毎年、夏にサーカスが来る。
カーライル市民にとって、本当にこれしか夏のイベントがない。
3日で終わるサーカスも、小さいながら子供にとっては異次元のエンターテイメントである。

町中にある城の横の広場に設置された、手作り感溢れるサーカスのテント。
その横にはサーカス団員が寝泊まりするキャンピングカーが数台と、寝泊まりテントが設営されている。

入口でチケットを確認する人、始まる前にポップコーンを売る人も、皆サーカスに出てくる演者で、何とも味がある。

子供の頃、夏休みは必ず家族旅行に行った。
1泊2日だけであったが、今尚記憶している。
両親は自営業で店は忙しく、店が休みの日も父は講師をしていたから学校に行ったり審査員としていなかったり、母は美容の全国大会に出場するのに講習に出かけ、とにかく休みを共に過ごすなど日曜日さえなかったから、一緒に公園に行ったなどの記憶は全くない。

そんな中、私が小学5年の時に母が突然「アイススケート見に行く?」と言った。
よく分からず行ったら、それは大阪城ホールにて開催された、ディズニーの「Magic Kibgdam on Ice」というアイススケートショーだった。

入口付近でグッズが売られていたのであるが、母は「好きなん買って良いよ」と言った。
私は3500円する黒いミッキーマウスのTシャツを買ってもらった。
当時の3500円は、Tシャツにしては高い。
私は躊躇した。
母は買ってくれたのだけれど、私は申し訳ない気持ちと、なぜ母がこんな特別な事をしてくれるのかと、ただただ嬉しく驚きもした。
ちなみに今なお、私は夏のパジャマとして、そのTシャツを着ている。

そしてもう1つ、母が私と兄を連れていってくれたのがサーカスである。
場所は難波だったように記憶している。
空中ブランコと球体の中で走るバイクが今尚記憶にあり、私は今回、我が子とサーカスに行った事で、母が忙しいながらに私達に何かしようとしてくれた気持ちがわかった。

カーライルのは、私が見た木下大サーカスとは規模は勿論違う。
空中ブランコもないし、綱渡り綱渡りでない。
しかし球体のバイクは圧巻。
子供にとって、それは規模の大小ではない。
私は少し難しくなりつつある娘の横顔を見て、感動している顔に感動した。

サーカス団員は実に世界中から集まっていて、中国やメキシコ、イランやスペインから来た人達だった。
ピエロ役の二人はスペイン語しか話さないピエロで、しかし場内は爆笑だった。
娘は「来てよかった」と言った。

今年のカーライルの夏も本当に寒い。
サーカスは昼間だったが、半分の人は薄手ダウンを着ていた。
雨ばかりの夏、冷える夏であるが、サーカスに感謝である。
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