人が外に出ることは色々な人に出くわすということ | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

フィレンツェ在住26年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

ここイタリアでは順々に経済活動が再開されてお店がぽつぽつと開き始める。



5/4からどこまでのお店が営業を開始し始めるのかは定かではないが

製造業、建設業、卸売業も開始のようであるから、彫金素材屋や鋳造屋などが開き始めると、大変嬉しい。

飲食店はまだまだ開店せず、テイクアウトや配達のみではあるが、

それでもこれからは和食のお弁当やお寿司なども食べられるなぁ!
と心踊る。





この間の買い物の時も、かなりの人が外に出ているのを感じられたが、

人が動き出すと、人と人とのつながりもまた活発になる。


今までは、異なる場所に住んでいたら、近親者でも会いに行くことができなかったので、

知らない人同士のやりとりが目についた。


様々な制限のもとで、みんな見えないストレスをまとっているので

嘆き節を耳にすることも多い。


郵便局の列に並んでいた時、

外国人と思われる男性が、列後方にいたのだが、
郵便局の人に呼び出され、待っている人を越して中へと入っていった。

次は、私の二人前の女性に、郵便局員が中から出てきて説明していた。

彼女は、列に並ばないで良い理由(これが何であるかは分からなかったが)を却下されたようで、

これを見ていた私の前にいた女性が

「さっき、先に行った男性はなんでなのか?」
と問いただす。

郵便局員はヒステリックに
「あの男性は局長との約束があったからなのよ。局長を呼んで、説明させましょうか?」
とくる。

一体どうしたのか?並ばなくても良いのか?
と列が乱れ始めた。


「ちゃんと列に並んでいるのに、この人は例外で先に行っていい。この人はハンディキャップがあるからと、どんどん飛ばされていったら、一体何時間になるのか?」

私の前の女性は、周囲にも賛同を求めるように
文句を言いつづけた。

気持ちは分かるが、私はだんまりを決め込む。

そして他の人も、彼女の言葉を受けて、会話をすることはなかった。


お次はメルカートでのこと。

いつもの八百屋でたっぷりと野菜を買い込み、荷物をカートに詰め込み、

お釣りをカバンにしまっている時、

「次の人は?」
と八百屋さんが言う。

「私だ。」
と犬を連れた初老の男性が手をあげる。
そこで、前へ進み、買いたい物を言い出すかと思いきや、

「どうかそこから早く、動いてくださいな。」
と私に一言。

丁寧な言い回しだけれど、要は早くそこから立ち去れということ。

メルカート(市場)は屋外でもあるから、こういう神経質な言葉はあまり聞かないので、驚いた。

並んでいる他の人も
「なんとまぁ!」
という顔をしていたので、私の驚嘆に同感なようだった。


人が動き出すと、こういったささやかなやり取りに

一喜一憂する日々が戻ってくるということ。

以前のモノトーンの街や人々の感情に、
良きにつけ悪しきにつけ
様々な色が加えられて行くことになるだろう。

今日触れたような会話も、私の日常の、さし色になったとも言える。


これからは、あちこちでイタリア的な会話を耳にすることができるだろう。



フルッタ リング 925シルバー ジルコン


今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
 
 
 
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