゃない。酷い人間じゃない!どうして、そんな酷い事が出来ようか…気の毒だわ…あの子達が気の毒すぎる…と思うようになった。

それから肉が一切食べたくなくなったのだと話したマネージャー。
私に「ねえ、知ってる?どうやって動物が殺されるか知ってる?ここに銃を当てられてね…」と怖い顔で見せてきた。
フロアの衣類を移動しながら、屠殺の話をしてくるこの人を私はたまらなくオモシロいと思えるが、こういうデリカシーの無い部分が苦手と言うスタッフはとことん、この人と合わない。

マネージャーは4年前に見た魚漁のドキュメンタリー番組の話もした。
「絶対に見てほしい。グロテスクかつ人間のおぞましさを見て魚が食べれなくなるわよ」
と言った。
私は笑ってしまった。
何で見やなアカンねん…

野菜も命がある。
が、血が流れないという違いからであろうか、野菜は可哀想とはならない。
しかし、あの屠殺の説明をしていた時のマネージャーの顔が、一番のトラウマになる。
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