素晴らしい芸術に触れると、自分の感受性が弱っていたことに気づく | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

フィレンツェ在住26年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

日本の皆様


おはようございます。



忙しいウィークデーを乗り越え、花金の夕方にたどり着く。


体は疲労していても、

やった感いっぱいの金曜日の晩は開放的な気分。


主人が長女の誕生日プレゼントとして用意してくれたバレエ鑑賞の前に、長女と待ち合わせをしてアペリティーボをする。


フィレンツェのマッジョムジカーレ劇場(フィレンツェ歌劇場)近辺で軽くつまんで向かおうと思い、色々考えたが、カクテルが飲めてオシャレな雰囲気を長女は喜ぶかな?と思い、

Gamberini


に決定。


昔はかなりリーズナブルな価格でこのアペリができたのだが、コロナを経てビュッフェ形式のアペリがなくなった今、

競争相手もなくなり価格引き上げとなったのか、


カクテルが一杯12から15ユーロ。そこにこのおつまみがついてくるというシステムになった。

それでも、アペリの雰囲気を楽しめるので、良い。



長女は日本酒ベースのカクテルを選ぶ。柚子風味だった。


私は久しぶりにシャンパンベース、桃のカクテル

ベッリーニ。


一週間の仕事の後、ネグローニなど頼んでしまうと、

劇場で船を漕いでは元も子もなくなるので、ちょっと理性を働かせて、

軽めのカクテルにした。


長女とカクテルを飲んでおしゃべりする不思議な時間を味わう。


イタリアでは18歳から飲酒可能。

まだ高校生だけれど、一緒に飲めるのが嬉しい。


日頃は、勉強に追われていて、家でもろくに長話できない状態なので、なんとも貴重な時間だった。



この日、観劇したのはモナコ公国バレエ団による白鳥の湖。


白鳥の湖といえば、長女がバレエを習い始めた頃に一緒に行った古典バレエ定番中の定番。

最初、演目だけ聞かされた時には、

コンテンポラリー好きの私としては

「うーん」

とそこまで食指が伸びなかった。


なので、全く前もってバレエ団や振付家などをチェックすることなく当日へ。


フィレンツェ市内にもいくつかの劇場があるが、フィレンツェ歌劇場で催されるバレエならば、質の高さには間違いはない。

こんなふうに考えていたので予備知識はなくても、確実にある程度のクオリティのあるものが見られると、それぐらいの感覚で行った。




フィレンツェ歌劇場のオケとのバレエ公演なので、臨場感も更に高まる。



プラテア席からは、このように舞台下で演奏するオケの様子を幕間に見ることができる。





開幕してまず映像シーンからのスタートで驚く。

バレリーナたちの奥に映画のようにスクリーンに映し出される幼き日のオデットとジークフリートの様子。そこへ現れる悪魔。
王様お妃様は仮面をつけていて、お妃様の仮面がまるでウルトラマンタローのようで、私は思わず一人で、ぷぷっと吹き出していた。

その後始まる舞台はいわゆる古典的な白鳥の湖とは大違いで、

斬新な振り付けに心惹かれる。

振付家は

演劇的、映画的とも言える振付が多かった。

その分バレエ好きの人は物足りなく感じるところもあるのかもしれないが、バレリーナの度量だけのバレエ団よりも私はこちらのタイプを好む。

伝統の踏襲よりも、古典の素晴らしさも理解しつつ、変化することへの挑戦がある方が面白い。

悪魔役だった日本人バレリーナ
小池ミモザ


の演技にも喝采が上がっていた。





オペラの国イタリアでのバレエ公演は簡単ではないと思う。

だから、古典的なものしかやってこないと思うのだが、
今回の斬新な試みには心躍った。

この日も、
若き日に自分が好きだったものを

思い出させてくれる良い機会となった。

そうそう、私はこういうものが好きだったんだな!
と。

ファッションでもアートでも、文学でも、

的にドーンと当たった時に気づく自分の原点。


感受性が鈍っている最近の私に水をぶっかけてくれる観劇、
大切です!

こういった機会を作ってくれた主人、

そして一緒に行ってくれた長女にも
感謝。

芸術も文学も、余暇のカテゴリーに枠づけされるのかもしれないけれど、

感受性を刺激する余暇は、私の場合自分の制作へと直結している。


こちらが欠如すると、マーケティングとか、消費者の立場に偏りがちになり、

本来の自分を忘れてしまいがちになる。

もちろんこれも重要だけれど、何事もバランスを保ちつつ進む方が良い気がする。



こうして自分の原点に回帰すると、何よりも幸福感に包まれる。

そして気がつく。

ああ、ちょっとこういうことから離れていたな!と。

また美しいものに触れていく欲求を掻き立てられ、気持ちが上がる。

劇場からの帰り道は長女との会話を楽しむ。

友人関係の悩みを聞き、

勉強の合間に弾きたいピアノの曲などにも話は広がり、

彼女にとっても、頭の中の風通しを良くする夕べとなったのだなと
実感する。

私は相変わらずパッヘルベルのカノン。

長女はショスタコビッチのワルツを忙しい日々の合間に練習して弾けることを目標に、過ごす。

テニスに偏りがち私も、もっとピアノに触りたくなってきた。

この欲望が高まっている瞬間を見逃さず、追求していくことで、


最高の余暇、暇つぶしの達人になれそうである。

毎日が仕事に追われているからこそ、一時間の密度を濃くして
余暇時間を捻出して行こう!


ギルランダ 短冊ペンダント 925シルバー ジルコニア 西洋彫り


それでは、今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪




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