決して主役にはなり得ないけれど、毎日の食卓に色添えとして登場する食材といえば、
かいわれ大根
今日・9月18日は、この『かいわれ大根の日』なのだそうな。
日本かいわれ協会が、かいわれ大根の普及・アピールを目的として1986年9月に記念日制定の会合を開き、〝8〟を横にして〝1〟を立てるとかいわれの形に似ていることから、18日を記念日にしたとのこと。
双葉2枚貝の殻を開いたような形をしていることから「貝割れ大根」と呼ばれるようになった・・・というのが通説のようです。
現在では手軽な価格のスプラウト食品として出回っているかいわれ大根ですが、平安時代は貴族の間で食されていた高級品だったそうで、ヒョロい形状ながら栄養も豊富・・・カルシウム・ビタミンC・鉄分・食物繊維を豊富に含んだ優良食材。
しかし私は、サラダ等の中にかいわれ大根を見つけるたび、どうしてもあの出来事が頭をよぎるのです。
それは、今から30年近く前の1996(平成8)年に大阪府堺市で起きた、〝O-157事件〟。
同年7月13日、堺市内の小学生が食中毒症状を起こしたという情報が多数寄せられ、翌日被害者の検便から大腸菌O-157を検出。
その後も被害者が増加の一途を辿り、最終的に小学生・教職員ら約8,000人が罹患、3名の死亡者を出すに至りました。
そして8月に入り、厚生省が同事件の中間報告で「学校給食で出されたかいわれ大根が疑わしい」と発表。
これをマスコミが一斉に報道したことによって、世間は半ばパニック状態。
残念ながら、この2年前に起きた『松本サリン事件』の過熱報道の教訓は、殆ど生かされませんでした。
かいわれ大根は小売店・スーパーの棚から全て撤去され、返品・注文キャンセルの山に見舞われて倒産・廃業する生産業者が続出・・・自殺者まで出てしまいました。
その当時あたかも主犯の如く扱われ、マスコミの取材攻勢に晒された 「M農園」の若き2代目(副社長)が、必死に事実無根と窮状を訴えていた姿が忘れられません。
その後の調査では、かいわれ大根から病原菌は検出されず、結局発生原因は特定されぬまま事件はウヤムヤに。
慌てて当時の厚生大臣だった菅直人・元総理がボウルいっぱいのかいわれ大根にむしゃぶりつくという〝有り得ない食べ方〟でのパフォーマンスを行ったのです。
その菅氏がかつて総理になった際、そのパフォーマンスの部分だけがマスメディアで放映されましたが、それ以前に確たる根拠もないままかいわれ大根が犯人であるかのような発表を行ったのも菅氏本人であり、それを煽ったのもマスメディア。
「喉元過ぎれば何とやら」ではないですが、あらためて政治家やマスコミの無責任・いい加減さが思い起こさせます。
唯一の救いは、M農園や業界団体が国を相手取って損害賠償を求めた裁判で勝訴したことと、同社がこの事件をバネにして現在でも逞しく商売を続けていらっしゃること。
M農園 が見舞われた非劇を繰り返さないためにも、私たちはマスコミ報道を鵜呑みにせず、常に冷静な判断と行動をしなければなりません。😨


