3年程前、知人の娘さんがフランスに留学したと聞いた。
お父様は、代々続くお医者様家系で、いわゆる裕福な家庭のお嬢様である。

特にフランス語を勉強したかったわけではなく、大学を終えた後、英語かイタリア語かフランス語でも習得しようか・・・となり、フランスを選んだ。
当時は、イギリスに行かせようか、オーストラリアか、アメリカか・・・とお父様が悩まれていたため、相談に何度かお答えした事があったのである。

結局、大学の卒業旅行で行ったフランスを選択。
その後、お父様ともお話はしていない。

先日、共通の友人からお嬢様の近況をたまたま聞いた。
結局、最初の1年だけ真面目に語学学校に通い、その後は酒と薬物におぼれ、学校は退学。暮らしていたアパートからも放り出されたと聞いた。

これまで真面目に来たお嬢様は、自由な時間と外国という開放感から、堕ちてしまったのであろうか・・
こういう留学生は、少なからず実在するから悲しくなる。

私が大学に入ったばかりの頃の事。
たまたま後ろの席だったMちゃんと仲良くなった。

彼女の祖母とお母様は、「日舞」の世界では、まあまあ名のある方で、本人も日舞・茶道・華道・書道を幼い頃からやっていた。
大学に入ってからは、念願のアルバイトも週1回だけ許された。

ある日、「パーコン」に誘った。
「パーコン」とは、パーティコンパの略で当時は呼ばれていた。
要は、出会いを求める大学生達が何百人と集まり、クラブで馬鹿騒ぎして飲み・踊り、出会いを求める場である。

私の友人の彼氏がこれを主催していて、「チケットを半額で買ってくれ」と頼まれたため、Mちゃんも誘ってみたのである。千円で食べ放題・飲み放題だったため、「行く」と言った女子は多かった。

Mちゃんにしてみれば、クラブもナンパも酒も初めてであった。
下心丸見えにも関わらず、男が自分を褒めちぎる。
何て心地よいのか・・・多分、Mちゃんは感動に近い気持ちだったと思う。

そこでMちゃんは、大学5年(遊びすぎて留年していた)の男に捕まった。
無知で純粋なMちゃんは、こんな男に瞬く間に恋をした。
ウサン臭っ!!(大阪弁)これが、この男に対する私の第一印象である。

関西出身ではないのに、無理に関西弁を使う妙なズレのある関西弁が、私の耳に障って仕方ない。
オチもない話を、最後は「なんでやねーん!!」と付け加えれば、全てが関西弁のオチのある話になると思っていた、全く持ってオモロセンスのカケラもない男であった。

安っぽさ丸出しのホストクラブに勤めていた男は、Mちゃんがお嬢様であると知ると、「今月の売り上げを助けてくれ。頼めるのはお前しかいない」と泣きついて、Mちゃんは店に通うようになった。

男が店で着るスーツやネクタイ、カバンもエルメスで買わされるハメになった。
この男に貢ぐため、親に内緒で水商売のバイトを週6日始めた。
結果、大学にもほとんど来なくなったMちゃん。

4ヶ月ほど大学に来なかったが、ある日来たことがあった。
それまでブランドのカバンにスーツで大学に来ていたMちゃんは、ジャージ姿にキャップをかぶり、目の下は病的な黒さのクマが出来ていた。

言う事も支離滅裂。
顔色も、人間の血色からかけ離れたチョコレート色になっていた。
薬物か?と思う節も多々あり、結局、意味不明に授業の途中で「呼び出しがあったから」と言い、帰って行った。

今思えば、水商売を通り越し、風俗で働いていたのかも知れない。
以後、彼女を見ることはなかった。
教授に聞いたら「退学届けは出ていない」との事だったから、結局あの後どうなったのか不明のままである。

彼女が堕ちるまで、私は彼女とほぼ毎日を過ごした。
あのまま社会人に共に慣れていたら、今も友人として楽しく交流していたと思うと、アホ男と無理にでも別れさせるべきだったのか・・と無念に思う反面、付き合いを反対すれば、どのみち友人関係は壊れていたのかも知れないとも思う。

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