大湾節子さんの著書『幻の旅路』の

「第3章 1980年、第三回目の旅」
9月15日~11月25日 71日間 七ヶ国
イギリス→オランダ→フランス→スペイン→モナコ

→イタリア→ギリシャ→イタリア→モナコ→

フランス→オランダ→フランス→イギリス
の読後感の続きです。

幻の旅路

本書からの引用はブログの引用機能を使って表記します。

なお、引用文中、(略)はブログ筆者による省略です。

 

私の読後感を大湾さんがご自身のブログ「『幻の旅路』大湾節子のブログ」に、カラー写真を添えて転載してくださいました。添えられた写真によって、ご著書のイメージが膨らみます。

大湾さんのブログはこちらです。

 

 

104頁

スペインの夜行列車

10月4日 ボルドー→マドリード

 

大湾さんはボルドーでマドリード行きの夜行列車に乗り換えます。

 

一等列車は六人掛けの小室に分かれていて、その中の一室にいるのだが先ほどから寒さに震えて声も出ない。寒い。ひどく寒い。

(略)

朝方になったらさらに気温が下がって、真冬の夜空の下で野宿でもしているかのようだ。

 

一等列車というのに暖房がなかったのでしょうか。それとも、暖房が効かないほど、スペインの夜は寒くなるのでしょうか。一等列車でこうなのですから、二等列車に乗る人たちは、さらに寒い思いをしたのでしょうね。

 

凍える大湾さんを見かねて、職業軍人の男性が厚手のセーターを貸してくれました。「地獄に仏」とは、このことですね。

 

地獄で仏(ほとけ)に会ったよう

非常な危難にあったり、大変困ったりしている時などに思いがけない助けに会った喜びをたとえていう。地獄の地蔵。

Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988

 

驚いたことに、彼の使う英語の単語は日本の中学の一、二年で習うきわめて簡単な単語ばかりなのだが、それらを上手に使って、自分の考えを理路整然と無駄なく相手に伝えてくる。

 

私が中学生のときに英語を教わっていた先生から聞いた話を思い出しました。

国際会議で、英語でスピーチをしなければならなくなった老教授が、英語学校で特訓を受けた、という話です。

英語学校の先生が老教授に渡したのは、中1・中2・中3の英語の教科書で、英語学校の先生は、3冊の中学英語の教科書を何度も何度も音読して、教科書を丸ごと覚えなさい、と指示したそうです。そして、3か月後、老教授は見事にスピーチをやり遂げた、とのこと。

中学生だった私はこの話を聞いて、basic English に、強い興味を持ちました。

 

106頁

初めてのスペイン

10月5日 マドリード

 

さて、そこから地下鉄の改札口に出るまで歩くこと歩くこと、とにかく延々と歩く。

 

1987(昭和62)年の8月、 県教委の試験に合格した私は、兵庫教育大学大学院の試験を受けに、試験当日の2日前、総武本線の特急しおさいで東京駅まで、東京駅から新大阪駅まで新幹線、新大阪駅から中国ハイウェイバスで滝野社たきのやしろインター下車、そこから予約しておいた旅館へ、という、生まれて初めての長距離一人旅を敢行しました。

実に大袈裟な表現かと思われるかもしれませんが、家庭訪問中に迷子になるほどの方向音痴の私ですから、本当に、筆舌に尽くしがたいほど大変な思いをしたのです。

所属校の上司にも「(素人学者)さんは、試験には合格するだろう。しかし、試験会場まで辿り着けるかどうかが、とても心配だ」と言われました。それが現実になってしまいました・・・。

試験よりも、旅館に辿り着くまでが数倍困難であった、と、今でも思います。

 

第一関門は、東京駅で、総武本線の地下ホームから新幹線ホームへと辿り着くことでした。所属校の事務長さんが、旅券など何から何まで手配してくれて、時刻表と乗り場までを克明に記したメモをくれました。メモと駅のホームの表示板を交互に睨めっこしながら、新幹線乗り場と乗るべき号車を捜しました。

第二関門は、新大阪駅で新幹線を降りた後、中国ハイウェイバスの乗り場を捜すことでした。大湾さんが地下鉄の改札口に出るまでの大変さが身に染みて分かりました。

第三関門で大事件が勃発しました。

滝野社インターでバスを下車してから旅館までは徒歩15分とのメモでしたが、そのとき、私は、「徒歩」という文字を見逃してしまい、今思い出すと不思議でなりませんが、「あと15分バスに乗る」と思ってしまったのです。

そうこうするうちに、バスが来てしまい、乗ってしまったのです。気がついたら、終点の三ノ宮駅でした。加東郡社町と神戸の違いにはさすがに気づき、パニック状態で公衆電話から旅館に電話し、2時間遅れで宿に到着した次第です。

※30年近く前の話なので、地名などは現在と異なっていると思われます。

 

107頁

マドリードで見た岸恵子さんの写真

 

大湾さんは、マドリードの裏通りにある小さな文房具屋のショーウィンドウに、白い小さな額の中に若い頃の岸恵子さんの写真を見つけました。

 

日本の女優さんはどうして歳をとらないのだろうと感心した。

 

私は、芸能人や芸能界のことはさっぱりわかりませんし、女性の美容のことなどこれまでの人生で考えたこともありませんが、想像するに、女優さんなどは、美貌を保つために、人知れず、 相当な苦労をしているに違いない、と、思っています。

私には、20代の頃からずっと憧れを抱いている外国人の女優さんが二人います。

ジュリー・アンドリュースとオードリー・ヘプバーンです。

 

 

(つづく)