石井万寿美  まねき猫ホスピタル 食事療法  がん 丸山ワクチン 高濃度ビタミンンC点滴 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

PFAS(ピーファス)とは、耳なられない言葉ですが、
**Per- and Polyfluoroalkyl Substances(有機フッ素化合物)**の総称です。

日本では「有機フッ素化合物」や「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」と呼ばれることもあります。


■ どんな物質?

PFASは、炭素とフッ素が非常に強く結合した人工化学物質のグループで、
水や油をはじく性質を持っています。

そのため、

  • フライパンのテフロン加工

  • 防水スプレー

  • 食品包装紙

  • 消火剤

  • 半導体製造

などに使われてきました。


■ なぜ問題になっているの?

PFASは

✔ 分解されにくい
✔ 環境中に長く残る
✔ 体内にも蓄積しやすい

という特徴があります。

代表的なものに

  • PFOA(ペルフルオロオクタン酸)

  • PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)

があります。

これらは一部の研究で、

  • コレステロール値の上昇

  • 免疫機能への影響

  • 発がんリスクとの関連

などが指摘されています。


■ 日本では?

日本でも河川や地下水からPFASが検出され、社会問題になっています。
特に米軍基地周辺での検出が報道され、関心が高まりました。

現在は、PFOAやPFOSの製造・使用は国際的に規制されています。


■ まとめ

PFASとは

水や油をはじく便利な人工化学物質
しかし「分解されにくく、体や環境に残る」ため問題視されている

 

PFASがペット(イヌ・ネコ)に与える影響について、現在わかっていることを整理します。


■ PFASは動物の体にも入るの?

はい。

PFAS(代表例:PFOAPFOS)は

  • 水道水

  • 食品

  • ハウスダスト

などを通じて体内に取り込まれます。

イヌやネコは
✔ 床に近い生活
✔ グルーミング(特にネコ)
✔ 同じフードを長期摂取

 

という特徴があり、慢性的に曝露しやすいと考えられています。


■ 動物で報告されている影響

研究(主に実験動物)では:

① 肝臓への影響

・肝酵素上昇
・脂肪肝様変化

② 免疫系への影響

・ワクチン反応の低下

③ ホルモン系への影響

・甲状腺ホルモンの変動

特にネコは甲状腺機能亢進症が多い動物種であり、
環境化学物質との関連が疑われた研究もあります。


■ がんとの関係は?

ヒトでは腎がんや精巣がんとの関連が議論されていますが、
犬猫での明確な疫学データはまだ不足しています。

ただし、PFASは

  • 分解されにくい

  • 体内に蓄積する

という性質から、長期影響の可能性は否定できません。


■ 飼い主さんができる対策

現実的には:

✔ 浄水器の活用(活性炭タイプ)
✔ 防水スプレーの室内使用を避ける
✔ フード保存容器をプラスチックからガラスへ
✔ ハウスダスト対策(こまめな掃除)

などが現実的です。

 

ペットフードを選ぶときも、原材料をよく見て選んでくださいね。