実は、主人もげんなりとなる事態に直面していた。
広場を囲む駐車スペースに停めていた車を動かしに行ってみると、
タイヤがナイフで裂かれていた。
ただわが家の車だけでなく、そこに停められていた40台あまりのタイヤが
ひどい車は二個も切り裂かれていたという。
イタリアの中心地は居住区に合わせて、駐車場所が決まっている。
通常二週間、或いは1ヶ月に一回の割合で道路清掃が行われ、
その曜日を間違えて置いたままにすると、駐車違反となる。
レッカーで移動されていることもある。
今回のロックダウン(レッドゾーン)の時も、基本住宅兼から離れる移動は禁止だったので、
道路清掃日も、移動する必要はなかった。
わが家も置きっぱなしだったのだが、
そういう車が多い中、解除後行ってみると、
無残にもタイヤを切られていた訳である。
明らかに誰かを狙った行為ではなく、今の現実への憤りが起こした犯罪だろう。
一般市民はこのいわゆる路上駐車が主流で、フィレンツェ歴史地区に駐車場を持っている人は、かなりの富裕層だろう。
わが家は一時、借りていた時期があったが、やっぱり一言で言って高かった。
なので、憤りをぶつけられるのも、今のコロナ禍のもと、なんとかかんとかやっている人々なのだが、
今回のコロナでは車どころか住むところまで奪われる人々が出てきているのだから、
自分よりもマシな状態に見える人に矛先が向かっているのかもしれない。
主人は結局レッカー車を手配して、修理工場まで運んでもらったという。
そんな中、この広場の脇の道路は、タイヤ交換を必要とする車でいっぱいになり、
レッカー車と修理車が接触事故を起こし、てんやわんやの様子だったという。
「典型的なイタリアのお笑い映画のワンシーンみたいだった。」
と主人は笑っていた。
きっとそれ見て、さらにイラついていた人もいるだろうのに、主人はなんて大らかだなぁと思いつつ、
イタリアだったら笑う方が多いのかも!
という思いもよぎる。
どんな時でも、笑いの種を見つけて、笑い倒して生きたいものである。
今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。



